米中通商協議のゆくえ (1)中華流交渉術に翻弄されるトランプ政権
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注目された米中通商協議は期限を2日間延長。
トランプ米大統領は
「進展があれば3月1日に設定している関税率引き上げ期限を
1ヶ月延長することもある」
と発言しました。
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米中通商協議を2日間延長、為替政策で進展−3月にも首脳会談
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-02-22/PNCJ1A6JIJUT01?srnd=cojp-v2-overseas
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またムニューシン財務長官は「通貨に関しては最終合意に達した」
と発表しました。
数日前には主要な構造問題で6つの覚書が準備されていると
報道されていました。
これらを見ると、交渉が順調に進んでいるかのように見えます。
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米国と中国、通貨に関して最終合意に達した−ムニューシン財務長官
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-02-22/PNCF9D6K50XS01?srnd=cojp-v2-overseas
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米中貿易交渉、主要な構造問題で6つの覚書を準備
https://jp.reuters.com/article/usa-china-six-memorandums-idJPKCN1QA0A5
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しかし「中華流交渉術」を知っていれば、
いつもの手口で嵌められているようにしか見えません。
習近平氏と会談する/しないをエサにすれば、
さらに3ヶ月ぐらいは稼げるでしょう。
ついでにトランプ米大統領と中国の副首相が会談することで、
習近平主席は「さらに上の存在」であることを印象付けました。
来年の大統領選挙に向けてトランプ氏が功を焦るようになれば、
ますます中国のペースで交渉が進むことと思います。
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中華流交渉術は、韓国や北朝鮮にも共通する戦術です。
クリントン政権もブッシュ政権も同じようにして
北朝鮮に資金と時間を与えました。
オバマ政権はそもそも問題であることを認識できていませんでした。
その結果が北朝鮮の核ミサイル完成だったのです。
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中国は交渉に応じるふりをしながら遅延工作を続けています。
通商協議に耳目を集めておけば、
尖閣に中国船が3日連続で侵入しても騒がれません。
強制収容所や臓器移植ビジネスも注目されません。
中国にとっては「時間稼ぎ」こそが重要で、
各国のシンパを使って期待を盛り上げています。
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そして仮に何かを約束したところで、守られることはありません。
何か理由をつけてゴネたり、別の場所で火種を撒いて、
注意をそらしてしまえば良いのです。
その頃には大統領もスタッフも変わってしまい、またゼロからスタートします。
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中華文明と何か約束をしても、それで解決した気になってはいけません。
「法律・契約・条約を守るのは弱者だけ」
「自分は立場が上なのだから守る必要はない」
「むしろ立場が上であることを示すために、積極的に破るべきだ」
と、考える文化があるです。
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彼らの中では「頭を下げず、約束を守らない人こそ強者」です。
簡単に謝ったりカネや技術を差し出ような人間は弱者なので、
何をやっても良い相手ということになります。
ましてや外国人(夷狄)と対等に話すような人は、
権力者にふさわしくありません。
フレンドリーな指導者は部下や国民から舐められて、
権力を奪われてしまうのです。
それは即ち、死を意味します。
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今の米国や日本の態度を見ている限り、
中華文明を理解しているとは思えません。
六者協議・日韓基本条約・慰安婦合意などが守られないのは、
彼らの中で強烈な序列意識があるからです。
彼らが尊重するのは「力」だけであり、
言論や法律などは「弱者の寝言」に過ぎないのです。
その「信仰」がわからないうちは、
東アジアの問題を解決することはできないと考えます。
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気になるチャート20190222
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