「突然死」したVIXベア投信 (2)露呈したNISAの弱点
2019/01/28
恐ろしい話が連日続きます。
今日は、NISA最大の弱点が露呈してしまったという話です。
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早期償還が決まったVIXベア投信。
野村証券の資料によれば、
それをこのまま放置して償還を迎えてしまうと損益通算すらできないそうです。
たとえば「VIXベア投信で100万円の償還損が出て」
「別の株式・ETFで100万円利益を出した」場合、
「合算して税金なし」とは行かず利益を出した方に税金をかけられるということです。
しかし2月16日までに売却すれば、
損益通算できるようになります(NISAで買っていた場合を除く)。
これが本当なら、個人投資家は期日までに売らないとヤバいことになります。
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http://fs.magicalir.net/tdnet/2018/2049/20180208467329.pdf
・償還により生じた損失については、
上場株式等や特定公社債等の譲渡益との通算はできません。
譲渡損失の繰越控除(3年間)の適用もありません。
(なお、確定申告を行うことで未上場株式等や一般公社債等の
譲渡益と通算することができます。)
・東京証券取引所の最終売買日(平成30年2月16日)までに
証券会社を通じて市場売却した場合に生じた損失については、
上場株式等や特定公社債等の譲渡益との通算ができます
(NISA口座で保有している場合を除きます)
一方、市場売却をせず、償還金をお受け取りになられる場合は、
償還により生じた損失は上場株式等や特定公社債等の譲渡益との通算ができません。
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投信の税制は、昔からややこしいものでした。
というのも現金化の方法として
1. 売却
2. 解約・償還
3. 買い取り請求
などの種類があり、それぞれに税制が違っていたからです。
そのおかげで2002年まで「外国籍契約型投信の売却益は課税なし」
という裏技がありました。
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2003年からの証券税制では少しスッキリするかと思いました。しかし
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- 投信の解約・償還で損失が出た場合は、株式の売買益と相殺を認める。
- しかし逆に投信で利益が出て株で損した場合は損益通算不可。
- さらに投信同士の損益通算も不可。
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という、複雑怪奇なルールができました。
調べても考えてもわからないので、
私は考えることをやめて株やETFしか触らないことにしました。
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2016年からの投資税制では、
投信は株の税制と全く同じになると思い込んでいました。
しかし売却と償還で税制が違うとなれば、
まだどこかに違いが残っているということになります。
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私はいまだに混乱しています。
前出リンクの
「確定申告を行うことで未上場株式等や一般公社債等の譲渡益と通算することができます」
が本当だとすれば、本来は
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上場株式等(上場株・公募株式投信・公募公社債投信・特定公社債)
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の課税グループだったETNが、償還させた瞬間に
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一般株式等(未公開株・私募株式投信・私募公社債投信・一般公社債)
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の課税グループに早変わりすることになります。
現金化の方法で課税グループが変わることなんてありえるのか? と思います。
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この課税グループの分類・特性については、以下を参照のこと
「ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金篇2016」
*電子書籍をお薦めします。
http://amzn.to/2nlOcuG
第8章 2016年税制改正とその影響
第3節 主目的は「債券の非課税枠廃止」
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しかし一方で、同じ野村證券のウェブサイトには、
「(ETN)償還金の受取時の差益(譲渡益)については、
上場株式等の譲渡損と損益通算が可能」
と書いたページがあります。
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http://nextnotes.com/trade/index.html
償還金の受取時
償還金の受取時の差損(譲渡損)については、確定申告により、
上場株式等の譲渡益および上場株式等の配当等
(申告分離課税を選択したものに限る。)と損益通算が可能です。
また、償還金の受取時の差益(譲渡益)については、
上場株式等の譲渡損と損益通算が可能です。
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いったい、どちらが本当なのでしょう?
私ならどちらにしても16日までに売ると思います。
手数料はかかってしまいますが、
万が一にも損益通算が認められなくなると痛すぎるからです。
このリスクにまだ気付いてない人がいたら、ぜひ教えてあげてください。
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それにしてもかわいそうなのは、NISAでこれを保有していた人々です。
こちらは売却しようが償還しようが損益通算できません。
しかしこれも著作の中に
「NISAには着実に値上がりが狙える銘柄を入れるべし」
と書いておきました。
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「ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金篇2016」
*電子書籍をお薦めします。
http://amzn.to/2nlOcuG
3. NISAには着実に値上がりが狙える銘柄を入れる
預金以外の投資は、まずNISAや401Kなど非課税制度を活用する。
そこには比較的安全で、
長期的な値上がりが期待できる商品を入れる(たとえば新旧バフェット銘柄など)。
期間が5年ではなく恒久化されたら、複利の威力は絶大なものになる。
当たり外れの大きな銘柄をNISAに入れるのは、
銘柄選択にかなり自信のある上級者に限る。
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実はNISAには、2つの大きな弱点があります。
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1. 期間が限られている
2. 損益通算できない
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このため、選択する投資商品の特性が意外と限定されているのです。
VIXベア投信は着実な値上がりが続いていたため、
「安定した商品」と思っていた人は多いでしょう。
しかしそれでは、高配当に惑わされて資産を失ってしまうのと似ています。
弊社の情報をチェックしておけば、
そのような「地雷」を踏む確率は下がると考えます。
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参考のためワイルドインベスターズ投資ブログをご覧ください。
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