そこが知りたい情報チャンネル

このブログは、自分にとって参考になったことや活用できると思った記事をUPしていきます。

大前研一ニュースの視点

外貨預金/ 米債券市場/ 国内経済対策/ 内閣支持率

  • 外貨預金 ドル定期預金、魅力増す
  • 米債券市場 10年債利回り4.57%
  • 国内経済対策 1人4万年円の定額減税を決定
  • 内閣支持率 岸田内閣の支持率28.3%

▼外貨預金 ドル定期預金、魅力増す
 日本の国力が弱い今こそ、利回りの高いドル定期預金を選択すべき

日経新聞は4日、「ドル定期預金、魅力増す」と題する記事を掲載しました。

これは円安の進行や、
多くの銀行がアメリカドルの定期預金金利を相次いで引き上げているのを受け、
外貨預金への関心が高まっていると紹介しています。
円安は食品や光熱費などの値上げを通じて家計を圧迫する一方、
外貨を持てば為替差益や利子により、それらを相殺する保険となるためで、
始める際にはタイミングや長期視点を持つことなどが重要としています。

長い目で見ると、円ではなくドルで預金をすることが正解となると思います。

三井住友銀行が9月にドル定期預金の金利を年0.01%から5.3%に
引き上げたことに続き、SBI新生銀行は6%に引き上げるなど、
ドル定期預金への関心が高まっています。

今は1ドル150円の円安ですが、反転して120円等となると、
せっかく数年かけてもうけても円に換えたときには損をしてしまいます。

しかし数年以内に1ドル110円、120円といった状況になるかというと、
今の日本には国力はなく、輸出についても影響するほどのものはありません。
従って利回りの高いものを選択することは鉄則であり、
今こそ、それを実行すべきであると思います。

また主な通貨別外貨建て定期預金の金利は、現在ユーロ、英ポンド、
スイスフランなどは日本と同じく0.01であり、
米ドルおよび米ドルMMFだけが飛び抜けて高い金利となっています。

今、世界中からお金を吸い寄せているのはアメリカなのです。

 

▼米債券市場 10年債利回り4.57%
 債券、株、定期預金の米国内での引っ張り合いに注目

3日のアメリカ債権市場で、10年債の利回りが4.57%に下落しました。

週間の下げ幅は0.27%とおよそ8カ月ぶりの大きさで、
この日発表された経済指標が市場予想を下回った他、
FRBのパウエル議長が今後の政策決定について「注意深く進める」
と発言したのを受け、利上げの終結観測が広がった形です。

日本の債券に比べ、
利回りが下落したとはいえども米国債券にはまだ魅力があります。

そして今後は株が非常によくなるはずですので、
米国債の利回りは上がらざるを得ないと思います。
日本のような低次元ではないところで、定期預金、株、
国債が米国では引っ張り合いをしています。

米10年債については、
どんどん利回りを上げていかなければ魅力がなくなってしまいます。

しかし逆に魅力が出過ぎた場合には、
パウエル氏が金利そのものをまた下げるかもしれません。
パウエル氏は利上げをしそうな発言をしながら2度それを見送るなど、
様子を伺っています。
アメリカでは人手が足りない業界が多く、自動車業界ではストライキを
成功させて日給4万円の自動車工場労働者が出ていますが、
安易に人件費を上げ過ぎることが企業収益の低下を招く恐れは十分にあります。

一方、GAFAMにおいては労働者のおかげではなく、
仕掛けの上ではもうかるでしょうが、
二次産業をつぶす形で三次産業が栄えていけば、債券と銀行の金利、
そして株式などは今後どうなっていくかは未知数です。

しかしアメリカは、
鉄鋼業など自国の二次産業が衰退するのを長い間見てきましたので、
アメリカの自動産業がひっくり返ったとしても、
大きな影響はあまりないだろうとは思います。

 

▼国内経済対策 1人4万円の定額減税を決定
 新たな経済政策の陰で、給与アップ法案提出の抜け目なさ

政府は新たな経済対策で、1人当たり4万円の定額減税を決定しました。

また住民税の非課税世帯には、1世帯当たり7万円を給付する方針ですが、
所得制限などの詳細は固まっていない他、
定額減税の実施には税制関連法案の改正が必要なため、
一律給付と比べて複雑さが目立つ内容となっています。

非課税世帯への7万円給付は分かりやすい経済政策ですが、
4万円の定額減税については不明な点も多く、
誰もぴんとこないのではないでしょうか。

そして同時期に首相や閣僚の給与アップ法案が提出され、
むしろこちらのほうが多方面からたたかれています。
岸田首相の余命が長くないという説もあるようで、
次期首相のための法案ではないか、さすが宏池会だと思います。

 

▼内閣支持率 岸田内閣の支持率28.3%
 外遊にのんびり時間を費やしている場合なのか

共同通信が行った世論調査の結果によりますと、
岸田内閣の支持率は10月の前回調査から4ポイント低下の28.3%で、
過去最低となりました。

また政府の経済対策に盛り込まれた1人当たり4万円の所得税、
住民税の定額減税については、
「評価しない」が62.5%に上ったということです。

岸田首相は国民に嫌われることをなぜうれしそうに言うのか、
私にはそれが分かりません。

しかし昨日行われたフィリピン議会での演説の評判はよく、
そして今日、マレーシアのアンワル首相とは中国を念頭に
共同戦線を張っていこうと話しました。
積極的な動きをしないからか、外交では大きな落ち度はありません。
対してケネディスクール出身の現外務大臣の上川氏や
前外務大臣の林氏のほうが、急所を突く良い働きをしています。

かつてクリントン元大統領は、It's the economy, stupidと発言しました。

岸田内閣はそれをまねて、
経済が重要だと経済政策を打ち出したのだと思いますが、
残念ながら国民の評価は過去最低となっています。
他の人が寝首をかくような動きもありませんので、
今のところは平穏に、外遊へと時間を費やせているようです。

-大前研一ニュースの視点