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大前研一ニュースの視点

従軍慰安婦問題・日韓関係・欧州戦後問題~問題解決の基本的態度を考える

2017/08/07

従軍慰安婦問題・日韓関係・欧州戦後問題~問題解決の基本的態度を考える

従軍慰安婦問題 自社報道の検証作業
日韓関係 ヘイトスピーチに規制必要
欧州戦後問題 敵対関係を超えて共有進む虐殺の記憶

 

朝日新聞は自らの責任を認め、国家と国民に謝罪すべき

朝日新聞が5日付けの朝刊で、「慰安婦問題」を検証する特集記事を掲載しました。

これは、韓国済州島で女性を強制連行したとする吉田清治氏の証言にもとづく記事について、
証言が虚偽だと判断し記事を取り消すとしたものです。

これを受けて自民党の石破幹事長は、
「真実が何かを明らかにしなければ、平和も友好も築けない。書いたものとして責任を果たして欲しい」と
朝日新聞関係者の国会招致を求める可能性に言及しました。

私も石破氏の見解に同意で、この問題は非常に大きいと感じています。

韓国は「日本が歴史を正しく認識していない」と指摘してきたわけですが、
その大きな要因を作ったのが、今回取り下げると発表された朝日新聞の一連の捏造記事です。

朝日新聞としては、国家・日本国民に迷惑をかけたという認識を持つべきだと思います。

自分たちの捏造記事のせいで、韓国の反日感情を産んだという責任を感じるべきです。

従軍慰安婦の問題という個別の視点ではなく、
「もし自分たちが記事を書いていなければ、日本と韓国の歴史はどうなっていたと思うのか?」
ということを追求し、「できれば新しい歴史を作り直したい」という前向きな謝罪をしてほしい、
と私は強く感じています。

日本のインテリ世論には、朝日新聞の影響が強いので、そのような事態には発展しないでしょうが、
今回の件は、朝日新聞の閉鎖に追い込まれてもおかしくない出来事だと思います。

かつて文藝春秋が発行していた雑誌「マルコポーロ」がユダヤ系の記事掲載の問題で、
米国のユダヤ人団体やイスラエル大使館から激しい抗議を受けて、廃刊に追い込まれたことがあります。

その事件と比べても、全く遜色はありません。

また、朝日新聞はこの事件をカモフラージュするためとしか感じられないような
「戦後70年へ」と題する特集記事の連載を開始しましたが、これも非常に残念です。

11日の記事では「敵対関係を超えて 共有進む虐殺の記憶」と題し、
ドイツとフランスが様々な共同行事を通じて、歴史を振り返りながら戦争の記憶の共有を進めていると紹介しました。

両国が戦争のたびに奪い合ってきた係争地に合同のテレビ局を設立し、
共通の視点から捉えた歴史番組を制作する試みが成功していることなどを取り上げ、
負の歴史を共有する周辺国との関係改善においては、相互理解の地道な積み重ねに解決の糸口があるとしています。

内容は正しいものですし、納得もできますが、「朝日新聞に言われたくない」というのが感情でしょう。

この記事の内容そのものは非常に重要な事が書かれていますし、
参考になる部分も多いので、朝日新聞以外が取り上げてほしいところです。

朝日新聞に今求められているのは、客観的な検証記事でも欧州の事例記事でもなく、新聞社として謝罪することです。

まず責任を取ることからはじめるべきでしょう。

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ヘイトスピーチを取り締まりたいなら、東京都知事として取り組めばいい

安倍首相は7日、舛添要一東京都知事と総理官邸で会談し、
人種や民族などの差別をあおるヘイトスピーチ(憎悪表現)について、
何らかの規制が必要との認識を示しました。

舛添東京都知事は、「オリンピックの返上」などの発言でネット上で「炎上」しているようですが、
確かにヘイトスピーチそのものは私も残念に感じています。

今回、舛添東京都知事が、安倍首相に規制を依頼したとのことですが、どこか根本的におかしいと思います。

石原元東京都知事や安倍首相は、いわゆるネトウヨ(ネット右翼)を煽る存在と言う声もあります。

安倍首相など、彼らを前にして「自分は同志だ」とスピーチしたほどです。

どこまで、本気で規制に乗り出すのか私には疑問です。

ただ、そもそもを言えば、舛添東京都知事が「日本と韓国の仲を取り持とう」という
動きをしていることが、余計なお世話だと思います。

わざわざ韓国まで出かけていますが、それは東京都知事の仕事ではありません。

元東京都知事の石原氏にしても、大阪市長の橋下氏にしても、全く同様です。

なぜ、余計なことをして事を荒立てたりするのか、私は理解に苦しみます。

東京都も大阪市も、基本的に関係ない話です。

舛添東京都知事がヘイトスピーチを取り締まりたいのなら、東京都知事として取り組めば良いのです。

本来の自分の責務ではないことに、余計な口出しをしたり煽ったりするのは、いい加減やめて欲しいと思います。



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