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大前研一ニュースの視点

中国企業/米商業用不動産/ドイツ金融市場/欧州自動車市場

▼中国企業 時価総額上位100社中国有企業が50%
中国政府による国進民退が加速

米ピーターソン国際経済研究所が中国内外に上場する中国企業の
時価総額上位100社を分析したところ、中国政府が株式を50%以上
保有する企業の比率は2023年末時点で50%となったことが分かりました。

一方10%未満の企業の比率は37%だったということで、
国有企業が幅を利かせて民業を圧迫する国進民退が止まらない現状としています。

「中国上場企業100社の時価総額シェア」によると、
2019年には民営企業の時価総額が国営企業を抜きましたが、
中国政府が強制的に国営企業に力を入れ始め、
今はまた国営企業が民営企業を追い抜こうとしています。

「上場中国企業の時価総額ランキング」では民営企業であるテンセント、
アリババが飛び抜け、そしてCATL、美団、
ピンドゥオドゥオもランクインしています。

しかしそれ以外は国営、もしくは平安のような官民出資の企業が連なり、
経済崩壊を避けるためにと中国政府が国営企業、
特に国策企業に力を入れていることが分かります。

逆に、アリババなどの民営企業は中国政府の締め付けに苦しんでいます。

 

 

▼米商業用不動産 米地銀NYCBを格下げ
米商業用不動産の問題は、国内だけに留まらず

アメリカのフィッチ・レーティングスは2日、アメリカの地銀、NYCB、
ニューヨーク・コミュニティ・バンコープの格付けを
トリプルBマイナスに1段階引き下げたと発表しました。

NYCBは先月31日、商業用不動産ローンの再建化に備えるため、
貸倒引当金の積み増しを公表するなど銀行経営の不安材料が
表面化していますが、これについてアメリカのイエレン財務大臣は
「リスクは管理可能」と述べ、
金融機関の支援体制を拡充させていることを明らかにしています。

この問題はNYCBというよりも、金利が高いために買い替え、
借り換えができない不動産の問題であると言えます。

ここ数年、米国では商業不動産価格指数が下がり、
さまざまな金融機関に問題が波及しています。

次のトピックにも関係しますが、
ドイツ銀行は米国の商業不動産に貸し込んでおり、
米国不動産問題は世界に大きく影響しています。

 

 

▼ドイツ金融市場 貸倒引当金を積み増し
ドイツでも不動産危機による不安が広がる

ドイツ・ファンドブリーフバンクが貸倒引当金の積み増しを行い、
そしてドイツ銀行の株価が6%安となるなど、不安が広がっています。

リーマン・ショック以来最大となる不動産危機が起きていると言われており、
欧州だけではなくアメリカでの利上げが影響していると考えられます。

クレディ・スミスが崩壊したように、
今後は特にコミュニティバンククラスに影響が出る可能性が高く、
またドイツ銀行やコメルツ銀行などは米国不動産に
かなりの貸し込みがあることから、
ドイツ金融市場全体に不安が波及すると思います。

 

 

▼欧州自動車市場 2023年の新車登録台数1054万7716台
欧州自動車市場

ヨーロッパの自動車工業会がまとめた統計によりますと、
2023年のEU27カ国の新車登録台数は、
前年比13.9%増加の1054万7716台と4年ぶりに1000万台の大台に乗りました。

ハイブリッド車が前年比29.5%増加となり、けん引したものですが、
一方でEVの伸びは鈍化しており、
各国政府による補助金の打ち切りなどが要因と見られます。

私は以前から言っていますが、ハイブリッド車が最もリーズナブルであり、
そしてEVの今後には期待できないと思っています。

EVで使われる電気の7割はCO2排出をしながら
カーボンを燃やして生み出されたもので、
つまり正確にはEVはカーボンニュートラルとは言えません。

そんなイカサマなものに、これまで各国政府は補助金を出していました。

私は従来の3分の1程度のガスを燃やせばよいという、
トヨタCHRのようなハイブリッド車のほうが、
よほどリーズナブルであると思いますし、
世界でもハイブリッド車が今また見直されています。

欧州での新車登録台数の割合は、ハイブリッド車はEVの倍近くであり、
そうなるとトヨタなど、日本勢の強さが際立つことになるでしょう。

主な次世代自動車にはハイブリッド車とプラグインハイブリッド車があり、
私もプラグイン車を所有しています。

しかしプラグインハイブリッド車の仕組みは、
充電された電力が終わるとガソリンに切り替わるというもので、
走りながら充電してガソリン使用量を減らすといったハイブリッド車が
やはり主流になるのではと思います。

 

 

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