「英アーム/ 米動画市場/ シャープ/ 米イーロン・マスク氏/ スレッズ/ 中国テンセント」
- 英アーム 米ナスダック市場に上場
- 米動画市場 米動画視聴、配信が主役に
- シャープ スティーブ・チェン(陳士駿)氏を社外取締役に起用
- 米イーロン・マスク氏 米7州で送金・決済事業者ライセンスを取得
- スレッズ 米アクティブユーザー数が1カ月で79%減
- 中国テンセント 生成AIの一般提供を開始
▼英アーム 米ナスダック市場に上場
アーム上場がソフトバンクの息を吹き返させた
ソフトバンクグループ傘下のイギリス半導体設計会社大手、アームは14日、
アメリカのナスダック市場に上場しました。
初日の終値は63.59ドルと、公開価格の51ドルをおよそ25%上回り、
終値ベースの時価総額は650億ドル、およそ9兆6000億円あまり、
これによりソフトバンクグループは48億7000万ドル、
およそ7180億円を調達しました。
3兆円で買って大きな含みを持っていたアームがようやく上場し、
ソフトバンク・孫氏の投資家としての判断の正しさが証明されました。
孫氏はヤフー設立以来、一発当てて食いつぶし、
次を当てて食いつぶすというやり方で事業を大きくしてきました。
大きく当てたアリババの業績が下がり始めたタイミングで、
かつWeWorkでも苦労していたところ、アームがタイミングよく上場し、
5兆円程度のマージンを得ることができました。
▼米動画市場 米動画視聴、配信が主役に
契約縛りが強いケーブルテレビや衛星放送はネット配信の自由さに負けた?
日経新聞は10日、「米動画視聴、配信が主役に」と題する記事を掲載しました。
アメリカでケーブルテレビや衛星放送などの加入者数が6000万世帯を下回り、
普及率は過去40年間で最低水準となりました。
新型コロナ渦の巣ごもりを機に、映画、ドラマの見放題配信へのシフトが進み、
1世帯で加入する配信サービスは平均四つに増えておりますが、
近年の値上がりも背景に契約数を絞り込む動きも出ているということです。
一世を風靡したケーブルテレビや衛星放送は、
今ではネット配信に置き換えられました。
帯域が広がってネット配信では普通に映画が見放題となり、
NetflixやAmazon Prime Video、ディズニープラスなどがメディアの主役になりました。
アメリカでは24時間105チャンネルといった見放題のケーブルテレビで
ザッピングするのが通常でしたが、契約上の縛りにより価格調整がうまくいかず、
音楽も聞き放題といったネット配信に取って換わられたという状況です。
▼シャープ スティーブ・チェン(陳士駿)氏を社外取締役に起用
ホンハイの力を見せつけたチェン氏起用
シャープは6月末の株主総会を経て、YouTubeの共同創業者、
スティーブ・チェン氏を社外取締役に起用しました。
チェン氏は米PayPalの元同僚らと2005年にYouTubeを設立、
Googleへの売却後は投資ファンドの運営などを手掛けており、
これについてシャープはYouTubeをはじめ、
多くの事業の創立に携わってきた豊富な経験と幅広い知識に期待していると説明しました。
スティーブ・チェン氏は、YouTubeをシリコンバレーの超有名人とともに
立ち上げた偉大な人物で、シャープの発明・開発する力を評価して、
前向きな気持ちでその役割を果たしたいと社外取締役に就任しました。
赤字を抱えるシャープが彼を迎えるのは驚くべきことですが、
チェン氏はシャープからの報酬には恐らく関心がなく、
彼の起用はホンハイによるものと、その力を世界に見せつけることとなりました。
▼米イーロン・マスク氏 米7州で送金・決済事業者ライセンスを取得
Xのフィンテック分野参入は全米にどこまで広がるか
米Xが6月以降、アリゾナ、メリーランドなど7つの州で通貨の送金および
決済事業のライセンスを取得したことが分かりました。
イーロン・マスク氏は7月、Xについて、今後、数カ月のうちに包括的な
コミュニケーションと金融の世界全体を指揮できる機能を追加すると表明しており、
PayPalなど、自らの原点であるフィンテック分野への参入を目指すと見られます。
フィンテック分野への参入は想定範囲のことで、
XはSNSだけではなく送金など立体的なサービスを含んだメディアへシフトされます。
現CEOはメディアを得意とする人物なので、
今回の立体的な動きについてはイーロン・マスク本人が主導していくと見られています。
アメリカの銀行ライセンスは、州別に与えられます。
あまり知られていませんが、シティバンクはニューヨーク州、
バンク・オブ・アメリカはカリフォルニア州による認可であり、
全米認可による銀行は非常に少ないものとなっています。
そのため、今回のような銀行業務の決済送金を実行するには、
州別に認可を得るという大変なプロセスが必要です。
アメリカは州の独立性が強く、銀行によっては認可を簡単に取れないため、
海外送金の分野を進めるほうが容易です。
▼スレッズ 米アクティブユーザー数が1カ月で79%減
ザッカーバーグの威光はここまでか
短文投稿サービス、Threadsのデイリーアクティブユーザー数が、
先月7日時点で57万6000人となり、
最大を記録した7月7日から79%減少したことが分かりました。
運営するMetaはアップデートを続けて機能を拡大しているものの、
ハッシュタグや分散型ネットワークなど、
ユーザーが求める機能が実装されていないことなどが要因と見られます。
要するに、Metaはユーザーが満足するサービスを提供できませんでした。
最大ユーザー数を記録してからたったの1カ月で8割までユーザー数を落とし、
ザッカーバーグ氏は一体何をやっていたのでしょうか。
イーロン・マスク氏、アクティブAIに大きく引き離され、
幻に終わったという残念な結果となりました。
▼中国テンセント 生成AIの一般提供を開始
生成AIの進化の壁は共産党にある
中国のテンセントは7日、生成AIの一般提供を開始したと発表しました。
同社が開発した大規模言語モデルは既にSNSやゲームなど、
およそ50の製品で活用していますが、
これをクラウド上で利用できるようにしたもので、
オンライン会議の議事録を簡単に作成できるほか、
広告の制作を効率化できるというものです。
中国はアメリカに負けない技術を既に持っているようですが、
ChatGPTのようなサービスは共産党が許しません。
「共産党について教えてください」といった問い掛けを行えば、
習近平に都合の悪い回答が示されてしまうからです。
技術開発を行うテンセントのような会社は生成AIのLLM(大規模言語モデル)を
提供して、それを活用するのは皆さんだという姿勢を取っています。
また、中国政府との関係性が比較的良いといわれるバイドゥは、
文心一言(アーニー・ボット)を一般に提供しています。
こちらも共産党にとっては都合の悪い情報が出ると困るため、
あくまでもシステムではなく、素材を提供するという方針です。
天安門事件や福島の汚染水処理の問題など、
共産党が望まない事実が広まることは許されず、
中国の企業によっては悩ましいところです。