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大前研一ニュースの視点

日ロ関係/北方領土 ~北方領土問題は、安倍前首相が解決しておくべきだった

・日ロ関係 北方領土に経済特区創設へ
・北方領土 ロシア人男性が難民申請

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▼北方領土問題は、安倍前首相が解決しておくべきだった
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ロシアのプーチン大統領は3日、
極東ウラジオストクで開催した
東方経済フォーラムで演説し、
北方領土に
日本企業などを誘致するための特区を
創設すると表明しました。

 

また、プーチン氏は、
「日本との平和条約が
ないことはナンセンス」と述べ、
平和条約締結交渉の進展に
意欲を示しました。

まだこの問題が
解決していないのかと思うと、
残念でなりません。

 

安倍前首相は、
在職中に約30回も
プーチン大統領と会談したのに、
この問題を全く進捗させることなく
終わりました。

私に言わせれば、
経費の無駄遣いでしかなかったと
思います。

 

一昨年の東方経済フォーラムで、
プーチン大統領は
「領土の話よりも、
平和条約を締結する方が先決」
という意向を示していました。

すなわち、
領土問題は条約を締結し、
国と国の関係が出来上がってから
考えるべきことである、
という主張です。

 

日本がロシアと平和条約を締結した上で
善意を示すのであれば、
領土問題についても
何かしら優遇できる可能性があるので、
ぜひ投資をして欲しいという
思惑でしょう。

ロシアからすれば、
領土返還と言われても、
そもそも第二次世界大戦後に
米国から譲られた領土であり、
「日本に返還する」ということ自体が
筋違いであるという認識です。

 

また、
数年前に領土問題について協議した時、
谷内正太郎氏が
ロシアのラブロフ外相から
「日本領になった時には
日米安全保障条約の対象になるのか」と
問われた際、
「日米安保の対象になる」と
回答したことが致命的でした。

 

日米安保の対象となるということは、
米軍が駐留することを意味します。

これはロシアにとって
大きな内政問題に発展する可能性があり、
それを解決しない限り
領土を引き渡すことなどできない
というのは当然と言えるでしょう。

 

そのような事情を踏まえて、
日米安保の対象外とする代わりに
ロシアから統治権を譲り受ける、
というのが最善の落とし所だったと
私は思います。

しかし残念ながら、
当時の安倍前首相には
それを実行に移すだけの
裁量と器量がなかったということでしょう。

 

このような経緯から考えれば、
今回の経済特区というのは
当然の帰結です。

しかし、この言い方では
日本から反発を受けるのも当然で、
プーチン大統領にしても
日本の国内事情を
もう少し勉強しておくべきだと思います。

 

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▼難民受け入れ、観光地として見る北海道の課題
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北方領土の国後島から
泳いで渡航したとされる
ロシア人男性が、
札幌出入国在留管理局に対し、
難民認定申請したことが
明らかになりました。

 

入管難民法では
難民申請の手続き中の外国人は
送還が停止されるため、
当面は日本国内に
とどまることになるとのことです。

この難民申請というのも、
私に言わせればおかしな議論です。

 

北方領土について、
日本はロシアの領土ではなく
自国の領土だと
主張しているわけですから、
難民申請の受け入れ云々ではなく、
「引越し」と
定義すれば良いと私は思います。

 

日本政府からすれば、
国後島から網走に
居住を移したという
「引越し手続き」を
すれば良いだけの話です。

実は、
日本に居住したいと思っている
ロシアの若者の中には
このことを理解していて、
最近では難民申請をせず
居住権が欲しいと
主張する人もいるようです。

 

一方で、北海道経済に目を向けると、
最近第2のニセコとして
富良野市の北の峰地区が
注目を集めています。

しかし、
幾度となく北海道に足を運んでいる
私に言わせれば、
改善すべき点はたくさんあります。

 

富良野といえば
ラベンダー畑が有名ですが、
ほぼファーム富田に限られているので、
実際に足を運ぶと少し残念に感じます。

富良野の街全体を
ラベンダーで覆って、
見渡す限り美しい景観が
広がっているぐらいのことを
実現してほしいと思います。

 

また、スキー場のレベルも
高いわけではなく、
旅館も少ないですし、
非常にもったいないと感じます。

こうした課題は
富良野に限ったものではありません。

 

ニセコのスキー場にしても
気温が低すぎて
危険だと感じるところがありますし、
観光地としての北海道には
改善できる点がたくさんあります。

逆に言えば、
その課題点を
変えていくことができれば、
もっと魅力的な土地になれる可能性は
十分あります。

ぜひ、良い方向へ
大きく変化してほしいと思います。

 

 

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