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大前研一ニュースの視点

日銀/経団連/世界的工業デザイナー/国内新型コロナ対策 ~新総裁の金利引き上げに期待

・日銀 次期総裁に植田和男氏
・経団連 新たな副会長6人の人事案
・世界的工業デザイナー 奥山清行・取締役の辞任届受理
・国内新型コロナ対策 マスク着用は個人判断へ



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▼新総裁の金利引き上げに期待
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政府は日銀黒田総裁の後任に、
経済学者で元日銀審議委員の
植田和男氏を起用する人事を
固めました。

経済学者出身の
日銀総裁は初となりますが、
植田氏は
「現在の日銀の政策は適切であり
現状では金融緩和の継続が必要」
との考えを示しました。
    
黒田氏と考え方が近すぎない人を
選んだ結果、
日銀審議委員も務めたことがある
学者出身の
植田氏に決まったと考えます。

現在日銀副総裁の
雨宮正佳氏が
有力候補でしたが、
黒田総裁時代と
変化がつけられないという
判断だと推測します。
    
植田氏は
マサチューセッツ工科大学で、
イスラエル銀行総裁も務めた
スタンレー・フィッシャー氏の元で
学んでいました。

この教室は
数多くの世界的人材を輩出しており、
バーナンキ元連邦準備制度理事会議長や、
欧州中央銀行総裁で
イタリア首相も務めたドラギ氏、
サマーズ元財務長官も
フィッシャー氏の教え子です。

元々金融引き締め論者でもありますし、
このような素晴らしい経済学者の中に
名を連ねる以上は、
安倍元首相と黒田総裁の
金融政策の問題点に
気づいていないはずがありません。

今は黒田氏の路線を継続すると
言っていますが、
そのうちに歪みを正す方に
舵を切る可能性はあると思います。
    
飼料・燃料の高騰で、
米国の卵の値段が
2倍以上になっているのを見ても
わかるように、
エネルギーと生鮮食品の
価格上昇は
世界的な事象です。

これは金利を上げれば
解決するものではありません。

ですが、円安を止めて、
輸入品の価格上昇に
拍車がかかる状況を防ぐことは
可能です。

私は以前から、
個人金融資産が2,000兆円ある日本では、
金利を上げたほうが
景気が良くなると
主張してきました。

植田氏の元でなら、
金利引き上げが実現するのではと
期待しています。




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▼経団連の機能不全を象徴する人事
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経団連は6日、
新たな副会長6人の人事案を発表しました。

水や環境ビジネスの
世界大手であるヴェオリアの
日本法人会長の野田由美子氏を
外資系企業から初めて起用し、
戸倉会長は
「人格や識見、各業界での実績などを
総合的に判断して選んだ」と語りました。
    
この人事を見て、
経団連には心底失望しました。

評価できるのは
NTTの澤田会長くらいです。

銀行、重工、商事と
三菱系から3人も起用し、
外資系初の女性と言う触れ込みで
野田氏の起用。

経団連が機能していないことを
象徴する人事です。
    
野田氏は横浜の副市長も含め、
いろいろな場所を渡り歩き、
現在はたまたまヴェオリアにいますが、
基本的には頼まれたことを
行っているだけです。

常に雇われている立場で
自分で事業をやったことがない人が、
何を期待されて
経団連の副会長に
選ばれたのでしょうか?

男性ばかりで硬直化していると
批判される経団連の副会長に、
女性が入っていたら
華やかで世間体もいい。

老人たちの考えそうな、
浅ましい発想です。




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▼輝かしい業績のデザイナーが有罪判決で辞任
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ヤンマーホールディングスは9日、
取締役で
世界的な工業デザイナーの
奥山清行氏からの
辞任届を受理したと
発表しました。

奥山氏は
2013年に同社の取締役に就任。

16年には
奥山氏がデザインしたトラクターが
グッドデザイン金賞を
受賞しましたが、
去年10月、
山形市内の県道を
制限速度88キロオーバーで
走行したとして、
執行猶予付きの有罪判決を
受けていました。
    
奥山氏は
エンツォフェラーリを設計した
業績がある方です。

今は出身地の
山形に住んでいるようですが、
蔵王の側道で
とんでもない交通違反を
してしまいました。

信号のない場所だったそうですが、
88キロオーバーは
擁護できません。

おそらく今回も、
エンツォを運転していたのだと
思われます。
    
北陸新幹線、山形新幹線の
最上級席である
グランクラスをデザインしたのが
この奥山氏の会社で、
実際に設計していたのは
土屋陽太郎氏という人物でした。

土屋氏は現在ヤンマーに在籍しており、
トラクターなども
実際は奥山氏と一緒に手掛けたものです。

奥山氏は社外取締役として
関わっていましたが、
有罪判決が出た以上は
辞任せざるを得ません。
    
実は奥山氏は
言動に難のある人物として有名で、
イタリア時代から
多くの言行録が
噂されていました。

イーロン・マスク氏をはじめ、
ビジネスの世界にはこうした
「能力最高・性格最悪」という人物が
散見されるようです。




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▼日本の政治家の責任逃れ体質を露呈
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政府は10日、
新型コロナ対策の
マスク着用について、
来月13日から
国内外を問わず
個人の判断に委ねる方針を
決定しました。
    
結局は「マスクをつけなくていい」と
断言する能力・勇気がないだけです。

オーストラリアでもドイツでも、
政治家の判断で
マスクの強制は終わりました。

日本では情けないことに、
あやふやなことを繰り返す
政治家ばかりです。

岸田首相も
「マスクを外して、
みんなの笑顔を見せながら
卒業式をやってもらいたい」などと
格好つけたことを言っていますが、
生徒はマスクを外して
保護者はつけていろと言うのでは
筋が通りません。

マスクを付けることを
強制したのであれば、
外すタイミングについても
明言するのが道理です。

国民の判断にゆだねることは、
体のいい責任逃れでしかありません。

 

-大前研一ニュースの視点