スイスが1000フラン札を維持との報道
2016/09/26
~これを読めばマーケットとそれを取り巻く国内外情勢のツボが分かる~
⇒“今日の焦点”はズバリ:
「スイスが1000フラン札を維持との報道」です。
⇒その理由は……:
─「人の行く道の裏に咲く花あり」という有名な言葉があります。
リコーの創業者である市村清が好んで使った言葉です。
─これはマーケティングの基礎理論にかなっています。
「大勢が望むもの」はトレンドとしては既に“終わり”なのです。
─そうではなくて、「未だ誰も目を付けていないもの」こそが明日への種に
なるわけです。そのことを優れた創業経営者たちは知っています。
─同じことが国家戦略についても言えます。
枠組みが与えられてから動く我が国のような国家が一方であります。
─他方ではそうした枠組みそのものを創る国家も存在するのです。
そしてその動きは一見するとやや奇怪に見えます。
─しかしそうであるからこそ、注目すべきなのです。
なぜならば「将来起きること」という意味での潜像が見えるからです。
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スイスが高額紙幣である1000フランの紙幣を存続させています。
ユーロ圏とは真逆の動きに注目が集まっています。
マイナス金利策をとる以上、高額紙幣は不都合なはずなのです。
預金が現金化されても、胎蔵されてしまう危険性が高まるからです。
ところがスイスはあえてそれを称揚する動きに出ているのです。
なぜでしょうか。
考えられるのは「スイス・フラン」が強烈に求められる瞬間を想定している
可能性があるということです。
そこでの“圧勝”を画策している。
そう考えるならば、納得が行く動きなのです。
ところが「そうである」とは決して言わないこともまた事実なのです。
真の国家戦略とは正にこういうものです。
「人の行く道の裏に咲く花あり」
胸に刻み込んでおきたいものです。
明日の我が国、そしてパックス・ジャポニカのためにも。