そこが知りたい情報チャンネル

このブログは、自分にとって参考になったことや活用できると思った記事をUPしていきます。

大前研一ニュースの視点

タイ情勢/ 朝鮮半島情勢/ BRICS

  • タイ情勢 貢献党セター氏が新首相就任
  • 朝鮮半島情勢 「一つの国としての統一」望むのは28.5%
  • BRICS 新たに6カ国が参加
  •  

▼タイ情勢 貢献党セター氏が新首相就任
 タクシン氏帰国は今後のタイにどのような影響を与えるか

タイの国会は22日、首相指名選挙でタイ貢献党のセター氏を選出し、
翌23日に国王の承認を受け、セター氏が首相に就任しました。

貢献党が親軍派を含む旧与野党10党と連立を組み、多数派を確保したものですが、
貢献党の実質的指導者で国外逃亡中だったタクシン元首相が15年ぶりに
帰国した背景には親軍派と取引があったとの見方がある他、民主派の第一党、
前進党を排除したことから国民の反発も予想されています。

軍事政権のプラユット氏が辞めた後、
対立していた親軍派を取り込んだ形の貢献党・セター氏が首相になりました。

セター氏は不動産王と言われた元実業家であるため、
新たな政策を行う可能性はあるものの、
私には親軍派と組んだ新政権が理想的な方向に進むとは思えません。

実は15年前にタクシン氏がタイを離れた日、最後に朝食を共にしたのは私です。

その日、講演のためにタイを訪れていた私は、タクシン氏から朝食に誘われました。

知的な彼は私の著書の内容をよく覚えており、その話で非常に盛り上がりました。

そしてその朝食後、彼はフィンランドに旅立ち、タイへ戻ることはありませんでした。

またタイを離れていた彼に、私はインドネシアで偶然会いました。

私はインドネシアで講演を行っており、彼と同じホテルにいたのです。

彼とはとても親しい間柄であり、いつも話が弾みます。

最近、私はアンダマン海のリゾート地であるサムイ島やプーケット辺りを訪れ、
ダイビングなどを楽しむものの、ずっとタイには縁がないと思っていました。

しかしこのニュースでタクシン氏のことを思い出し、
15年たってやっと戻ってこれたのかと感慨深く思いました。

 

▼朝鮮半島情勢 「一つの国としての統一」望むのは28.5%
 南北統一は文在寅氏の夢と終わるのか

韓国政府がまとめた世論調査によると、
南北統一が必要と考える人が73.4%に達した一方、
一つの国としての統一を望んだのは28.5%にとどまったということです。

統一は危険過ぎる、実現したらリスクしかないなどの意見が上がったということで、
自由な往来が可能な2国になるのを望む人が52%ということです。

文在寅氏は南北統一を夢見て懸命になっていますが、
韓国国民の多くはそれを望んではいません。

北朝鮮との往来確保で人件費を抑えて国の競争力を維持し、
北朝鮮の一人当たりGDPが韓国に追い付いたときに統一をというビジョンを
持っているのでしょう。

もちろん、そこには金正恩の姿はありません。

北朝鮮が重要で日本は要らないという人が多いように見えますが、
心の中ではそうではなく、北朝鮮から韓国へと大量の人が入り込むのを
恐れているはずで、韓国人の本音を知るのは難しいと思います。

 

▼BRICS 新たに6カ国が参加
 6カ国参加によるBRICSの勢力拡大は期待薄

BRICS首脳会議は24日、新たに6カ国が参加すると発表しました。

加盟を申請している国のうち、アルゼンチン、エジプト、エチオピア、イラン、
サウジアラビア、UAEを正式に招待するもので、
BRICSの拡大は2010年に南アフリカが加わって以来となります。

ブラジル、ロシア、インド、中国に南アフリカが加わって、
5カ国となったBRICSに、今後6カ国が参加して、
さらに拡大するのはよいことだとされています。

しかし新たに参加する国々は、サウジアラビア以外はGDPが低く、
弱い国だと言わざるを得ません。

このことでBRICSが南の地域の代表になるという思惑は、
決して悪いものではありませんが、なぜ他の国が参加しないのか。

そこを考えると、BRICSが抱える問題が見えてきます。

-大前研一ニュースの視点