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大前研一ニュースの視点

次世代半導体開発/ 独シーメンス・エナジー/ ドイツ・ベルリン市/ 台湾総統選

  • 次世代半導体開発 仏レティと協業の覚書
  • 独シーメンス・エナジー 最終赤字約7500億円
  • ドイツ・ベルリン市 性別に関係なくトップレスで利用可能に
  • 台湾総統選 野党候補者一本化を断念

▼次世代半導体開発 仏レティと協業の覚書
 1ナノメートル級の半導体実現が現実となるのはいつのことか

半導体メーカーのラピダスなどが参画する最先端半導体技術センターと、
フランスの半導体研究機関レティは先月、協業を検討する覚書を締結しました。

回路線幅1ナノメートル級の次世代半導体の基礎技術を共同開発する他、
2024年に人材交流や技術共有を本格化することなどが盛り込まれたもので、
レティの技術を生かし、1ナノ品の供給体制を構築する考えです。

私はこのニュースの実現性に疑問を感じます。

ラピダスは北海道に半導体工場を作り、
政府から多額の補助金を得ましたが、
実際には何の実績もありません。

現在、半導体は7ナノメートルでの稼働が一般的となり始めたところで、
今回目標に掲げている1ナノメートルの実現は簡単なことではありません。

ラピダス会長・東氏は、優良企業・東京エレクトロンの元社長ですが、
まだ研究段階にあるものを、まるで出来上がったかのようにして
国からお金をせしめているのではないかと私は思います。

国の補助金を得るために、
オランダASMLも北海道に拠点を設立するようですが、
半導体線幅を1ナノにするなど、たやすいことではないのです。

今のところは、やはりサムスンやTSMCにはかないません。

 

 

▼独シーメンス・エナジー 最終赤字約7500億円
 今後はヨーロッパ勢の追跡分析が必至

ドイツのシーメンス・エナジーは15日、
2023年9月期の最終損益が45億8800万ユーロ、
およそ7500億円の赤字になったと発表しました。

6月にスペインの子会社が開発する風力発電機の一部で
品質の欠陥が見つかったのを受け、新規受注を停止し、
取引先に保証金を支払ったことで業績が悪化したもので、
これに対し、ドイツ政府は救済のため75億ユーロ、
およそ1兆2000億円の信用保証を決定しました。

風力発電は、日本が非常に遅れている分野です。

風力発電タービンメーカーの世界シェアとしては、中国が台頭し、
値段も安くなっています。

デンマークのべスタスは経営が苦しく、
シーメンスはスペインのガメサと組みましたが、
ガメサ製品に欠陥品が見つかりました。

日本には三菱重工などにタービン技術がありますが、
中国は風力発電の他に、ソーラーでも先をいっています。

しかしヨーロッパ勢はどうなってしまったのでしょうか。

場合によっては、日本勢も事業整理などに追い込まれるかもしれません。

今後は詳しく追跡分析をしていく必要があると思います。

 

 

▼ドイツ・ベルリン市 性別に関係なくトップレスで利用可能に
 ドイツでは、サウナでの男女混浴・トップレスは当たり前

ドイツの首都ベルリン市は3月、市内の公共プールで、
性別に関わりなく全ての人がトップレスで泳ぐのを認める方針を決定しました。

去年12月、元ライフガードの女性が市内のプールで、
胸を隠さなければ利用は認められないと言われたことに反発し、
市の当局に性差別を訴えたのを受けたものですが、
市の担当者は「ドイツにはさまざまな宗教の人が住んでいる。
もし彼らから苦情が寄せられたら、新たに審議しなければならない」
と語りました。

ドイツではプールでのトップレス議論がようやく出てきましたが、
サウナ風呂においては既に男女混浴でトップレスが普通です。

カトリックのイタリア、フランスではトップレスは許されていませんが、
北欧ではドイツと同様で、その境目となるのはオーストリアのサンクタントンです。

オーストリアは完全にドイツ型で、
私は毎年オーストリアのアールベルクにあるレッヒという村に
スキーで訪れていましたが、そこのサウナも男女混浴です。

サウナで全裸だった人が、夜になると着飾ってディナーに来るのですから、
おかしくてしょうがありません。

恐らく多くのドイツ人は、プールでのトップレスには抵抗感はないと思います。

日本では伝統的に男女混浴の温泉がありますが、
当然のことながら議論になるとNGです。

またオーストラリアのボンド大学では、トイレの男女区分がありません。

私が卒業式に出席したとき、どこに入ったらいいのか分からずにいると、
中にいた女性が「大丈夫よ、いらっしゃい」と、
困っている私に声をかけてくれました。

オーストラリアのトイレ事情は、ここ数年でがらりと変わりました。

 

 

▼台湾総統選 野党候補者一本化を断念
 結局は民進党VS国民党へ、あとは候補者の魅力にかかっている

来年1月13日に投票予定の台湾総統選挙で、
主要野党の国民党と民衆党は24日、それぞれ別の候補者を届け出ました。

両党は直近の世論調査をもとに候補者を一本化することで
合意していましたが、世論調査の解釈をめぐり意見が折り合わず、
交渉が決裂。また出馬を表明していた鴻海精密工業の創業者、
郭台銘氏も同じ日、出馬を断念すると表明しました。

台湾総統選候補者の支持率が出ていますが、民進党・頼清徳氏は32%、
国民党・侯友宜氏は25%、民衆党・柯文哲氏が17%、
そして郭台銘は90万人の署名を集めて無党派として名乗り出るも
撤退を表明しました。

基本的には民進党と国民党が注目を集めるでしょうが、
実際に選挙戦が始まると国民党の支持が高くなる可能性があります。

民進党は現総統・蔡英文氏と同じ方針を取ると思いますので、
刃を突き出している大陸と対話しようとしている国民党のほうが、
香港スタイルでの乗っ取りを恐れる台湾の人たちの心を
大きく動かすかもしれません。

柯文哲氏と郭台銘氏の支持率を国民党・侯友宜氏に加えると、
単純に与野党決戦の構図とすれば、
台湾独立を標榜してできた民進党・頼清徳氏と対等に
戦える可能性が出てきます。

しかし人物としては頼清徳氏が立証されていますが、
国民党の侯友宜氏の魅力はいまいちで、選挙結果がどうなるか、
それはまだ分かりません。

 

-大前研一ニュースの視点