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大前研一ニュースの視点

緊急経済対策/寝屋川市 ~特別定額給付金の振込に手間取る日本の根本的な問題

・緊急経済対策 持続化給付金事業が769億円で民間委託
・寝屋川市 特別定額給付金を二重振り込み

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▼お金を配布する機構を持たない電通が委託を受ける理由がない
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経済産業省の持続化給付金事業について、
手続き業務全体が769億円で民間団体に委託され、
さらに業務の大部分は749億円で
電通に再委託されていたことがわかりました。

 

この経済産業省から委託を受けた一般社団法人が、
ほとんど実体がない法人だったことも判明しています。

その上、法人の代表理事は
給付金の委託業務について把握しておらず、
5月14日に辞任の意向を伝えている、というのですから
驚きます。

結局、この法人から電通が再委託を受けているので、
裏で電通が動いていたのは間違いないでしょう。

 

しかも電通は「お金を配布する機構」を
持っているわけではありませんから、
本来この業務を受ける理由がありません。

そもそも、各市町村でもできる給付金配布業務に、
なぜ769億円も必要なのでしょうか?

私には全く理解できません。

おそらく「桜を見る会」と全く同じような、
表に出せない事情があるのでしょう。

電通に再委託する前に、一般社団法人でも
20億円もの資金が中抜きされていますから、
ここでも何か怪しい動きがあったのかもしれません。

安倍政権では、このようなことが多すぎて
もういい加減にしてほしい、といったところです。

 

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▼最大の問題は、国と国民がオンラインで繋がっていないこと
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大阪府寝屋川市は先月28日、
国民1人につき10万円を給付する特別定額給付金について、
誤って993世帯2196人に二重に振り込んでいたと
発表しました。

 

世帯数の約10%、人口の約1%に、
オンライン請求と紙の請求の重複をチェックせず、
支払ってしまったということです。

そして、今は二重に支払ってしまった人たちに対して、
返却してもらうための書類を送っているというのですから、
もはや笑い話です。

 

根本的な問題は、日本では
「国と国民がオンラインでつながっていない」
という点にあります。

プライバシー保護などの意見に考慮し、
マイナンバー制度も使用できる機能を
あえて制限しています。

それなのに、
無理にオンラインを活用しようとするから、
このような事態を招いてしまうのだと
私は思います。

もし今日本にあるインフラで
活用できるものがあるとすれば、
携帯電話会社のインフラでしょう。

NTTドコモやauに依頼すれば、
携帯電話の決済情報に基づいて、
大部分の国民にオンラインで
支払いや請求をすることが可能です。

もちろん、携帯電話・スマートフォンを
複数台所有している人もいますから、
重複チェックは必要ですが、
技術的には比較的簡単でしょう。

 

日本は
「国と国民がオンラインでつながる仕掛けを
持っていない」という問題を解決しない限り、
今後も同じようなことを繰り返してしまうと思います。

 

 

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