「マーケティング」顧客のリスクを取り除いてビジネスをする考え方
本日は、以前このブログで少し触れたことがある
コンフォートゾーンについて、それをより掘り下げてみたいと思います。
それは・・・
「現状を打破するブレイクスルーを、
どうやって引き起こすか?」
というテーマです。
何かに行き詰まっている時、うまく行かない時、
あるいは、今ひとつ突き抜けることが出来ない時、
その原因になっているのは、実は、
知識不足やアイディア不足が問題なのではなく、
自分自身が心地よく感じる今の安心領域
(コンフォートゾーン)から抜け出せないことが
問題である、ということがよくあります。
例えば、以前、ジェイのセミナーで、ジェイと
参加者の方との間に、こんなやりとりがありました。
会計士などのプロフェッショナル・サービスを
営んでいた参加者の方に、
ジェイは、彼のマーケティング・コンセプトである
リスク・リバーサルの導入を提案しました。
「あなたは、自分が出した結果に対して報酬を受け取る
プロフェッショナルになりなさい。
あなたが削減したコスト、あなたが貢献した利益の
何%を受け取る、もしその結果が出なければあなたは
報酬を受け取らない、という形にするのだ。
いいとは思わないか?」
と聞いたジェイに対し、参加者の方。
「いいと思いますが、怖いですね」
リスク・リバーサルが有効であることは知っている。
そのアイディア・コンセプトがパワフルであることは
知っている。
でも・・・できない。なぜでしょうか?
自らの安心領域を抜け出すことができず、
心に箍(たが)がかかっているからです。
「怖い」という言葉に表れるように、
ビジネスにおいても、何においても、
より大きなブレイクスルーにつながるアイディアで
あればあるほど、
それは最初は、極めて「抵抗ある考え」
の形になって表れてくることの方が多いのです。
しかし、
今までの自分にとって「抵抗ある考え」だからこそ、
多くの人にとって「抵抗ある考え」あるからこそ、
大きな効果があるのです。
今までと大して変わらないやり方であれば、
大した効果は期待できません。
他の人と大して変わらないやり方であれば、
大した効果は期待できません。
その領域を大きく外れたところへ飛び出すからこそ、
大きなブレイクスルーが生まれるのです。
是非、「抵抗ある考え」の中にこそチャンスが
眠っている、ということを忘れないで下さい。
・・・と、こんなことを何度申し上げても、
自分が感じる恐怖を乗り越えて、
コンフォートゾーンを抜け出すことができる人は
ほとんどいません。
(これが、成功者が一握りしかいない理由です)
一体なぜか?
その核心をお話ししたいと思います。
それは、
「パラダイム(ものの見方・考え方)」
の問題です。
つまり、ほとんどの人は、ビジネスにおいて、
物事を「自分中心のパラダイム」で見ています。
リスク・リバーサルを実施することを「怖い」と
思うのは、「自分のこと」を考えているからでは
ないでしょうか?
でも、考えてみてください。
もしリスク・リバーサルを実施することで、
あなたが、怖いと感じるとしたら、
それはそっくりそのまま、
お客様が感じている恐怖と同じです。
もっと大きいとすら言えるでしょう。
高価な商品であれば、買い物は一回限りであり、
さらにリスクは大きくなります。
お客様にすれば、リスクが大きければ買わない
のは当たり前なのです。
リスクを取り除いてあげることは、顧客を守る
姿勢の現れであり、商品を提供する側にとって、
その顧客を守る、すなわちリスクを取り除いて
あげるのは義務なのです。
ところが、ほとんどの取引は顧客にすべての
リスクを負わせています。
売る側の会社はといえば、まったくのノーリスクで
商品を売っています。
極論すれば、顧客が気に食わなかろうが何だろうが、
売ってしまえば終わりです。
実際にその約束が守られなかったり、思ったような
効果が得られなかったりしても、何の保証もない。
それは取引として決してフェアではないでしょう。
顧客とフェアな取引をする。
顧客のリスクよりも会社のリスクを大きくする。
顧客側の視点に立った時には、リスク・リバーサル
のこの思想は極めて当たり前のものなのです。
必要なのは、「自分中心のパラダイム」ではなく、
「相手(顧客)中心のパラダイム」で物事を見る、
という考え方です。
このパラダイム転換をどれだけ出来るかが、
その人がコンフォートゾーンを超えられるか、
ひいてはビジネスで成功を収めることが出来るか
どうかに関わってきます。
ジェイ・エイブラハムが教えてくれることは、
こうした根本的なパラダイム転換です。
<参考本>
ジェイ・エイブラハム「限界はあなたの頭の中にしかない」