太陽光発電/温暖化対策/海運排ガス規制/富山空港/国内タクシー業界~太陽光発電の高価買取は、役人が決めたその場しのぎ政策に過ぎなかった
2019/01/29
・太陽光発電 家庭の太陽光に「19年問題」
・温暖化対策 新築住宅に太陽光パネルの設置義務化
・海運排ガス規制 海運悩ます「2020年問題」
・富山空港 富山-羽田便の利用促進キャンペーン開始
・国内タクシー業界 配車レース、首都決戦
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▼太陽光発電の高価買取は、役人が決めたその場しのぎ政策に過ぎなかった
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日経新聞は6日、『家庭の太陽光に「19年問題」』
と題する記事を掲載しました。
固定価格による買取制度の期限が2019年から切れ始め、
23年までに160万世帯が発電する大量の電力が
買い手を失う恐れがあります。
一方、先行するドイツをモデルケースとして
一般家庭が近所で電力を融通し合う仕組みや、
電力を蓄電池に貯め夜間に使用する変換システムを
開発する企業も出始めているとしています。
東日本大震災の後、当時の民主党政権下で経済産業省が
再生可能エネルギーを重視する政策の一環として、
高い固定価格での電力会社の買い取りの義務化を決定しました。
固定価格の買取制度の期限が切れてしまうと、
現時点において太陽光発電はその他のエネルギーと
まともに競争できるレベルではありません。
世界的に見ても風力発電と太陽光発電によって
過剰に発電されたエネルギーを、どのように処理するか
というのは大きな課題になっています。
電池に蓄える方法など様々な方法が模索されていますが、
今のところ、決定打ともいえる方法は見つかっていません。
最も可能性が高いと思われるのは、
水素エネルギーに変換するという方法です。
ドイツでは一部実験が進んでいます。
日本の場合には、その場しのぎで制定した制度のために、
ここに来て突如として問題を突きつけられる羽目に陥っています。
また、米カリフォルニア州は9日、2020年1月から州内の新築一戸建て住宅に
太陽光パネル設置を義務付ける方針を決定しました。
カリフォルニア州は温室効果ガスの排出量を2030年までに
1990年に比べて40%削減する目標を掲げており、
今回の取り組みもその一環とのことです。
ブラウン知事の最後の置土産といったところでしょう。
太陽光システムを開発している企業や太陽光パネルを作っている企業など、
大いに追い風になると思います。
日経新聞は11日、『海運悩ます「2020年問題」』
と題する記事を掲載しました。
国際海事機関(IMO)は2020年1月から、
船の排ガス規制を大幅に強化する見通しです。
海運業者は従来の安価な「C重油」を使いながら排ガスを浄化する戦略を描く一方、
石油元売り側はC重油の生産を抑えたい考えで、
規制発効まで2年を切るなか、
日本の貿易を支える海運の主燃料が不足する事態が
現実味を帯びているとしています。
この問題は非常に難しい問題で、
私は正直間に合わないと思っています。
日本では帆船のようなものを利用しつつ、
全体のエネルギー量を減らす方法などを試しているようですが、
決定的な打開策は見つかっていません。
高価な油を買えば問題は解決するわけですが、
大型船は「大きなディーゼルエンジン+C重油」に依存してきたために、
簡単に切り替えるわけにはいかないでしょう。
ペナルティーを支払うしか道は残されていないと私は見ています。
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▼新幹線が2時間半を切ると、飛行機の需要は激減する
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富山県や全日本空輸、富山県内の商工会議所などで作る
「富山空港を発展させる会」は2日から、
富山空港発着の羽田便の利用促進キャンペーンを開始しました。
富山空港内に置かれた応募ボックスに
氏名などを記入した応募用紙を投函した利用者に、
抽選で1万円相当の富山の産品を選べるギフトカード、
スズ製ぐい飲みや地酒などの名産品、
空港内テナントの利用券をプレゼントするとのことです。
いろいろとがんばってはいるようですが、
私に言わせればこれは無駄な抵抗です。
東京駅から富山駅へのアクセス状況を見ると、
上越新幹線+特急はくたかで3時間27分、
富山空港を使うと飛行機+バスで2時間38分でした。
ここに北陸新幹線が登場し、
2時間7分で到着する状況になっています。
信越新幹線によって新潟の羽田便がなくなったように、
新幹線が2時間半を切ってくると飛行機は非常に厳しい状況になるのが一般的です。
同じ北陸でも金沢の場合には、
北陸新幹線で東京から2時間28分で到着することになりますが、
小松空港が市内から離れたところにあるため、
一定の需要が残る可能性があります。
残念ながら富山空港の場合には、もう結論は出ていると思います。
一万円を支払うキャンペーンなどをやったところで、
焼け石に水といったところでしょう。
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▼配車サービスの展開は2つのグループによる競争に期待
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日経新聞は7日、『配車レース、首都決戦』と題する記事を掲載しました。
スマートフォン(スマホ)アプリを利用したタクシー配車事業で
日本勢と海外勢の競争が過熱してきました。
第一交通がウーバー、滴滴出行との連携に前向きな一方、
日本交通は国産アプリにこだわり、
トヨタ自動車やKDDIなどとの協力に活路を見出す取り組みを進めています。
残りのタクシー会社がどの陣営に加わるか、
水面下で交渉が繰り広げられそうだとしています。
滴滴出行と提携に前向きとされる第一交通は北九州にある会社で、
なかなか面白い会社です。
東京で作ったSuicaでも、
福岡の交通系サービスとして第一交通だけは
決済手段として利用することができます。
一方の日本交通は、国内の2.4万台のタクシーと共同して
「全国タクシー」アプリを展開しています。
その他、国際自動車などはソニーと連携し
サービスを展開することを発表しています。
将来的なことを考えると、2つのグループで競争する
という形式が望ましいと私は思っています。
1つは、滴滴出行などインバウンドの中国系サービスを利用していくもの。
もう一つは、全国タクシーです。
個人的には日本交通のみのサービスだった頃のほうが、
特に東京在住の人間にとっては、
予約方法などわかりやすく使いやすかったと感じています。
このあたりを修正してほしいところです。
ところで、広告費でタクシー運賃をまかなうという
サービスを展開する面白い企業が福岡にあります。
このビジネスモデルのオリジナルは、LCCのライアンエアーです。
2時間以上のフライトならギャンブルに参加することを条件に、
飛行機の運賃を無料にするサービスなどを展開していました。
残念ながら下火になってしまいました。
コンセプトが広告モデルですから、
タクシーの場合も現実的にギャップがあるような気がします。
コンセプトは非常に面白いのですが、タクシーに乗車している間、
ずっと広告を見続けるというのは現実味がありません。
現時点では、やはり現状の配車サービスの延長上で考えざるを得ないでしょう。
自動車業界の一部でいまだに「買いたくなる車を作る」
「FUN TO DRIVE」などと言われることがありますが、
まったく自動車業界の問題を理解していないと私は思います。
時代の流れを考えれば、MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)
が主流であり、この流れに逆らうことは無理です。
この点から考えても配車サービスの今後の展開は注目したいところです。