消費税引き下げへ地ならしを
2019/01/28
第255号で書いた、「安倍首相は消費税引き上げをイヤがっている」という仮説が信憑性を帯びてきました。
「国際金融経済分析会合」で、2人のノーベル賞経済学者が「増税先送り」を進言したそうなのです。
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3月16日には米コロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授が。
22日には米プリンストン大学のポール・クルーグマン名誉教授が。
ともに「日本は消費税率アップを今やるべきではない」と強く述べました。
これらは偶然ではなく、安倍首相が自分の政策を根回しするために彼らを呼んだのではないかと言われています。
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消費税を8%に上げたとき、安倍首相は景気が悪くなるのではと心配したそうです。
ブレーンである浜田宏一・米イエール大名誉教授も反対しました。
しかし財務省や、それに親しい麻生氏・谷垣氏あたりは予定通り増税を進言したとのこと。
「増税しても大きな影響はない」
と言われたそうです。
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しかし増税してみると、GDPは2四半期連続でマイナスになるなど「リセッション」に陥りました。
個人消費はサブプライムショック並みの落ち込み。
それでも政府・日銀は「景気は緩やかに拡大している」と言い張りました。
「ちょっとばかり冴えないのは、海外のせい」
しかし今年に入ってから日銀が突然、マイナス金利を導入。
景気見通しもトーンダウンしました。
消費増税の誤りを認めないまま、金融政策にしわ寄せさせる政策を始めたのです。
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安倍首相は「私の責任において消費税を8%に上げる」と言い切りました。
今となっては忸怩たる思いなのでしょう。
「あいつらに騙された」と思っているのかもしれません。
しかし最終決定者は様々な意見を考慮して決める人です。
反対者も大勢いたのですから、やはり安倍首相の責任なのです。
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1997年に消費税を3%から5%に引き上げた故・橋本龍太郎元首相は、3年後にこんなことを言ったそうです。
「私は97年から98年にかけて緊縮財政をやり、国民に迷惑をかけた。
私の友人も自殺した。本当に国民に申し訳なかった。これを深くお詫びしたい」
このことは、安倍首相も知っていたと思います。
知っていてやったのですから、やはり安倍首相の責任なのです。
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しかしこれをもって、安倍首相は辞任すべきとは思いません。
誤りがわかったなら、正せばよいと考えるからです。
それを選挙に利用しても構いません。
憲法改正よりずっと歓迎されるでしょう。
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何度でも言いますが、消費税は貨幣経済を破壊する「悪魔の税制」です。
取引に罰金をかければ、人々は役割分担をやめて自給自足を目指します。
それでは産業が発展しません。
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消費税で喜ぶのはタックスイーターだけ。
産業を発展させることも、中間層を育てなくても、税率を上げるだけで自分たちにカネが入って来るからです。
しかしそれが続くと、国は衰退します。
民間人が死に、企業が死に、最後は国が潰れます。
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「8%に凍結」というのは、安倍首相が相手の出方をうかがっているからと考えます。
しかしそれでも重い負担なので、景気は回復しません。
そこで次に「5%に戻したいので選挙をやる!」と打ち出してみてはいかがでしょう。
消費税は一刻も早く廃止すべきですが、少し下げるだけでも偉大な一歩です。
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ワイルドインベスターズ株式会社