自動車ブランド調査、ホンダ、ルノー・日産連合~自動運転の実用化への道のりは長い
2016/09/25
自動車ブランド調査 「レクサス」が3年連続首位
ホンダ 高速道路での自動運転機能2020年に実用化
ルノー・日産連合 日産保有のルノー株への議決権付与に反対
コンシューマー・リポートに見るブランド戦略の成否
米有力消費者情報誌「コンシューマー・リポート」の2015年の自動車ブランド信頼度調査で、
トヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」が3年連続で首位になりました。
欧州勢では、独フォルクスワーゲンは傘下の「アウディ」が3位、
「VW」は13位(調査は不正発覚前)となっています。
米国勢では、最大手ゼネラル・モーターズの「ビュイック」が7位で唯一トップ10入りしています。
米国では車を買う前に必ず読まれるものなので、コンシューマー・リポートは非常に重要です。
「レクサス」「トヨタ」で1位、2位を独占し、米国ではレクサスのブランド戦略は非常に上手く行っています。
日本とは異なり、レクサスのポジショニングが確立されています。
「アウディ」もお客さんへのケアで有名ですが、高い評価を受けています。
「マツダ」「スバル」が4位、5位に食い込んだのも興味深いところです。
マツダはフォードの子会社でしたが、そこから離れて独自で歩みだしたらブランドイメージが向上した形です。
一方で、ホンダ、日産が凋落しておりトップ5にも入っていないのも注目すべきことでしょう。
* * *
ホンダは、2020年をめどに車の自動運転の実用化をめざす方針を固めています。
ホンダは今年から一部車種で自動ブレーキや道路脇の歩行者への衝突回避などの機能をパッケージした
「ホンダ・センシング」を搭載スタート。
高速道路での追い越しや先行車への追随などの機能を市販車に搭載を目指すとのことです。
自動運転の実用化には各社が様々な取り組みをしています。
三菱グループなどGPSを利用した自動運転にチャレンジしているところもありますが、
長いトンネルで事故が起きた場合の対処など、リスクが高いと指摘されています。
また、現在の技術では一般道の「右折」が難しいと言われています。
対向車との距離から右折できるかどうかを判断するのが難しいそうですが、
そう言われても「左折」ばかりするわけにも行きませんから、
まだまだ一般道の自動運転の道のりは遠い状況です。
ホンダが目指しているような「高速道路に限った自動運転」なら
技術的にはクリアできるかもしれません。
しかし一方で、高速道路は交通ルールを守らずに運転する人が多いのが実態であり、
「ルールを外せるボタン」などが求められる気がします。
そのようなものを国交省が認可するとも思えず、障害になる可能性があるでしょう。
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超ナショナリズムの動きを見せるフランス政府、時すでに遅し
フランスのマクロン経済産業デジタル相は、ルノー・日産自動車連合が日産の持つルノー株への
議決権付与を検討していることについて「アライアンスを傷つけるリスクがある」と述べ、
ルノーの筆頭株主として反対する意向を表明しました。
また、「長期で投資すれば、リターンがあるのが普通だ」と
仏政府の対応の正当性を訴えたとのことです。
私が恐れていた事態になっています。
ゴーン氏が5~6年前からきちんと対応していればこのようなことにはならなかったはずですが、
「時すでに遅し」といったところでしょう。
フランス政府の嫌らしさが見事に出てきました。
フランス政府はルノー株を買い増し、議決権は約28%にまで高まっています。
当初、私はゴーン氏が裏でフランス政府と手を結んで
日産を好き勝手に食い物にしてしまうのではないかと危惧していました。
今でもその疑念は消え去っていませんが、フランス政府側にはその意向はないようです。
マクロン経済産業デジタル相のポジションは、まさに
「ゴーン氏が将来狙っているポジション」の1つでしたが、今回ゴーン氏は突き放された形です。
日産の役員、日本の経産省ももっと早いタイミングで動くべきでした。
最後になってドタバタして、ゴーン氏が日産の議決権をフランス政府並みに高めるよう画策していましたが、
すでに遅かったと言わざるを得ません。
こうなってしまうと、フランス政府は超ナショナリズムですから、もはや信頼できません。
フランス政府のマクロン氏は「リスクがあるときに投資したのだから、リターンは当然」と言いますが、
それだけでは、今恩恵があるタイミングになって15%から28%に買い増しする理由にはなりません。
私に言わせれば、明らかに議論が破綻しています。
しかし、すでにルノーの支配権を持っているので、
ゴーン氏を始めとして誰もフランス政府に突っ込めない現状になっています。