中国新型コロナウィルスの衝撃 (15)東京も医療崩壊の瀬戸際。クラスタ発生を防ぎつつ絶対湿度上昇を待つ
引き続き、新型コロナ肺炎の拡大が止まりません。
先週「死者は全世界で2000人超」と書いたばかりなのに、
今週木曜は6,000人弱にまで達しています。
https://www.worldometers.info/coronavirus/coronavirus-cases/
対数グラフはグラフ上に「linear logarithmic」の選択がありますから、
右側を押してください。
感染数 感染増 死者 死者増
1014296 79100 52982 5790 World
59105 2116 5387 1355 France
112065 7947 10348 961 Spain
244230 29227 5883 781 USA
115242 4668 13915 760 Italy
33718 4244 2921 569 UK
15348 1384 1011 183 Belgium
84794 6813 1107 176 Germany
14697 1083 1339 166 Netherlands
50468 2875 3160 124 Iran
8044 1164 324 82 Brazil
18135 2456 356 79 Turkey
5568 621 308 69 Sweden
11283 1552 173 59 Canada
18827 1059 536 48 Switzerland
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しかし2週間前まで22万件しかなかった失業保険申請件数が
665万件まで跳ね上がっても、米株は上昇。
リスクはある程度織り込んだと考えて良いでしょう。
それでも企業破綻がちらほら出始め、信用リスクが上昇しています。
この状況が長期化すれば、信用収縮が再び本格化する可能性は高いです。
弊社は特に、NY州の感染動向に注目しています。
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その中で、日本はかなり被害を抑えられているほうです。
下のリンクは押谷仁氏の対策資料。
これは素人にもわかりやすく
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- なぜ感染経路が見えないのか
- なぜ集まってはいけないのか
- なぜクラスタ発生を防ぐべきなのか
- なぜ検査に殺到してはいけないのか
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などの理由が改めてわかります。
概要を簡単にまとめましたが、
政府の戦略を理解するためにも資料を読むことをお勧めします。
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COVID-19への対策の概念
新型コロナウイルスに関連した感染症対策に関する厚生労働省対策推進本部クラスター対策班
東北大学大学院医学系研究科・押谷仁
(2020年3月29日暫定版)
https://www.jsph.jp/covid/files/gainen.pdf
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【要約】
SARS: ほとんどすべての感染者が重症化し、そのためにすべての感染連鎖を検出し、
それらをすべて断ち切ることで封じ込めに成功したCOVID-19: 多くの感染者が無症候
・軽症であり、すべての感染連鎖を見つけることはほぼ不可能疫学的にはSARSとも
新型インフルエンザともまったく異なる感染症
ほとんどの人は誰にも感染させていないが、
ごく一部が多人数に感染させるので基本再生産係数(R0)が1を超える。
つまり、クラスタを潰せばよい
帰国者・接触者外来に心配だからというような人が殺到。
大多数は感染していない中に少数の感染者がいる状況で、
混雑した外来でウイルスの伝播が起こるとメガクラスターになる可能性がある。
本当に危ないのは孤発例で、その周辺には「見えないクラスタ」があるはず
クラスターの起きる環境
「3つの密」が重なる場所
- 換気量が増大するような活動
- 大声を出す
- 歌う
- 1対複数の密接した接触
- 多くは咳・くしゃみがなく通常の飛沫感染ではない
札幌では若年層のクラスター連鎖が中心、一部に中高年の感染者も見えていた。
若年層クラスターは生物学的理由により見えにくかったが、
密接な接触を伴う飲食店に関連するクラスターは社会的理由により見えにくい。
その結果、クラスター連鎖を見つけることができず、
病院や高齢者施設の流行につながっている可能性がある。
PCR検査のキャパシティはどこの国にも限界があり、
その限界に近づいた時に病院や検査センターに多くの人が密集し、
さらに一部の人は興奮して大声をあげるような状況になるのは容易に想像できる。
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それでも東京は医療崩壊するかどうか、ギリギリの瀬戸際。
官民挙げて病床を増やす努力をしていますが、医療従事者の数がボトルネックとなります。
医療従事者への感染拡大は特に防ぎたいところです。
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さて、今週はマサチューセッツ工科大学(MIT)が
「平均気温が18℃、1立方メートルあたりの湿度が9グラム以上の高温多湿地域では、
発生率が6%未満」
との研究結果を発表しました。
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新型コロナ「夏には終止符?」9割が気温3-17℃で感染 米MIT研究
2020年03月25日 14時40分
https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/3/3/33587.html
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世界的な流行が続く新型コロナウイルスについて、
米国マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループは、
「世界の感染の90%が平均気温3-17℃で発生している」という中間報告を発表した。
平均気温が18℃、1立方メートルあたりの湿度が9グラム以上の高温多湿地域では、
発生率が6%未満にとどまっているという。(略)
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実はこれ、弊社が3週間前にブログに書いた絶対湿度の話とほぼ同じ結果です。
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2020年03月16日11:18
【週末だけのグローバル投資】中国新型コロナウィルスの衝撃 (11)
「インフル程度に絶対湿度に弱い」なら五輪開催可能だが
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51267742.html
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そのときは元の論文に記述がなかったのですが、
いずれ裏付けがなされるだろうと書いた通りになりました。
そこで示された条件
「(相対)湿度50%でカ氏72度(セ氏22.22度)」は絶対湿度は9.7(g)に相当します。
今回MITが示した9gと、ほとんど変わりません。
かなり信憑性が高く、あとは現実世界で確かめるだけです。
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東京はずいぶん暖かくなってきました。
ウイルスが「流行しやすい」から「流行してよい」コンディションに変わりつつあります。
さらに暖かくなって絶対湿度が上がれば、「流行しにくい」になります。
すると北半球の先進国は、このウイルスの「第一波」をしのぐことができるでしょう。
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それまで我々は、クラスタを作ることを防がなければなりません。
「社会的距離」をいつもより大きく取り、集団で行動しないよう心がけましょう。
(終)
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参考のためワイルドインベスターズ投資ブログをご覧ください。
このメルマガに関連したチャートが貼り付けてあります。
会員サイトではさらに盛りだくさんのチャート集があります。
投資戦略動画(公開用)20200403
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51268067.html
パフォーマンス 2020年03月
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51268041.html
中国新型肺炎(2019-nCoV)国別対数グラフ 20200329時点 推定現有感染者数など
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51267980.html
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