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大前研一ニュースの視点

G7首脳会議 広島サミット2023全日程を終え閉幕

広島平和記念資料館 「強烈な印象を受けた」
ウクライナ支援 100台規模の自衛隊車両提供
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▼広島平和記念資料館 「強烈な印象を受けた」
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先進7か国(G7)首脳会議に参加していた
米国のバイデン大統領は
先月21日、広島市内で記者会見し、
「平和記念公園原爆資料館を訪れて
強烈な印象を受けた」と語り、
「核兵器の脅威のない世界を
作らなければならない」との考えを示しました。

フランスのマクロン大統領も
「衝撃的だった。
原爆資料館を訪問して
被爆者の話を聞くことができ、
核兵器が作り出す被害の大きさを思い知った」
と語りました。

全日程を終えた
今回のG7首脳会議の成功要因は、
広島で行ったことが大きいと考えます。

参加した首脳達が
原爆資料館を訪れたことが
大きな意義を持っていました。

私も外国人ゲストを
原爆資料館にガイドしたことがありますが、
誰もがショックを受け、
訪問後数時間は人が変わったようになります。

岸田首相は外相時の伊勢志摩サミットでも、
米国のオバマ大統領の
原爆資料館の訪問を組み込んでいましたので、
その時の経験と広島出身という
強みを活かしての外交でした。

しかし、
「広島ビジョン」と称して
核軍縮の共同文書を出し、
核兵器の脅威が無い世界を望むと表明した
にも関わらず、
日本は核兵器禁止条約にサインしていない
という事実は無視できません。

広島ビジョンの内容は
核兵器禁止条約と基本的に変わらない以上、
米国の圧力を振り切って
核兵器禁止条約に署名しないと、
口先だけだという批判は免れないと考えます。

また、
ウクライナに対する支援姿勢は、
G7首脳会議で一致しました。

一方で、
ウクライナはクチマ大統領の頃から
汚職が多いという問題を抱えており、
その体質を改めなければ、
欧州連合(EU)への加盟は難しいという
大きな課題が残っています。

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▼ウクライナ支援 100台規模の自衛隊車両提供
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岸田首相は
ウクライナのゼレンスキー大統領と
先月21日に会談し、
日本独自の新たな支援策として
100台規模の自衛隊車両や、
およそ3万食の非常用の食料を提供する
考えを示しました。

これに対し
ゼレンスキー大統領は謝意を示すとともに、
「G7首脳会議に初めて対面で参加できて大変嬉しい。
首相の指導力、
特にグローバルサウスの国々を
招待した事は素晴らしい」
と述べました。

グローバルサウスの国々の中で重要だったのは、
インド、インドネシア、ブラジルです。

しかし、
ブラジルのルーラ大統領は高齢だということもあり、
存在感を示せていないと感じました。

インドネシアも重要勢力になる
可能性は低いとみられます。

一方で、
インドのモディ首相は
ゼレンスキー大統領と初対面を果たし、
和平に向けて個人としても国としても
協力すると表明しました。

ロシアへの経済制裁に
非協力的なインドが、
これでウクライナ寄りになったとしたら
大きな成果です。

しかしモディ首相は
良いとこ取りをする人物であるため、
その発言をどこまで信用できるかは疑問です。

一方、
日本は欧米に比べて規制が厳しく、
軍備の支援は禁止されています。

そのため、
防弾チョッキのようなものしか
提供することが出来ません。

そのなかで、
今回注目されているのは
三菱自動車製の1/2トラック、
トヨタ製高機動車、
履帯で走る資材運搬車、
そして3万食の食料です。

日本ができることは全てやったと言える内容だと考えます。

 

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