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週末だけのグローバル投資コラム

米国の分断と世界の混乱 (70)抜け穴だらけの対ロ制裁。独伊蘭、石炭火力発電を加速。

2022/07/02

ほぼ同じ内容の動画はこちら ↓↓↓

2022年06月24日21:21 抜け穴だらけの対ロ制裁。独伊蘭、石炭火力発電を加速。
流行は無視するか「早乗り早降り」に限る。
投資戦略動画(公開用)20220624 (26分)
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51282108.html

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【公開用アップデート概略】
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1. 抜け穴だらけの対ロ制裁

2. 独伊蘭、石炭火力発電を加速

3. 流行は無視するか、「早乗り早降り」に限る

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関連リンク
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2022年6月20日12:16 午後
インドのロシア産石炭購入がここ3週間で急増、3割値引きも提示
https://jp.reuters.com/article/india-russia-coal-idJPKBN2O104N

Russian Oil Producers Stay One Step Ahead of Sanctions
Shippers and refiners hide origin of Russian oil, and some is getting into the U.S.
June 1, 2022 5:43 am ET
https://www.wsj.com/articles/russian-oil-producers-stay-one-step-ahead-of-sanctions-11654076614

2022年6月23日7:54 午前
対中関税は米国が貿易問題で行使できる「大事な手段」=USTR代表
https://jp.reuters.com/article/usa-trade-china-tai-idJPKBN2O3243

2022年6月21日8:22 午前
米、ロシア産石油の価格上限設定案を同盟国と協議=イエレン長官
https://jp.reuters.com/article/usa-canada-yellen-oil-idJPKBN2O11JU

独、ロシア産ガス減で緊急措置
石炭火力発電増加へ
2022/6/20 00:00 (JST)6/20 00:17 (JST)updated
https://nordot.app/911269993776726016

JUNE 23, 20228:34 AMUPDATED A DAY AGO
EU当局者、一時的な石炭シフト示唆 ガス「不正」とロシア非難
https://www.reuters.com/article/ukraine-crisis-gas-idJPL6N2Y90C3

脱石炭の期限切らぬ日本、より厳しい立場に G7が段階的廃止合意
毎日新聞 2022/5/28 20:33(最終更新 5/28 20:33)
https://mainichi.jp/articles/20220528/k00/00m/010/240000c

「SDGsの大嘘」にほとんどの一般人が騙されるワケ
誰も反対できない17のお題目に潜む「矛盾」
池田 清彦 : 生物学者
2022/06/22 13:00
https://toyokeizai.net/articles/-/594398

衰えるESGの威光、個人投資家が距離−ゴールドマン事案も一因に
2022年6月22日 6:00 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-06-21/RDK8X5T0G1L201?srnd=cojp-v2

令和4年6月17日
証券取引等監視委員会
株式会社エスコンアセットマネジメントに対する検査結果に基づく勧告について
https://www.fsa.go.jp/sesc/news/c_2022/2022/20220617-4.html

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先週の今ごろ、私はかなり弱気に傾いていました。

米株の長期見通しには陰りが出てきたからです。

しかし目先は循環的な買戻しがしばらく続くのではないかと考えています。

なぜなら「あらゆるリスクをいったん織り込んだ」ように見えるからです。

またインフレも、しばらく鎮静化したように見えるはず。

ここから先ヤバいのは、むしろ新興国でしょう。

詳しくは会員さん向け動画で解説しますが、
ここではその前提となる状況について述べます。

【1. 抜け穴だらけの対ロ制裁】

西側の対ロ制裁は抜け穴だらけです。

たとえばインドはロシアから3割安で原油を輸入し、製品化して欧米に輸出していると
ウォールストリートジャーナル(WSJ)が報道しています。

同様に中国もロシアから安く原材料を買い、高く欧米諸国に売っていることでしょう。

一般論としては「制裁に参加しない国や会社が裁定利益を得る」のです。

現在はロシアの資源を西側諸国が直接買えないことになっています。

そこでインドなどは石油などを3割安で買い、
「43%高(0.7の逆数)+付加価値」で先進国を売ることができます。

同様に中国は、完成品の形で先進国に売ることができます。

インドは石油製品の形で、中国は完成品の形で利益を得ることができるということです。

一方で先進国の利ザヤは薄くなり、EPSが下がってしまいます。

同じことは六四天安門事件後の対中制裁で起きました。

日本は制裁をいちはやく解き、「裁定利益」を得たのではないかと思います。

それが欧米の不信感を買い、クリントン政権の
「ジャパンバッシング」につながった可能性があります。

しかしそれを問題視した米国は、逆効果な対策を準備しています。

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(1)対中関税を下げ輸入を増やす

(2)ロシア産原油に価格上限を設ける
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(1)は中国が完成品の形でロシアの資源を先進国に売るお手伝いとなります。

(2)はただでさえ西側諸国以外に安く売られている資源をさらに安くし、
制裁しない国の利益をかさ上げします。

米国がドツボに嵌るよう誘導されているのかもしれませんが、正気を疑います。

【2. 独伊蘭、石炭火力発電を加速】

今週ドイツ・イタリア・オランダが「石炭火力発電を加速させる」と発表しました。

「脱炭素」を掲げる欧州も、背に腹は代えられなくなったのでしょう。

しかしドイツは4週間前にG7で「石炭火力発電をやめろ!」と迫ったくせに、
今さらどの口で言うかと思います。

5月28日の記事には
「石炭に依存する日本に対する国際社会の視線がさらに厳しくなるのは必至だ。」
と書かれていました。

彼らは日本の技術を使おうとしません。

日本のクリーンコールテクノロジー(CCT)や
石炭ガス化複合発電プラント(IGCC)も否定しています。

その彼らが石炭火力発電を再稼働すればCO2を排出し、大気汚染も進むはず

これはまるでクリーンディーゼル詐欺が2015年にバレるまで、
大気汚染が進んだことを思い出します。

彼らが日本に謝罪もなく、勝手にルールを変えるのは腹立たしいです。

しかしその感情とは別に「政策の方向性としては正しい」と思います。

中国もロシアもCO2削減など気にしていないのですから、
西側諸国もガンガン化石燃料を掘って燃やせばよいのです。

そうすればエネルギー価格は下がり、インフレも鎮静化するでしょう。

ソ連崩壊の要因のひとつとなった90年代の「原油1バレル10ドル」
を再現すれば良いのです。

【3. 流行は無視するか、「早乗り早降り」に限る】

株式市場には次から次へと「相場テーマ」が登場しては消えます。

株式投資は本来「資本蓄積プロセス(by大倉真)」に従っているはず。

これが長期投資をする上での大前提です。

実は投資するに足る銘柄はかなり少ないのです。

弊社の「永久保有ポートフォリオ」はその一種で、回転率は異様に低いです。

しかしそれでは売り手が稼げないので、その時々で流行を仕掛けてきます。

そのひとつがテーマ株で、仮想通貨・BEV・水素)などと次々にブームを作り出します。

これらは短期的には「おいしい」こともありますが、長期では不利になったりします。

同じ戦略を取る資金が増え過ぎて(オーバークラウデッド)、
期待収益が下がるからです。

それを投資だけでなくさらに大掛かりにしたのが「免罪符ビジネス」です。

これは「世界を巻き込む宗教」とも言えます。

SGDsもESGも、一種の免罪符ビジネスと呼べるでしょう。

なぜなら経済活動で環境や持続性を考えるのは当たり前だからです。

少なくとも日本企業は毎日精進していることと思います。

その当たり前のことを声高に主張し、
自ら権威になろうとするのが「免罪符ビジネス」なのです。

今週、「SDGsの大嘘にほとんどの一般人が騙されるワケ」という記事を読みました。

わざわざ丁寧に分析していただいて、ありがたいことです。

私はこのような免罪符ビジネスのパンフレットを真面目に読まないので、
勉強になりました。

またこのようなことを言うと「魔女狩り」されるので、
黙っているということもあります。

また「ESG投資40兆ドル(約5400兆円)に陰り」という記事もありました。

私は正直、それほど投資が集まっているとは知りませんでした。

このような流行に乗るのも良いですが、降り時を見極めるのは難しいです。

なぜなら善悪を決めるのはどうせ「いつもの人たち」だからです。

いずれお墨付きを与えるところから腐敗して、判断基準がおかしくなり、
信用を失って、見向きもされなくなります。

ゴールドマンやドイツ銀のような名門でさえ、その法則からは逃れられません。

そもそも「誰かが作った権威」を投資に持ち込めば、
判断を誤りやすくなってしまいます。

だからそのようなものは「無視する」か「逆に利用すべき」なのです。

もし利用する場合は「早乗り早降り」に限ると思います。

これらは、広義には「利益相反問題」です。

売り手には売り手の利益があり、買い手には買い手の利益があります。

投資家はそれを知った上で、投資商品や業者を利用してください。

(終)

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2022年06月24日21:21 抜け穴だらけの対ロ制裁。独伊蘭、石炭火力発電を加速。流行は無視するか「早乗り早降り」に限る。
投資戦略動画(公開用)20220624 (26分)
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51282108.html

2022年06月18日08:00
【週末だけのグローバル投資】米国の分断と世界の混乱 (69)長期弱気に見通しを大転換。デフレからインフレへ
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51282035.html

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