知っておくべき顧客を満足させるリッツカールトンのおもてなし方法
2019/01/26
顧客を満足させる今回の話は、ビジネスやお仕事において
飛躍的な成果を生み出す「気づき」が得られるよう、
ご自身のビジネスにどう当てはめるかを考えて頂けましたら幸いです。
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■リッツカールトンの「サービスの3ステップ」
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今回は、リッツカールトンのゴールド・スタンダードの中の、
「サービスの3ステップ」についてお伝え致します。
まずは、従業員の家族に対しても、ここまで温かい対応が
できる会社があるのかと思わせるほどの、次の物語をお読み下さい。
リッツカールトンのある従業員は、自分の妻と子供が、
リッツカールトンの温かい歓迎を受ける側になったとき のことをこう述べています。
「夫や父親として絶対に取りたくないような電話がかかってきました。
妻は電話口で泣きわめき、母親が泣いているので娘も泣いています。
わたしは電話口でどうしてやることもできません。
ふたりの小さな子供を連れて旅行中だった妻は、ロサンゼルスで
乗り継ぎ便に間に合わなかったらしいのですが、航空会社の人は、
言い訳をするだけで何の対処もしてくれなかったらしいのです。
わたしは妻にいいました。
『リッツカールトンに行きなさい。大丈夫だから』と。
わたしはすぐにザ・リッツ・カールトン・マリナルデルレイ
(カルフォルニア州)に電話して、事情を説明しました。
そして、家族が向かっていることを伝えました。
妻と子供がホテルに着くと、支配人が玄関で待っていてくれて、
部屋まで案内してくれました。
部屋にはバスローブが3人分用意されていて、頼んだわけでもないのに、
温かい味噌汁が運ばれてきたそうです。
妻は日系アメリカ人ですから、一息つくには味噌汁が一番だと
考えてくれたのでしょう。
まさにそのとおりでした。
次に電話をかけてきたとき、妻はすっかり落ち着いていました。
娘たちもバスローブに着替え、3人で味噌汁を飲んだそうです。
こういうところだからこそ、わたしはリッツカールトンで働いているのです」
この物語は、リッツカールトンについて書かれている書籍
『ゴールド・スタンダード』ジョゼフ・ミケーリ著で紹介されています。
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■基本を徹底しているからこそ、快適な空間を作れる
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上記のマリナルデルレイの支配人でなくても、
リッツカールトンであれば、どのリッツカールトンでも
上記の対応をしたのではないかと思います。
それは、マリナデルレイの支配人の例のように、
経営陣が従業員やその家族のニーズに応えることで、
従業員が顧客に示すべき行動の模範を示しているからです。
リッツカールトンの経営陣が、従業員に伝えようとした
行動規範は、下記になります。
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【サービスの3ステップ】
1.あたたかい、心からのごあいさつを。
お客様をお名前でお呼びします。
2.一人一人のお客様のニーズを先読みし、おこたえします。
3.感じのよいお見送りを。
さようならのごあいさつは心をこめて。
お客様のお名前をそえます。
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上記の3つは、ほとんどのホテルでも心がけていることでしょうし、
実践していることだと思います。
ところが忙しくて気持ちに余裕がないときには、
この3ステップをつい忘れてしまうということも
多いのではないでしょうか。
当然のことをわざわざ明文化しているのは、
いつでもそれを読んで基本に立ち返るためなのです。
サービスを受ける方のお客様が、この3ステップを意識する
ことはおそらくないと思います。
しかし、これによって次のような感動を生み出しています。
「ドアマンやコンシェルジュの心配りが行き届いていたおかげで、
気持ち良く過ごすことができました。
彼らはわたしと家族の名前を覚えていて、車を停めるたびに
ドアを開けてくれて、名前を呼び、挨拶をしてくれるのです」
「ハリケーン・ウィルマが来たときでした。わたしたち宿泊客は、
安全のために、ホテルから市内へ移動することになり、
夜中の2時にホテルがバスを用意してくれました。
そして、従業員全員が見送りに来てくれたのです。
驚きました、彼らは5日間ずっとわたしたちの世話をしていて、
家族にも会えなかったはずです。
それなのに、最後まで残って手を振りながら、見送ってくれたのです」
リッツカールトンはどんな人に対しても、基本を徹底して行っているからこそ、
快適な空間を提供できているのだと思います。
これは、上記の3つの基本行為だけを忘れさせないという
ことではないと思います。
これらの基本行為をすることで、従業員全員が初心にもどり、
お客様を心からおもてなしすることを思い出させるのではないでしょうか。
今回の物語は、リッツカールトンの快適さの秘訣の
一端でしかありません。
リッツカールトンはもっともっと奥が深いホテルなのです。
「参考本」