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大前研一ニュースの視点

無人タクシー/越境EC/NTTデータ ~自動運転化の実現に向けて、大きく出遅れた日本勢

2019/01/29

・無人タクシー 2019年にも米複数都市でサービス開始
・越境EC 伊藤忠、KDDI、SBIから計76億5000万円調達
・NTTデータ インドで見たNTTデータ

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▼自動運転化の実現に向けて、大きく出遅れた日本勢
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米ゼネラル・モーターズは2019年にも米国の複数の都市で
自動運転車を使った無人タクシーサービスを始めると公表しました。

このサービスをめぐって、アルファベット傘下のウェイモが
米アリゾナ州で同様のサービスを区域限定で試験走行を開始しており、
GMはこれに対抗し、技術的な難易度は高いものの、
より需要が大きい大都市などでの展開を目指す考えです。

これは極めて驚くべきことです。

これまでは電気自動車化が2020年、
自動運転化は2030年を目安にするという状況でしたが、
今回の発表はこれらのスケジュールを一気に短縮するものです。

2019年無人タクシーの実用化に向けて、
米国では都市ごとに規制を決められるのもアドバンテージでしょう。

すでにウェイモはアリゾナで試験走行を開始していますし、
中国ジーリー・ホールディングの傘下に入ったボルボも、
2019年から中国で自動運転を開始すると言われています。

こうして見ると、日本勢は大きく出遅れていると言わざるを得ません。

ディー・エヌ・エーが乗り合いバスのようなものを走行させていますが、
自動運転と呼ぶにはレベルが違いすぎます。

日本企業からすると、この出遅れは非常に深刻な問題だと私は見ています。

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▼日本で中国のようにスマホ決済が普及しない理由
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越境ECサイト「豌豆公主(ワンドウ)プラットフォーム」
を運営するスタートアップ企業、Inagora(インアゴーラ)は
先月22日、伊藤忠商事、KDDI、SBIホールディングスから、
総額約76億5000万円の資金を調達したことを発表しました。

インアゴーラは、現在中国で人気の高い日本の食料品や
化粧品など約4万品目を取り扱っており、
今回の支援で商品や物流のさらなる充実を図り、
2020年の取扱高を現在の約10倍に増やす計画とのことです。

中国のECサイトと言えば、アリババ、JD(京東)が
すでに何兆円という規模で展開しています。

中国の越境ECの市場規模とその内訳を見ると、
日本は米国からの購入がほとんどですが、
一方、中国は日本からの購入が半分を占めています。

米国もまた日本からの購入が多くなっています。

このように日本からの購入が多い状況なので、
伊藤忠がKDDIやSBIから資本調達をして、
ここに資源を集中して攻めようという意図でしょう。

これは目が離せない動きの1つになると思います。

今後もいろいろと話題になってくるでしょう。

ECサイトの運営を考える上で、
中国ECサイトの特徴の1つがスマホ決済であり、
これを実現しているのはシンプルなQRコードによる読み込みです。

町の八百屋さんでも、友達同士でも、
お金のやり取りを簡単にすることができるようになります。

しかし日本や米国の場合、クレジットカード会社、
銀行など既得権益を持つシステムがのさばっていて、
簡単にスマホ決済だけに切り替えることができません。

中国の場合には、銀行や国がシステムを作り上げる前に、
ECサイト側がスマホ決済のシステムを作り上げてしまいました。

もうこの流れをもとに戻すことはできないでしょう。

最近では、アリババは芝麻信用(ジーマクレジット)
という仕組みを使って、独自にユーザーの信用格付けまで行っています。

格付けによってはレストランの予約時に
自動的にデポジットをさせるなど、
はっきり言ってやりたい放題な状況です。

日本も米国もクレジットカードを中心とした
既得権益があるので、このようにはいきません。

その点、インドと中国では、
こうした先進的なスマホ決済のシステムの導入が
どんどん進んでいくと思います。

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▼買収後、3ヶ月以内に徹底的に「○○化」を進めることが重要
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日経コンピュータは先月21日、
「インドで見たNTTデータ」と題する記事を掲載しました。

これはNTTデータが米デルのITサービス部門を
買収してから半年が経過したと紹介。

現在、インドの拠点ではチームワークや
礼儀を重んじる文化など日本との共通点をベースに
統合作業が上手く進んでいるとし、
この先行きが、同社がグローバルで成長できるかどうかの
命運をわけるとしています。

統合がうまく進んでいると言うよりも、
買収から半年も経過したのに、
未だにデルの「臭い」が残っているという点が指摘されています。

実際、買収後は3ヶ月以内に徹底的にNTT化することが重要でしたが、
それが達成されていないというのは、懸念すべきかも知れません。

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