「マーケティング」 ハーレー・ダビッドソンの顧客との絆作りにもなるCSR活動とは?
最近、多くの企業不祥事がテレビで報道されていますが、
そんな企業の不祥事を見ていて、ふと、10年ぐらい前に参加した、
当時、ハーレー・ダビッドソン・ジャパン奥井社長の講演を思い出しました。
日本国内のバイク販売台数は、
1982年の329万台をピークに年々減少し、
2007年にはピーク時の1/5である69.5万台にまで
落ち込むほどの超・衰退市場でした。
そんな中、ハーレー・ダビッドソン・ジャパンは、
1989年の設立以来、18期連続増収増益という、
ちょっと普通ではない数字を達成していたのです。
その最大の秘訣は、「顧客との絆作りにある」
とのことで、色々と興味深い話を聴くことが
できたのですが、
中でも最も興味深かったのが、この会社の
CSR(Corporate Social Responsibility、
企業の社会的責任)活動です。
最近、企業不祥事が相次ぐ中、今後ビジネスにおいては、
あらゆるサイズの企業がCSRへの取り組みを行って
いかなければならないと私は思っていますが、
ハーレーの活動に、企業の社会的責任とは何か、
本当のCSRとは何か、という本質を感じましたので、
あなたにシェアをしたいと思います。
ハーレーは様々なCSRの取り組みを行っており、
詳しくは下記のWebサイトをご覧頂ければと思いますが、
例えば次のようなものがあります。
1.飲酒運転撲滅に向けた取り組み
ハーレーは、顧客との絆を深めるイベントを積極的に
行っているのですが、そのイベントの中で、
「YES! グッドライダー・NO! 酔っぱライダー」宣言
といって、顧客が飲酒運転防止に署名をし、その誓いの
乾杯をノンアルコールシャンパンでとり行うような活動
を行っています。
2.完全無料のリサイクルシステム
通常廃棄すれば費用のかかるところ、ハーレーでは、
店頭に持ち込めば完全無料で引取りをしてくれます。
顧客にとっては、自分で廃棄するよりよほど利便性が
高いものであるにも関わらず、未だリサイクル申込は
”0件”だそうです。(2005年スタート)
3.リコール対策実施100%実現に向けた取り組み
ハーレーダビッドソンジャパンのリコール対策実施は、
1989年以降に公表されたすべてのリコールを対象とし、
回収率が100%になるまでシステムで追跡をし続けて
いるそうです。
企業の社会的責任を、本業とは離れた社会的貢献や、
企業イメージの向上を図る活動として捉えられている
のをしばしば目にしますが、
企業が果たすべき、最も中心的な社会貢献とは何で
しょうか?
それは、
紛れもなく事業を通した社会貢献をすることであり、
顧客を正しい方向へ導くこと、顧客を守ることです。
顧客を事故から守る、
顧客がリサイクルしやすいよう環境を整備する。
ただし、楽しく。
ハーレーのCSR活動は、その基本理念に忠実に即した
ものです。
ビジネスとは、元来が事業を通した社会貢献活動
であり、何も本業を外れたところでなくとも、
このように本業の中で「顧客を守ること」を
突き詰めていく先に実現することができるものであり、
それこそが顧客との絆を作っていくのです。
一度、あなたの会社のCSR活動を確認してみてください。