「マーケティング」 どんな業種にでも他社との差別化を図れるタクシー会社の一例
2019/01/26
以前、ビジネスを成長させる方法の一つとして
『USPの確立』についてお話をしました。
以前の記事。
「マーケティング」自社の弱みを強みに変える発想方法
USPとは、あなたの会社を他社から際立たせる
独自の魅力的なアイディア(差別化)のことです。
このUSPの必要性を繰り返しお話してきましたが、
こういう話をすると、だいたい必ず
「うちの業界は特殊だから、USPなんて作れないよ」
という声が上がります。
今まで一生懸命その業界で頑張って来られたわけですから、
業界に染まり、業界の常識に縛られ、
「うちの業界では、差別化出来ない」
と思えても、何も不思議ではありません。
その業界のことを知り尽くしていればいるほど、
そう感じてしまって当然でしょう。
しかし実際は、あなたの視点をほんのちょっと変えるだけで、
あなたの会社のUSPは確実に強力なものになります。
ひとつ例を挙げましょう。
例えば、全国どこにでもあるタクシー。
タクシードライバーの仕事と言えば、どの会社も
殆ど差がないと言っても過言ではありません。
値段も地域で大体同じですし、
どのタクシーも色が違うだけで、車内も大体同じ。
他社との差別化は難しいでしょう。
では、タクシー会社はどのようなUSPを
確立させることができるのでしょうか?
「タクシー業界も特殊だからUSPなんて作れないだろう」
そんな声が聞こえてきそうですが、
実は、タクシー会社でもUSPは存在します。
皆さんは「子育てタクシー」
というサービスをご存知ですか。
子育てタクシーとは、妊婦や子どものいる方向けの
タクシーサービスです。
保育園や塾などに急に送り迎えができなくなったときや
子供が夜中に具合が悪くなったとき、妊婦さんの移動など
様々な状況に対応できるサービスを行なっているのが、
この「子育てタクシー」です。
この子育てタクシー。
似たようなサービスは色々ありそうですが
全国各地域にネットワークがあるという点で、他より抜きん出ています。
全都道府県にはまだありませんが、子育てタクシーの
団体に所属しているタクシー会社は運行準備中の会社も含めて
北海道から沖縄まで、現在全国で130を越えます。
他社がこれを真似しようと思っても、
なかなか真似できるものではありません。
これが、この団体のUSPなのです。
このように、一見特殊に思える業界でも
USPを確立することは可能です。
・・・と言っても、このような「発想の転換」は
なかなか難しい、アイディアが浮かばないという方も
きっといらっしゃることでしょう。
しかし、このような差別化、USPの確立には
「頭を柔らかくしなければならない」とか
「発想力」のような特別な能力は一切必要ありません。
では、何が必要なのでしょうか。
ここで是非、心に留めておいて頂きたいのが、
ジェイ・エイブラハムの言う「卓越の戦略」です。
「卓越の戦略」とは、ジェイ・エイブラハムの
マーケティング手法の土台となっている考え方で、
“クライアントをただ収入を得るためだけの対象としてでなく、
恋人や友人のように、生涯守るべき存在として捉えて、
サービスを提供する”
というものです。
あなたの顧客に対して恋人や友人のように接したとき、
恋人はあなたの業界のどんな面に不満を感じ、
あなたの持つサービスのどんな点を不便だと感じるでしょうか。
企業理念などに「顧客目線」という言葉はよく使われていますが、
実際に顧客目線で立てている会社はどれだけあるでしょうか。
もし、本当にこの「卓越の戦略」の考え方を頭に入れて
ビジネスを行なっていれば、きっと顧客のニーズにマッチした
USPを確立することができるはずです。
それが他社との差別化になるのです。
当たり前のようで、なかなか難しい「卓越の戦略」の考え方。
一度、考えてみてください。