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大前研一ニュースの視点

米ヤフー・個人情報流出・米HP・米ゴルフ用品大手 ~米HPが韓国サムスン電子のプリンター事業を買収

2019/01/29

米ヤフー 5億人分以上の個人情報流出
個人情報流出 WADA情報流出に「多くの疑問」
米HP 韓国サムスン電子のプリンター事業を買収
米ゴルフ用品大手 米ゴルフスミスが連邦破産法11条適用申請

マリッサ・メイヤー氏が隠蔽していたのなら、大きく自らを傷つける結果になる
米ヤフーは22日、5億人分以上の名前、メールアドレス、電話番号、
暗号化された形のパスワードなどの個人情報が流出したと発表しました。

2014年の後半に流出していたとのこと。

クレジットカードや銀行口座などの決済情報の流出は確認されていないとしています。

単一サイトからの流出としては史上最大とみられ、
同社は特定の国家が支援するグループによるサイバー攻撃とみているとのことです。

私はこの事件によって、
マリッサ・メイヤー氏が個人的に大きく傷つく可能性が高いと思います。

7月の時点でこの事実を把握していたにも関わらず、
公表しないままベライゾンへのヤフー本体の売却を進めていたのだとすれば、
犯罪にも近い非常に汚いやり方です。

ベライゾン側は買収を今年いっぱいでまとめる意向を発表していましたが、
この事件によって大きくずれ込む可能性があります。

買収額も約5000億円から、かなり買い叩かれる結果になると予想されます。

訴訟社会の米国ですから、今後立て続けに個人訴訟が起こってくると思います。

それを誰が負担するのか、という大きな問題が残ります。

グーグルからヤフーへ移ってきたマリッサ・メイヤー氏でしたが、
大きな貢献も出来ないままに、ベライゾンへヤフー本体を売り飛ばして終わりました。

その上、意図的に今回の事実を隠蔽していたとすれば、
個人的に大きく傷つく結果になっても致し方ないでしょう。

それにしても、過去の個人情報流出事件を見ても、5億人分という規模は断トツです。

ロシアが要人情報を収集したかったという見方がありますが、
最近のロシアはこの方面の動きが非常に活発です。

世界反ドーピング機関(WADA)がロシア系サイバー組織のハッキングを受けて、
インターネット上に選手の医療情報が流出した問題について、
ロシアのプーチン大統領は16日、「多くの疑問が浮上した」
「他の選手が禁じられている薬物を、健康な選手が服用しているようだ。

また、深刻な病や障害に苦しんでいる人々が何らかの薬物使用の疑惑をかけられ、
パラリンピック出場を禁止された」と述べたとのことです。

ロシアのニュースを見ていると、非常に面白いものがありました。

プーチン氏が米国の選手を一人ずつ取り上げて、
どのような薬物摂取をしているのか確認し、
ロシアでは同じことをやった選手が出場を禁止された、
と事細かく指摘して「二重基準」を批判していました。

「ハッカー行為を賞賛することは出来ないが、これらの事実を前にして欧米社会が
いかにロシアに偏見を持っているか詳らかになった」と述べるくらいですから、
プーチン大統領の悔しい思いが感じられます。

オリンピックは一部の選手が出場できましたが、
パラリンピックはロシアの全選手が出場禁止なったので、
悔しい気持ちでいっぱいだったはずです。

サムスンのプリンター事業売却は、事業の選択と集中の意思表示
米ヒューレット・パッカード(HP)は12日、
韓国サムスン電子のプリンター事業を買収すると発表しました。

買収額は10億5000万ドル(約1070億円)。

HPは複合機技術に強みを持つサムスンを取り込むことで、
一段の成長を目指すとのことですが、私には少し疑問が残ります。

プリンター・複写機の事業ではサムスンではなくHPが世界一であり、
この方面におけるサムスンの技術力はそれほど高くありません。

むしろ日本のリコーやキャノンのほうが技術的に優れています。

サムスンは技術力を求めて、シャープのプリンター事業を買収するのでは?
と言われたこともあったほどです。

もちろん、韓国内でそこそこの売上高はあるので買収する意味はありますが、
技術的に欲しいものがあるとは思えません。

逆にサムスンの立場から見ると、何から何まで抱えるのではなく、
選択と集中の意思表示をするという意味はあるかも知れません。

サムスンは多くの事業を手がけてきましたが、
今は半導体とスマホ事業が頼みの綱。

半導体も好調と不振の激しい業界なので、
今は伸びていますが今後を考えると不安が残ります。

プリンター事業を売却したところで、1000億円程度ですから、
金額面では大きなインパクトはありません。

事業を「売却」するということに、
選択と集中のメッセージを全社員に伝える意味はあるでしょう。

スタープレーヤー不在で、米国ゴルフビジネスは衰退の一途
米ゴルフ用品小売り大手のゴルフスミス・インターナショナル・ホールディングスが
14日、米連邦破産法11条の適用を申請しました。

米国では男子ゴルフ界で圧倒的な強さを誇った
タイガー・ウッズのスキャンダルをきっかけにゴルフ人気が低下。

競技人口の減少でゴルフ用品の販売が低迷し、
米ナイキや独アディダスもこの事業からの撤退を決定していました。

ゴルフは昔ほど盛り上がらない状況に陥っています。

ジャック・ニクラウスや
タイガー・ウッズといったスタープレーヤーがいないのが大きな原因でしょう。

また、若い人にとってはプレー時間の長さも影響しているはずです。

私自身もかつてはゴルフをやっていましたが、
あまりに時間がかかりすぎるので、今はやっていません。

さらに日本のゴルフは、ハーフを終えて食事になり、それからハーフに向かいます。

欧米では食事の前後で1ラウンドずつ回ります。

ハーフで終わるのは日本と韓国くらいではないでしょうか。

何だか食事のために出かけているようにさえ感じてしまいます。

今の私はバイクやスノーモービルを楽しんでいます。

将来、バイクもスノーモービルもできなくなったら、
ゴルフをやってもいいかと考えています。

かつては旺盛を極めたゴルフビジネスが米国で明確に停滞し、
関連ビジネスも大きく衰退しつつあるのは、間違いありません。

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