「マーケティング」危機をチャンスに変えて売り上げを上げるには?
リーマンショックの世界同時不況以降の話です。
世の中、「不景気、不景気」と言われていました。
その不景気の煽りを受け、店をたたむ企業も後を絶ちません。
「連続赤字で不安」
「従業員に給料を払うのも苦しい」
「一体、どうしていいのかわからない」
多くの経営者にとって、売上の悩みは永遠の課題です。
しかし、世間には、不景気にもかかわらず、
売上を上げ続ける、一握りの企業が存在するのをご存知でしょうか。
景気の悪さなど微塵にも感じさせない経営状態を維持する企業。
景気が悪いからこそ、ますます売上を増加させている企業。
あなたも、このような企業に、
思い当たる節がございませんか?
不景気に苦しむ企業と、
不景気に強い企業との差は、一体何なのか?
1つ、私の身近で起きた例がありますので、
ご紹介させて頂きます。
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災い転じて福と為す。不景気に更に儲ける人の秘密
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数年前の話です。
私は、宮崎県出身なのですが、
宮崎の私の故郷に、2つの米屋がありました。
2つとも、何の変哲もない、
普通の町の米屋です。
しかし、宮崎の小さな田舎町にも、
不況の波は押し寄せていました。
「商品が売れない。」
これまで顔なじみだった飲食店の店長や
近所の奥さんからの注文が無くなった。
売上が思う様に上がらず、これから先、
ますます苦しい生活になる事が予想された時・・・
一方は、何も出来ず、これまで通りの経営を続けていました。
そしてもう一方は、ある行動にでました。
結果として、前者は不況に負け、
後者は、莫大な利益を得ました。
成功した米屋がとった行動とは、
いったい何だったのでしょうか?
結論から言います。
莫大な利益を出した後者の米屋がとった行動。
それは、農家から仕入れた米をもとに、造酒を始めたのです。
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もし、あなたがお酒が好きなのでしたら、ご存知かもしれません。
宮崎県は、造酒、特に焼酎の生産が盛んです。
全国の居酒屋のドリンクメニューには、必ずといっていい程、
宮崎産の焼酎が並んでいます。
当時、宮崎県は、東国原知事が、
全国的に宮崎県の名産物をPRし始めていました。
彼は、それに便乗するように、
オリジナルブランドで米焼酎を造り、
インターネット上で、米と一緒に、焼酎の販売を始めたのです。
結果として、焼酎の売り上げが米の売上を上回るようになり、
今では、彼は、酒造元として焼酎を売っています。
彼が、危機をチャンスに転じ、
莫大な利益を得る事が出来た理由。
その最も大きな理由は、
【新しい視点を見つけた】という事でしょう。
まず、自分の抱えていた米という商品を、
焼酎という新しい形に変え販売した事。
また、ウェブ上で販売する事で、地理的な拘束を抜け出し、
全国規模での販売に成功した事。
「田舎の小さなお米屋さん」から、
「おいしいお米もある、全国発送対応の酒造元」
というように変わった事で、
これまでの狭い市場から抜け出す事が出来たのです。
実は、不況に勝てなかった米屋はと言いますと、
行方不明となり、今でも見つかっていません。
新しい視点を持っている事と持っていない事では、
本当に悲劇的な差が生まれます。
「災い転じて福と為す」と言います。
経営危機の裏側には、常に、
逆転満塁ホームランのチャンスが隠されているのです。
そのチャンスを呼び起こす新しい視点。
これは、ひょっとすると、本当に追い詰められた時、
本当に苦しい時に、そして、本当に真剣な時にこそ
見えてくるものなのかもしれません。
「不景気だからこそ、差別化ポイントが浮き彫りになる」
「不景気だからこそ、よりお客様に利用して頂ける」
「不景気だからこそ、他社を差し置いて、よりお客様が集まる」
既成概念にとらわれない事。
常に、新しい視点を持ち続ける事を心掛けて頂ければと思います。