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リッツカールトン編 マーケティング 販売方法

No.2 知っておくべき顧客を満足させるリッツカールトンのおもてなし方法

2019/01/26

顧客を満足させる今回の話は、ビジネスやお仕事において
飛躍的な成果を生み出す「気づき」が得られるよう、
ご自身のビジネスにどう当てはめるかを考えて頂けましたら幸いです。

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■リッツ・カールトンの「サービス・バリューズ」
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今回は、ゴールド・スタンダードの中の、
「サービス・バリューズ」についてお伝えします。

まずは、次のジャマイカのプチ紳士の物語を、お読み下さい。

Aさんはニューヨーク在住の、大手証券会社に勤めるキャリアウーマン。

昨年の話です。

彼女が休暇でジャマイカを訪れたときのこと。

市内の買い物を終えて、滞在ホテルに向かって車を走らせていると、
後ろから白い車がクラクションを鳴らしながら近づいてきたのです。

バックミラーにはサングラスをかけた、現地人と思われる
男性ドライバーが映っています。

日中とはいえ、周りには家もなく、車もほとんど走っていません。

まして一人で運転していたAさんは怖くなりました。

ジャマイカの一部はまだ十分に安全とは言い切れないと 聞いていたからです。

そこで何とかガソリンスタンドを探そうと走っていると、やっと前方に見えました。

すがる思いでスタンドに車を入れると、なんと白い車も後に
ついてくるではありませんか!

そして、車から降りてきたその男性は、Aさんに向かってこう言ったのです。

「マダム、後ろのタイヤがパンクしているようです。
すぐに交換しないと大変なことになりますよ」

驚いたAさん。

急いで車から降りて確認すると、確かにタイヤがへこんでいます。

レンタカー会社の整備が不十分だったようです。

男性は、言いました。

「私がお手伝いしましょう。大丈夫、慣れていますから。
私の名前はホルヘ。リッツ・カールトン・ジャマイカでエンジニアを
しているんですよ」

手際よくタイヤを交換すると、彼は満面の笑みを浮かべて、

「ジャマイカへは休暇ですか?私の働いているリッツ・カールトンは、
この先のモンテゴベイにあります。料理は最高ですよ。
良かったら一度いらしてください」

そういって、名刺を手渡しました。

Aさんは、せめてチップをと申し出たのですが、
彼は受け取らなかったそうです。

数日後、ニューヨークに戻ったAさんは、同僚やボスにその話をしました。

「一時でもジャマイカ人を疑ったことが恥ずかしい。
あの笑顔は素晴らしかったし、何よりも無償の善意には
本当に心を打たれた」と。

すると、それまで黙って聞いていた上司が、

「これで決まりだ、リッツ・カールトンにしよう!」と一言。

何のことですかとAさんが問いただすと、上司は言いました。

「来年の社内コンベンションだけど、候補地はジャマイカなんだ。
ホテルがまだ未定だったのだが、これで決まり!
早速、実務担当者に詰めさせよう」

しばらくして、証券会社のCEOから、リッツ・カールトン・ジャマイカの
総支配人宛てに、ホルヘに対する賞賛の手紙と、コンベンションの
契約書が届いたのです。

この物語は、元ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニー日本支社長
の高野登氏が監修している『サービスを超える瞬間 実例・実践編』
で紹介されています。

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■自分の価値観と会社の価値観が合致する瞬間
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ホルヘのように、リッツ・カールトンの従業員は、
ホテルの外でも一流のサービス精神を発揮している
良い事例だと思います。

なぜ、リッツ・カールトンの従業員は、外でもこのような
素晴らしい行動がとれるかというと、12項目に渡る下記の
価値観を、仕事ということではなく、自分自身の価値観と
して持っているからだと思います。

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【サービス・バリューズ】
私はリッツ・カールトンの一員であることを誇りに思います。

1.私は、強い人間関係を築き、生涯のリッツ・カールトン・ゲストを 獲得します。

2.私は、お客様の願望やニーズには、言葉にされるものも、
されないものも、常におこたえします。

3.私には、ユニークな、思い出に残る、パーソナルな経験をお客様に
もたらすため、エンパワーメントが与えられています。

4.私は、「成功への要因」を達成し、リッツ・カールトン・ミスティークを
作るという自分の役割を理解します。

5.私は、お客様のリッツ・カールトンでの経験にイノベーション(革新)
をもたらし、よりよいものにする機会を常に求めます。

6.私は、お客様の問題を自分のものとして受け止め、直ちに解決します。

7.私は、お客様や従業員同士のニーズを満たすよう、チームワークと
ラテラル・サービスを実践する職場環境を築きます。

8.私には、絶えず学び、成長する機会があります。

9.私は、自分に関係する仕事のプランニングに参画します。

10.私は、自分のプロフェッショナルな身だしなみ、
言葉づかい、ふるまいに誇りを持ちます。

11.私は、お客様、職場の仲間、そして会社の機密情報および
資産について、プライバシーとセキュリティを守ります。

12.私には、妥協のない清潔さを保ち、安全で事故のない環境を築く
責任があります。
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ホルヘの行動は、「サービス・バリューズ」の
1番、6番、12番に当てはまるのではないでしょうか。

ホルヘの見返りをもとめない行動により、Aさんと強い
人間関係が築かれ、仕事に結びつきました。(1番)

そして、怪しい人だと思われ逃げられているにも関わらず、
ずっと後を追って、Aさんの安全を守ったのと同時に、
パンクというAさんの問題をも解決してしまったのです。
(6番、12番)

自分のお客様と知っていれば、どんな人でもホルヘのような
行動をするとは思いますが、お客様でもない人には面倒だと
しないのではないでしょうか。

リッツ・カールトンでは、ホルヘのような人は珍しいという
訳ではないと思います。

他のリッツ・カールトンの従業員の人が同じような場面に
遭遇しても、きっとAさんを助ける行動をしたと思います。

それは、リッツ・カールトンの従業員が、サービス・バリューズ
を理解し実践するほどまでに、自分の心に落とし込んでいるからです。

「参考本」

リッツカールトン 至福のホスピタリティ

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