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大前研一ニュースの視点

無線給電/子ども置き去り対策/オンライン診療/国内二輪車市場 ~技術と法整備で子どもを守るべき

・無線給電 無線給電技術を共同開発
・子ども置き去り対策 検知システム、欧米先行
・オンライン診療 遠隔健康相談、コロナ機に拡大
・国内二輪車市場 再燃、オートバイブーム



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▼実現が難しい未来予想を報じる姿勢に疑問
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日経新聞が報じたところによると、
大林組とデンソーが共同で
走行中の電気自動車(EV)に
道路から無線給電する技術を
開発したことがわかりました。

道路に埋めたコイルに
電源から電流を流して
磁界を発生させ、
その上を通過したEVに積んだコイルにも
電流を生む
磁界結合方式の実用化を
目指すもので、
道路からの給電インフラを
構築することができれば、
EVの普及に弾みがつくとみられます。



記事の結論に疑問が残ります。

この技術は学校で習う
「フレミングの左手の法則」を
応用したものです。

技術を開発することはよいことですが、
インフラとして実現可能なものとは
思えません。



日本中の道路に
給電用の機械を敷設するくらいなら、
現在利用されているような
給電ステーションを
たくさん作ってもらう方が
よほど効率的です。

現在既に
自宅やパーキングエリアの給電設備で
充電している人にとっては、
道路からの給電は
不要なインフラでもあります。



独裁国家であれば
可能かもしれませんが、
日本での実現は難しいはずです。

このような
実現可能性が低いことを仮定して、
EVの普及が進むと結論付けるのは
乱暴だと私は思います。

 




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▼技術と法整備で子どもを守るべき
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日経新聞は22日、
「検知システム、欧米先行」と
題する記事を掲載しました。

園児が通園バスに取り残されて
死亡した事件をめぐり、
海外では車内への子どもの置き去りは
「赤ちゃん忘れ症候群」として
対策が先行しています。



米国では、
寝ている子どもの微細な呼吸にも
センサーが反応し、
ドライバーに置き去りを伝える
検知システムの
搭載を求める法律が
成立しており、
日本でもマニュアル対応だけでなく、
デジタル技術を
導入する必要があるとしています。



センサーなどを駆使した
子ども検知システム(CPD)は、
米国のみならず
ヨーロッパでも活用されています。

先日も悲惨な
子どもの置き去り死亡事故が
ありましたが、
ヒヤリハットや
一命は取り留めた事故などは
日本中で日々発生しているはずです。



日本でもユニファ社のように
子どもを見守るシステムを
実用化している会社がありますので、
積極的にCPDを
導入していくべきです。

子どもが車内に
置き去りになっていることを
センサーで検出して
携帯電話に知らせるシステムがあれば、
不注意な管理者でも
事故は起こりませんし、
幼稚園や保育園に
預けている親としても安心です。



日本では先日の事故を受けて、
子どもにクラクションを鳴らす
練習をさせるなどという対策が
とられているようですが、
これでは根本的な解決には
至りません。

CPDの整備を法律で義務化すべきです。

 




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▼後れを取り戻すカギは医師との関係づくり
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日経新聞は24日、
「遠隔健康相談、コロナ機に拡大」と
題する記事を掲載しました。

エムスリーの相談サービスである
「アスクドクターズ」の
2022年8月の利用件数は、
感染拡大前の
2019年8月に比べておよそ3倍。



また、
メドピアの「ファーストコール」も、
利用件数が
2020年に比べて
2.5倍になったとのことです。

これは中国では
かなり一般化していて、
日本でも
もっと推進していくべきだと
考えます。



医師会が行った
都道府県医師会長への
アンケート調査では
「患者都合のオンライン診療は
行うべきではない」という回答が
大多数で、
日本での実現には
かなりの反発が予想されますが、
エムスリーなどは
医師と良好な関係を築いているので
期待できるとは思います。



とはいえ、
中国ではテンセントやピンアン、
アリババあたりが
強力に普及させているのに対し、
日本ではまだまだ実現しそうになく、
時間がかかりそうです。


 


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▼安全で楽しいバイクブームを願う
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新型コロナ禍で
密を避けられるとして
オートバイが注目を浴び、
新規の免許取得者が増加していると、
日経新聞が24日の記事で報じました。

私もバイクを趣味にしているので、
どんどん仲間が増えてほしいと思います。



日本国内でのバイク販売台数は
ここ30年で激減しているという
現状があるのですが、
そもそもバイクは
一人当たりGDPが1,500ドルくらいの国で
活用される乗り物です。

日本でも戦後すぐには
250社ほどのバイクメーカーが林立し、
それが現在の4社になって、
世界的な大企業に成長したのです。

今はインドのメーカーに勢いがあります。



高齢者がバイクに乗るのは
喜ばしいことなのですが、
難易度が高く
危険な乗り物であることは
間違いなく、
事故も多発していますので、
安全に練習できる場所の確保も
必要だと考えます。

また、私はバイクのみならず、
自転車にも免許があるべきだと
考えてはいますが、
免許だけでは
事故は防げないという現実もあります。



例えば水上バイクは
日本では免許が必要ですが、
免許が不要の米国に比べて
マナーが非常に悪く危険です。

残念ながら
「免許を取ったから好きに乗っていい」と
気が大きくなってしまう、
さもしい国民性が
あるのかもしれません。



余談になりますが、
排気量ごとに免許が必要なのは
日本だけです。

ホンダのCB400などは
素晴らしい名車ですが、
400ccで区切る必要がないので
世界では全然売れていません。

軽自動車でも
同じような現象が起こっています。

 

 

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