中国・大連万達集団／ 台湾IT大手／ 住友化学／調剤薬局大手
- 中国・大連万達集団 約870億円償還の11カ月延期を承認
- 台湾IT大手 主要19社の売上高計約6兆6000億円
- 住友化学 インド・グジャラート州に農薬工場新設
- 調剤薬局大手 欧州系CVCキャピタルが総合メディカルを買収
▼中国・大連万達集団 約870億円償還の11カ月延期を承認
中国企業の隆盛はここまでか？
中国大連万達グループの中核会社、
大連万達商業管理集団が13日に開いた債権者集会で、
2024年1月末に満期を迎える6億ドル、
およそ870億円の償還を最大11カ月遅らせる計画案が承認されました。
大連万達は6日にもグループ会社の北京大連万達投資を中国のドラマ、
映画制作会社に譲渡すると発表しており、
デフォルトの回避へ向けて綱渡りの資金繰りが続いている現状です。
870億円が払えないからと延期しても、好転するかは疑問です。
かつて、大連万達は中国一の金持ちだと言われていました。
過去にはアメリカのシネコンを次々に買収しましたがコロナの影響を受け、
また経営者は海外にお金を持ち出そうとするも香港で止まってしまうなど、
悪い状況が重なっています。
この会社は実質的には不動産会社と言えますが、
過去に起こした不動産トラブルも影響し、
そして中国不動産不況の長期化も相まって、
今回のデフォルトに近い償還の延期へとつながりました。
しかし11カ月後にどうなっているか、
状況がよくなっているとは、私には到底思えません。
▼台湾IT大手 主要19社の売上高計約6兆6000億円
ITの今後を担うのは間違いなく台湾である
日経新聞が台湾の主要IT19社の売上高を集計したところ、
11月の合計は1兆4261億台湾ドル、
およそ6兆6000億円だったことが分かりました。
前年同月比5.4％増加と10カ月ぶりにプラスに転じたもので、
iPhoneの生産が主力である鴻海精密工業が18％の増収となり、
全体を牽引しました。
台湾主要IT各社の11月売上高によると、
半導体生産を行うTSMCは若干のマイナス、
同じく半導体生産のUMCはかなりのマイナスです。
対して半導体設計のメディアックは、大幅にアップしています。
iPhone生産を行う鴻海はプラスとなり、
ペガトロンも若干プラスとなっています。
世界的にも非常に強いIT企業が、台湾にはそろっているということです。
▼住友化学 インド・グジャラート州に農薬工場新設
成長著しい国、インドへの投資は日本企業を元気にするか
住友化学が2027年をめどに、インドに農薬工場を新設する見通しです。
住友化学は農薬メーカーで世界7位、
インド市場のシェアはおよそ9％で2位につけていますが、
今後、中長期的に数百億円を投資し、段階的な増産により、
首位のアメリカFMCを追う考えです。
勢いあるインドでのシェアを死守すべく農薬工場を新設した住友化学は、
アフリカで蚊帳を無償で提供するなど、害虫対策に力を入れている会社です。
工場を設立するグジャラート州はインドの現首相モディ氏の地元であり、
住友化学はご機嫌取りをしたのだと思います。
▼調剤薬局大手 欧州系CVCキャピタルが総合メディカルを買収
日本の調剤薬局には問題が山積み
欧州系ファンド、CVCキャピタル・パートナーズが調剤薬局大手、
総合メディカルグループを買収する見通しが明らかになりました。
総合メディカルは2020年、
国内系ファンドのポラリス・キャピタル・グループと共同で
MBOを実施し非公開としましたが、
調剤薬局は政府の医療費抑制による薬価引き下げが逆風となっており、
CVCは買収後、M&Aなどで事業規模を拡大し、
早期の再上場を目指す考えです。
2020年に行われたMBOでは約1000億円でしたので、
そのときに参加したマネジメントの人たちは大変な額をもうけると思います。
そして今回1700億円で買収したCVCキャピタル・パートナーズは、
トップではありませんが中位のファンド会社です。
CVCキャピタルは総合メディカルの経営がうまくいけば、
さらに同様の企業を買収しようと考えていることでしょう。
ちなみに日本の調剤薬局は今、過渡期にあります。
健康保険がどうなるか、
マイナカードの健康保険証利用はうまくいくのか、
また病院とはどうやってつながるかなど、さまざまな問題があります。
私が家の近所で利用している調剤薬局では、
マイナカード保険証の読み取り機はあるものの稼働しておらず、
従来の健康保険証を毎回持参しなければいけません。
毎度のことで、かつスタッフは3人の薬局なので、
そろそろ顔パスでお願いできないかと思います（笑）
早く、近代化が進むことを期待しています。