「マーケティング」強みに集中する方法とは。
2019/01/26
私はドラッカーの著書に出会い、
大きく救われたメッセージがあります。
それは、「強みに集中する」という言葉です。
私も苦手なことが色々あって、
何度も同じ課題にぶつかることがあった時、
様々な方面で問題が出て来た時、
「自分はなんと無力(無能)なのか」と
嘆きにも似た気持ちを抱くことがよくあります。
そんな中、
「すでにスタイルは出来上がっている。
弱みを克服しようとするのではなく、
強みを成長させることに集中せよ」
というドラッカーのメッセージに出会い、
大きく救われた気持ちになったことを
よく覚えています。
しかしながら、実際のビジネスにおいては、
弱みを全く無視して、
得意なこと、好きなことだけやっていれば
よいかといえば、当然そうではありません。
例えばマーケティングは得意だが、
財務経理が苦手だからやらない、
などということは、企業を存続させる上では
できないでしょう。
そしてドラッカーは、
まさにそのためにこそ組織があると言います。
異なる強みを持つ者同士が集まることで、
個々人の弱みをなきものにし、
強みに集中することを可能にするものが、
組織である、というわけです。
さらに言えば、
企業間の提携やジョイント・ベンチャーと
いったものも、これにあたります。
例えば、商品力に強みを持つメーカーと、
販売力に強みを持つ量販店の提携が成立するのは、
強みと弱みがお互いを補い合うからです。
もしメーカーが個別に販売までを行い、
量販店が個別に商品開発までを行っていたら、
ビジネスのスピードは、おそらくとても遅く
なってしまうでしょうし、
販売に特化した量販店、商品開発に特化した
メーカーに、それぞれの領域で後れを取って
しまうでしょう。
「完璧よりもエクセレンスを追求せよ。」
これはジェイの言葉ですが、
全ての分野において能力を高めることを
追求するのではなく、まずは、
特定の分野で突出した存在になることを
追求することが重要です。
今でこそ、ユニクロのように、商品開発から
販売までを行うSPA(製造小売)という業態や、
量販店が開発を行うPB(プライベートブランド)
といったものが出てきていますが、
これらはほとんどの場合、製造と販売の両方を
同時にスタートさせたものではなく、
まずは販売または商品開発にフォーカスし、
それを極めた次に、守備範囲を広げています。
市場に数多くの商品が存在する成熟した
現在の状況においては、こうした状況は
ますます顕著になっています。
顧客にとって数多くの選択肢がある中で
選ばれる地位を築き上げるためには、
全てを平均点的に高めて普通の商品を
作ったとしても競争に勝ち残ることは出来ず、
自らの強みに特化せざるを得ないのです。
自らの強みに特化するということ、
これは、自分のUSP(独自の売り)を
どのように築き上げるか、ということでも
あります。
ドラッカーは、このUSPについても、
実に本質を突いた言葉を教えてくれています。
「何によって覚えられたいか?」
という言葉です。
あなたの仕事を通して、生涯を通して、
「何によって覚えられたいか?」
これこそが、USPの本質ではないかと
思っています。
私はよく、
「USPとはポジショニングである」
と同時に、
「USPとは理念である」
ということをお話しするのですが、
他の誰でもないあなたが、
他の誰にも出来ない、
どんなことを世の中に届けたいのか、
どんな貢献をしたいのか、
何を自分の生きた証にしたいのか?
心の底から湧き上がってくるその
思いこそが、
どんなノウハウよりも強力なUSPの
源泉ではないかと思います。
こうして見て来ると、
(いつも感じることですが)
「本物」が語る言葉というのは
結局のところ、常に共通である、
ということを、いつも思い出されます。
ピータードラッカーの参考本