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大前研一ニュースの視点

トヨタ自動車/米ウーバー・テクノロジーズ/米テスラ~EVでトヨタのサプライチェーンが大きく変わる

2019/01/29

・トヨタ自動車 自動運転の制御技術外販へ
・米ウーバー・テクノロジーズ ウーバーに約550億円出資
・米テスラ 株式非公開化計画を撤退

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▼EVでトヨタのサプライチェーンが大きく変わる
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トヨタ自動車は先月24日、電装品、駆動部品、
ステアリング、ブレーキなどそれぞれを主軸とする
グループ4社が年内にも新会社を設立し、
トヨタの研究所で開発したAIやソフトウェアなどを
市販車に搭載させる役割を担うとのことで、
グループで制御システムの一貫体制を整え
世界の大手メーカーなどに供給する考えです。

トヨタグループ4社とのことですが、
新会社への出資比率を見ると、
デンソー:65%、アイシン精機:25%、
アドヴィックス:5%、ジェイテクト:5%となっています。

実質的にはデンソーを中心とした
EV対応のための新会社と見て良いでしょう。

EVになると、必要とされる部品や技術がガラリと変わります。

燃料噴射装置、エアクリーナー、
オイルフィルターなどの「エンジン部品」。

スターターモーター、オルタネーターなどの「電装部品」。

そして、フロントアクスル、リアアクスル、
プロペラシャフトなどの「駆動系部品」は
EVになると全て不要になります。

一方で、電極液、セパレーターなどの「リチウムイオン電池」や
モーター、インバーターなどの
「機電一体電動パワートレイン」などが必要になります。

必要とされる部品や技術が変わるため、
業界全体も大きく変わらざるを得ません。

これまではトヨタを頂点とする内燃機関を中心の
サプライチェーンが機能していましたが、
新しいサプライチェーンを再構築する必要があります。

そのための母体となる組織を作るのが、
今回の新会社設立の一番大きな目的でしょう。

中国の自動車メーカーのように、
過去に構築したピラミッド組織(サプライチェーン)が
存在しないほうが、今存在するものを
捨て去る必要がありませんから、
このEV化の波に対応しやすいはずです。

トヨタはこれまでのものを捨て去って、
命がけでも新体制の構築を
成し遂げなければならない状況になっています。

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▼顧客とのつながりを持てていないメーカーの弱さ
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トヨタ自動車は先月28日、米ウーバー・テクノロジーズに
5億ドル(約550億円)を出資すると発表しました。

トヨタは2016年にもウーバーに出資し、
すでにライドシェア事業で協業していますが、
今回の提携で自動運転車の開発にも踏み込み、
米グーグル系のウェイモに対抗する考えです。

おそらく今後、トヨタが自動運転の車を開発したら、
それもウーバーに提供していくことになると思います。

なぜ巨大な自動車メーカーが、
ライドシェアを展開する企業や配車アプリの提供会社に、
まるで「媚びる」かのような姿勢を見せているのでしょうか。

一言で言えば、自動車メーカーが
「顧客とつながっていない」からです。

例えば、私はトヨタ車も日産車も数台保有していますが、
おそらくトヨタも日産も私が保有している車を
詳細に把握していないでしょう。

ところが、ライドシェアを展開している企業は、
私のスマホに入っているアプリから取得する情報で、
私が利用したデータを詳細におさえています。

自動車業界は次世代へ移り変わろうとしている状況ですが、
巨大な自動車メーカー各社が
顧客とのつながりを持てていないというのは、
企業にとっては致命的です。

顧客と直接つながっている企業に全てを支配されてしまい、
どの車を使っても変わらないとなったら、
自動車メーカーにとっては命取りです。

実は同じようなことが家電メーカーにも当てはまります。

家電メーカーも顧客とのつながりを持てていません。

私が持っているテレビなどの家電を
各メーカーが把握しているとは思えません。

要するに、これまでのメーカーは
「作って終わり」だったのです。

しかしこれからの世の中では、
最終的にアプリで呼び出してもらえる側として
顧客との接点を持てていないと生き残れません。

ゆえに、ウーバー、滴滴出行などに
自動車メーカーは何としてでも資本を入れて
食い込んでおきたいと思っているのでしょう。

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▼イーロン・マスクは天才だが、企業人・経営者としての適性はない
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米電気自動車メーカーのテスラは先月24日、
株式非公開化の計画を撤回し上場を維持すると発表しました。

イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、
多くの株主が非公開化を望まなかったとともに、
非公開化には当初の想定よりも時間がかかることが
判明したため、と説明しています。

しかし情報開示の手法や内容を巡っては
一部の投資家が訴訟を起こしており、
計画撤回後もテスラの経営に影響を及ぼす可能性があります。

イーロン・マスク氏は「天才」ではありますが、
同時に非常に「性格に問題がある」人物だと思います。

テスラほどの時価総額を持つ企業の創業者が、
今回のように突如として株式非公開化などと発表すれば、
その影響力は相当大きいのは言うまでもありません。

株式市場にとってはいい迷惑としか言えないでしょう。

イーロン・マスク氏が企業人として、
経営者としての適性に問題があると感じるのは、
今回のことだけに留まりません。

日本企業との関係性だけを見ても、
以前にはトヨタと仲違いをしています。

さらにはパナソニックと提携しアリゾナに
巨大なバッテリー工場を作らせておきながら、
中国のメーカーに乗り換えるような素振りを見せています。

今まさにパナソニックは翻弄されています。

今回の株式非公開化の騒動においても、
途中経過においてサウジアラビアの
政府系ファンドとの接触を匂わせてみるなど、
イーロン・マスク氏には、従来の経営者であれば
許されない行為が目立ちます。

非常に感情的な人物で、企業経営者として
「適性」に問題があり、テスラという企業にとっての
キーマンリスクにもなっていると思います。

テスラに振り回されているパナソニックですが、
オートモーティブ関連の売上は大きく、
利益でも1000億円に迫るほど稼ぎ、非常に順調です。

オートモーティブに次いで家電関連も
利益で1000億円を超え、環境関係、モバイル機器
その他の領域でも収益を上げていて、
全体としてバランスが取れた収益構造になっています。

現在順調なパナソニックにとって、
テスラに手の平を返されるのは非常に厄介でしょう。

売上・利益ともに大きいオートモーティブが
ぐらついてしまう可能性があるからです。

テスラとパナソニックの関係性が
今後どのような展開を見せるのか、
今後も注意深く見ていく必要があると思います。

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