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大前研一ニュースの視点

衣類スチーマー 蒸気でシワをとる衣類スチーマーが人気/自動車内燃機関/ソニーグループ/出前館

・衣類スチーマー 蒸気でシワをとる衣類スチーマーが人気
・自動車内燃機関 2事業売却へ協議で合意
・ソニーグループ ゲーム事業の研究開発費約3000億円
・出前館 連結最終赤字106億円
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▼衣類スチーマー 蒸気でシワをとる衣類スチーマーが人気
 手軽さと臭いケア機能が人気の理由か
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衣類のスチーマーが人気です。

衣類スチーマーはハンガーにかけたまま蒸気で衣類のシワを伸ばすことができるほか、
プレス機能でアイロンのように折り目をつけることも可能で、
家電量販店の売れすじ価格は1万円から1万4千円程度。

若い世代を中心に利用が広がっています。

衣類のスチーマーが特に若い世代を中心に人気を博しているのは、
その利便性によるところが大きいでしょう。

アイロン台を必要とせず、一人暮らしにも手軽に使用することが可能です。

また、アイロンは不慣れな人にとっては使い方が難しく、
事故を引き起こすリスクもありますが、スチーマーなら安全に、
かつ簡単に衣類のケアが可能となります。

最近では、洗剤などのテレビコマーシャルで、臭いケア機能の強調が見受けられます。

これは、現代の消費者が他人から臭いと感じられることを大きな問題と
捉えていることを示しているかもしれません。

衣類スチーマーにも、その臭いを取る機能が備わった製品もあります。

衣類スチーマーブームは、
消費者の臭いケア需要を満たすための一角を担っているとも言えるでしょう。

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▼自動車内燃機関 2事業売却へ協議で合意
 ガソリン車と決別する大きな決断
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デンソーは10日、ガソリンエンジンを添加するスパークプラグと
排ガス用センサーの2つの事業について、
日本特殊陶業に譲渡する方向で協議すると発表しました。

この発表は、内燃機関からの離脱、すなわち電気自動車(EV)への転換を
示すものと言えます。

スパークプラグはハイブリッド車にも必要な部品ですが、
これからは部品を購入して造る形をとるのだと考えられます。

日本特殊陶業はスパークプラグで知られている会社です。

ヨーロッパの次世代自動車がEVに一本化し、ハイブリッド車を採用しないのは、
単純に技術的な問題からだと考えられます。

ヨーロッパの自動車メーカーは、ハイブリッド技術を搭載した車を製造できません。

例えばボルボの場合、電気のみで走行した後にガソリンエンジンに
切り替わる仕組みとなっていて、トヨタのようにガソリンで走行しながら
電力を蓄えることはできません。

私自身もボルボを二台使っていますが、東京から出るまでは電力で、
その先はガソリンで走行する形となります。

ボルボよりトヨタのC-HRのようなハイブリッド車の方が優れているというのが
実感ですが、ヨーロッパのメーカーが製造できない以上、
欧州の次世代自動車はEVと定めるしかないでしょう。

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▼ソニーグループ ゲーム事業の研究開発費約3000億円
 映画・音楽事業とシナジーが期待できる合理的な判断
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ソニーグループの2024年3月期のゲーム事業の研究開発費を、
およそ3000億円とする見通しが明らかになりました。

グループ全体の研究開発費のおよそ4割、3年前に比べて倍増となるもので、
ソニーはゲーム技術を磨き、メタバースなどの新市場で競争力を
高める狙いだとのことです。

ゲーム事業はソニーの売上高と利益の大部分を占めており、
最も収益性の高い領域となっています。

ここに注力するのは合理的な判断です。

ソニーは音楽や金融などの事業も展開して、利益も出していますが、
金融は別会社化の準備を進めていると言われています。

一方で、ゲーム、映画、音楽といったエンターテイメント関連の事業間で
大きなシナジーを生み出すことができます。

特に、最近ではゲーム原作の映画が大ヒットしており、
任天堂もそれで大成功しました。

ソニーがこの領域に注力することは自然な流れと言えるでしょう。

現在のゲーム業界は、マイクロソフト、任天堂、
ソニーの三者間で激しい競争が続いており、特に注目すべきです。

ソニーは、ゲームを世界的に強化し、自社の主要な収益源とする方針を打ち出しました。

日本国内に存在する多くのゲーム会社の動向も見逃せません。

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▼出前館 連結最終赤字106億円
 売上と赤字の大幅増は誰も経営に責任を持っていない証
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宅配大手、出前館が12日に発表した2022年9月から2023年5月期の連結決算は、
最終損益が106億円の赤字でした。

この期間の最終赤字は5期連続。

広告宣伝費や配達員の報酬を含む売上原価の削減により、赤字幅は縮小したものの、
足元では巣ごもり需要の一巡で注文数や利用者数が減少しているとのことです。

ウーバーイーツと正面から競争した結果です。

ウーバーイーツには他のビジネスからの利益補填がありますが、
出前館にはそのような手段は存在しません。

出前館の売上は2017年から約10倍に成長し、450億円に達していますが、
その一方で利益は黒字だったのが350億円近い赤字に転落しています。

これは、配達料を適切に受け取れていないことを示しています。

出前館の株主の大部分はLINEやZホールディングスなどのソフトバンクグループと
創業者が占めていますが、だれも業績に対して責任を持っていないように見えます。

ユーザーにとっては、会社が赤字を出してでもサービスを
提供してくれるのはありがたいかもしれません。

しかしながら、このようなビジネスモデルは当然持続可能ではありません。

にもかかわらず、責任を取るべき者がいないために、
誰も止めようとしないという事態に陥っています。

これは、ビジネスにおいて避けるべき典型的なケースと言えるでしょう。

-大前研一ニュースの視点