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大前研一ニュースの視点

国内出生率 出生率「西高東低」が鮮明

・国内出生率 出生率「西高東低」が鮮明
・資金循環統計 家計の金融資産2043兆円
・マイナンバーカード 暗証番号不要なマイナカード検討
・立憲民主党 離党届提出の徳永久志氏を除籍処分に
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▼国内出生率 出生率「西高東低」が鮮明
 少子化対策の新たな視点になり得る
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少子化対策の新たな視点になり得る日経新聞は1日、「出生率、西高東低が鮮明」
と題する記事を掲載しました。

1人の女性が生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率が、2022年に1.26となり、
2005年に並んで過去最低だった一方、2005年に比べると27の都府県で上昇しました。

特に徳島県や鳥取県の上昇幅が大きく、出産後の復職支援や働きながら
子育てをしやすい環境作りに注力していることなどが要因だとしています。

このデータを見て、日本全体の出生率に焦点を当てるのではなく、
都道府県ごとの出生率の違いに目を向けることが重要だと気付かされました。

鹿児島、宮崎、島根、長崎の出生率は1.6を超え、
スウェーデンと同等の数値を示しています。

さらに沖縄では、フランス並みの1.8という高い出生率を維持しています。

一方で、東京や宮城、北海道などの地域では1.2以下と、
韓国やシンガポール並みの低い出生率が見られます。

これらの違いを見ると、全国一律に出生率向上策を施すのではなく、
特に出生率の改善に成功した地域に対して集中的な支援を行い、
さらなる出生率の向上を目指すのが有効であると考えられます。

沖縄には特殊な事情がありますが、その他の出生率が1.6以上の地域においては、
あと少しでフランス並みになるまで改善しそうです。

こうした地域には大いに資金を投入するべきです。

このような視点から見ると、
日本全体で一気に出生率の問題を解決しようとするのではなく、
地域ごとの特性を理解して対策を講じることが求められます。

このため、各都道府県がそれぞれの状況に応じた対策を立て、
具体的な行動を起こすことが重要です。

日本全体の少子化が悪化する一方の中で、解決の足掛かりが掴めそうなニュースです。


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▼資金循環統計 家計の金融資産2043兆円
 インフレの影響の顕在化を警戒すべし
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日銀が先月27日に公表した2023年1月から3月期の資金循環統計によりますと、
3月末の家計の金融資産は2043兆円で過去最高となりました。

内訳では現預金が前年比1.7%増加、株式は2.7%増加し、
貯蓄から投資の機運が継続していることが示されましたが、
収支の差額を示す資金過不足は物価高を背景にマイナスおよそ
2兆円と9年ぶりに資金不足となりました。

インフレの影響が表れてきているということが、このニュースから読み取れます。

特に注目すべきなのは、金利が僅か0.1%しかつかない現状でも、
現預金が増加していることです。


これは日本国民の鈍感さを示しているともいえるでしょう。

もしインフレの影響がヨーロッパ並みに強くなった場合、
日本銀行や日本政府は大きな困難に直面するはずです。

ただし、現時点ではこの程度の影響で済んでいると考えられるため、
今後の動きを注視し続けることが重要となります。

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▼マイナンバーカード 暗証番号不要なマイナカード検討
 マイナンバーカードの根本的な欠陥
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松本剛明総務相は4日、暗証番号の設定が必要のない
マイナンバーカード交付する方針を明らかにしました。

認知症患者ら暗証番号の管理に不安がある人を念頭に、
保険証や本人確認書類等に限って運用する方針ですが、厚生労働省は同じ日、
マイナンバーカードと健康保険証を一体化したマイナ保健所について
「住所確認を怠るなど不適切な方法で紐付けていた保険者が293団体あった」
と発表しました。

同じような事故を繰り返していますが、以前から提唱しているように、
全体をゼロに戻してから始めなければうまくいくはずがありません。

事故の原因の半分は、住基ネットからスタートして、健康保険、
さらには他の制度と紐づけようとしていることです。

その紐づけが難しい、うまくいかないということを直視すべきです。

原因のもう半分は、生体認証が採用されていないことです。

私は1994年に書いた『新・大前研一レポート~日本を変える83の政策提案~』以来、
国民総背番号制度には生体認証が必須だと20年以上も主張してきました。

実際に、うまく国民総背番号制が機能しているインドでは、
両手の指紋と虹彩や顔を用いた生体認証が導入されています。

例外的に整体データが取れない人には、
特例として別の方法を提供すれば問題ないはずです。

それ以外の方法では絶対にうまくいきません。

にも拘らず、マイナンバーカードは暗証番号が採用され、
忘れた時の再交付に大変な手続きを要する形になってしまいました。

認知症の人には取り扱いが不可能です。

こうした問題が実際に生じて初めて、
国は「暗証番号を覚えられない国民が数千万人存在する」
ということに気づいたようです。

デジタル庁は何度も謝罪をし、マニュアルを作って対策するだの庁を挙げて
総力で取り組むだのと言っていますが、そんなことで解決する問題ではありません。

河野デジタル相はゼロからやり直す決断をすべきです。

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▼立憲民主党 離党届提出の徳永久志氏を除籍処分に
 深刻な人材とリーダーシップの不足
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立憲民主党は4日、離党届を提出した徳永久志氏について議員辞職を勧告し、
除籍処分とするよう党の倫理委員会に提起する方針を決定しました。

徳永氏は離党の理由について、「衆院選への準備が不十分にもかかわらず、
内閣不信任決議案を提出したことに違和感を覚えた」と説明しましたが、
立憲民主からは6月にも民主党政権で拉致問題担当大臣を務めた松原仁氏が離党しており、
泉健太代表ら執行部の方向性が定まらず、
党員に不満が蓄積していることが要因と見られます。

党としては一人でも多くの人材を確保したいと考えているにも関わらず、
ちぐはぐな運営でまったく上手くいっていません。

松原氏は「自分が望む選挙区を割り当ててもらえない」と発言していますが、
このようなベテランの議員すら選挙区が定まらないという事態は異常です。

そうした政党は結果的には空中分解するしかないでしょう。

小沢一郎氏が述べたように、ここで一致団結しない限り、
次の選挙で立憲民主党は維新の会に惨敗し、野党第一党の座を失うと考えられます。

泉健太代表は、こうした危機になにも対応できていないと言わざるを得ません。

早急に党首を交代すべきだと思いますが、問題は次の指導者がいないことです。

小沢一郎氏を再び立てるような時代でもなく、新たな人材も見当たらない現状では、
立憲民主党の危機は続くと思われます。

-大前研一ニュースの視点