ヘリコプターマネーの本質 (1)「偏ったヘリマネ」ならすでに実行されている
2019/01/28
今週はヘリコプターマネーの思惑で大幅な円安・株高となりました。
バーナンキ前FRB議長から、
「永久国債を発行して日銀が引き受ける」アイディアを与えられたというのです。
それが4月の話であっても、菅(すが)官房長官が否定しても、
名だたるエコノミストが警告してもお構いなしでした。
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ヘリコプターマネー(通称ヘリマネ)とは
「中央銀行が生み出した返済する必要のないお金を、政府が国民に広くばらまく政策」
のことです。
ノーベル賞学者でマネタリストのミルトン・フリードマン氏が使った言葉でした。
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この政策には「景気を良くする」メリットがありますが、
「通貨価値が下がりインフレが進む」というデメリットがあります。
ですからインフレの恐れがないデフレ時には、
有効な政策になるはず。
デフレ脱却や株価上昇を願う人にとって、
飛びつきたくなるような話です。
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しかし日本ではすでに、ヘリマネ政策が行われています。
「異次元緩和」がそれです。
国の借金を日銀が引き受け、巨額の資金がバラ撒かれています。
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ただこの方法には、大きな欠点があります。
バラ撒かれたカネを受け取る人が、一部に偏っているのです。
具体的には借金をしている大企業、輸出企業、富裕層、
投資家などに大きな恩恵が行くのです。
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このメカニズムについては、拙著
「超絶バブルの安全な投資術 バブル期に始める株式投資の勝ち方」
で詳しく説明しました。
http://tinyurl.com/mu55pru
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異次元緩和だけであれば、「ヘリコプターマネー」というより「タンカーマネー」です。
大量の資金が一気に到着する港と、その周辺だけがウハウハに潤います。
放っておくと恩恵が偏ってしまうので、政策でうまく配分しなくてはなりません。
まさに政府の手腕が問われるところです。
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しかし日本政府は、全く逆のことをしてしまいました。
国民にマネーをバラ撒くどころか、搾り取ってしまったのです。
その資金を「異次元緩和で恩恵を受けている人々」にバラ撒いたのですからさあ大変。
消費は落ち込むわ、GDPはマイナスになるわ、
デフレは復活するわ、国の借金は増えるわのドツボに嵌りました。
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その政策が何を意味しているのか、
これを読んでいる人にはすぐわかるでしょう。
その政策と異次元緩和のおかげで、
日本は「逆ヘリマネ政策」を実行しているのです。
これでは経済が良くなるわけがありません。
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ワイルドインベスターズ株式会社