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大前研一ニュースの視点

キヤノン・国内自動車大手・国内飲料大手 ~清涼飲料事業での資本・業務提携を検討

2019/01/29

キヤノン キヤノン下方修正、円高だけが理由じゃない
リコー 2017年にも2工場閉鎖へ
コニカミノルタ 連結営業利益180億円
国内自動車大手 三菱自動車株の34%を取得
国内飲料大手 清涼飲料事業での資本・業務提携を検討

キヤノン下方修正、円高だけが理由じゃない

日経新聞は先月26日、
「キヤノン下方修正、円高だけが理由じゃない」と題する記事を掲載しました。

キヤノンは今年に入って3度目の業績見通しの引き下げを行いました。

市場構造の変化で低迷を続けている現状もあり、
財務体質が盤石なうちに事業構造を組み直せるかが焦点になるとしています。

カメラもプリンターも事業として苦しい立場にあります。

売上も営業利益も下がり、かつての高収益体質からは大きく変わってしまい、
明るい将来像が描けていないでしょう。

同じようなことは、リコーやコニカミノルタでも起きています。

リコーはカリフォルニアの工場などを閉鎖し、
1000億円規模のコスト削減を目指す考えを示しています。

コニカミノルタは、部品などで高収益事業はありますが、
複合機では全く同じような問題を抱えています。

かつては日本企業が強さを発揮した領域で、今では枕を並べて討ち死に状態です。

構造変化にさらされて厳しい状況に追い込まれています。

ゴーン氏が日産と三菱自動車のCEOを兼務することは許されることではない

日産自動車株式会社は20日、三菱自動車の発行済み株式の34%を取得し、
三菱自動車の筆頭株主となったと発表しました。

日産ゴーン社長は、三菱自動車との提携による初年度のシナジー効果は、
日産が240億円、三菱自動車が250億円との見通しを示しました。

ゴーン氏は日産と三菱自動車のCEOを兼務するということですが、
これは完全に違反だと私は思います。

日本取引所グループに上場している2つの会社のCEOを兼任することは、
上場審査で言えば必ずNGになります。

かつてトヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売が上場していましたが、
両社間のやり取りのみで収益は上下させることは簡単でした。

あまつさえ、CEOを同一人物が兼ねるのなら、
なおさら自由自在にコントロールできてしまうでしょう。

そして、こうした動きを株主は把握することが出来ません。

この問題解決のために、自工自販の合併がそこら中で行われることになりました。

三菱自動車が生産する軽自動車の半分は日産に売ってもらう、という体制です。

ゴーン氏が日産と三菱自動車のCEOを兼任するなら、
三菱自動車から日産への仕切値をコントロールすれば、
どちらの収益も大きく変えることができます。

こんなことは許されるはずがない、と私は思います。

日本取引所グループはなぜ許容するのか、理解に苦しみます。

これが許されるなら、かつての自工自販の合併は何だったのでしょうか?

こうした事態に対して、
お気楽に「ゴーン氏が金曜会に出席したらどうなるのか」などという記事も目にしますが、
そういう問題ではありません。

このままでは透明な経営が担保されない、
という由々しき事態になると私は強く懸念を抱いています。

* * *

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清涼飲料で国内首位の日本コカ・コーラグループと4位のキリンホールディングスは
先月26日、資本・業務提携に向けて協議していることを明らかにしました。

提携の柱は、製品の物流や原料調達で製品を小売店や自動販売機に
共同配送することや果汁コーヒー豆などの原料及び、
ペットボトルなど資材の共同調達を視野に入れているとのことです。

これはかなり強烈な提携です。

コカ・コーラは国内シェアトップを誇り、自販機の数も膨大です。

すでに、サントリーはペプシと提携していますが、それを上回る大型提携です。

問題なのは、提携に乗り遅れたアサヒ飲料や伊藤園などの行方です。

明らかに見劣りする状況に陥っています。

本来ならば、キリンに先んじて、伊藤園などがお茶という強みを活かしながら、
コカ・コーラと提携するなどのアクションを起こすべきだったと思います。

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