産業革新機構がシャープに対する支援で前のめりになる展開
2016/09/26
~これを読めばマーケットとそれを取り巻く国内外情勢のツボが分かる~
⇒“今日の焦点”はズバリ:
「産業革新機構がシャープに対する支援で前のめりになる展開」です。
⇒その理由は……:
─「下げは上げのためであり、上げは下げのためである」
マーケット、そして森羅万象から宇宙までをも貫く復元力の原則です。
─大事なのはこれを私たちの生活空間全てが当てはまるということです。
経営においても全く同じです。
─調子が悪ければ必ずその後、「上がる」のです。
過度な悲嘆は不要です。
─それに対して調子が良い、特に良過ぎることの方が危険なのです。
なぜならばその後、必ず「崩落」が待っているからです。
─ところが調子が良いと私たちは一切その真逆への備えをしない。
したがって崩落へと転じた瞬間に、大変な騒ぎになるわけです。
─「上げ」と「下げ」は必ず交互にやってきます。
それを阻んでしまうと、後で大変なことが起きます。
─元も子もなくなるのです。
全てを失いたくなければ・・・復元力の原則にむしろ添うべきです。
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我が国で産業革新機構がシャープへの支援で前のめりになっています。
中国系企業が名乗りを上げているからです。
シャープを守らなければならない理由はただ一つ。
表向き知られている液晶技術ではありません。
同社がデジタル複合機の技術を持っているからです。
そしてこのデジタル複合機における能力こそ、我が国経済の柱なのです。
米国がデジタル化を世界中で開拓者の様に進めていく。
その後ろをついていくことで莫大な収益をあげてきた我が国。
その際のツールがこのデジタル複合機なのです。
そこで一つの柱がシャープなのです。
仮に中国系企業に買収されてしまえば何が起きるのかはすぐに分かります。
我が国の関連技術を持つ複数社があっという間に価格競争に巻き込まれます。
だからこそ「国の出番」ということなのです。
しかし・・・本当に良いのでしょうか?
経営者が最終的には全く責任をとらないモラル・ハザード。
これが避けられなくなるのは目に見えています。
「ウチも支援してくれ」と各社が殺到する瞬間が来たらどうなるのか。
そこで国が「これ以上は無理」となって支援を拒否したらどうなるか。
我が国国家財政を巡る“その時”の到来が近いだけに、想定しておく必要があります。
シャープ一社だけの問題ではないのです。
このままでは事態はもっとひどくなります。
「モラル・ハザードの国・ニッポン」がさらに深刻化します。
どこまで堕ちるのか、日本。
その先の急浮上のために、どこまで犠牲を払うことになるのでしょうか。