米中冷戦シフト (1)ティラーソン解任で武力行使圧力高まる
2019/01/28
これは2月14日に会員さん向けにメールした
投資戦略アップデート(20180214)[特別] ティラーソン解任で武力行使の準備整う
を加筆修正したものです。
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昨夜(2018年3月13日)の米国株は続落。
トランプ大統領が
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1. ティラーソン国務長官を解任
2. ブロードコム(AVGO)によるクアルコム(QCOM)買収を国防上の理由で禁止
3. 中国からの輸入関税の対象規模について、通商代表部の提案を上回る対象規模を指示
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したことなどが嫌気されたと説明されています。
しかしそれらの意図は極めて明確で、一貫性があります。
「トランプが世界平和をブッ壊している!」
という誘導に惑わされないよう、注意してください。
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「1. ティラーソン国務長官を解任」
これについては、ずっと噂がありました。
トランプ大統領が北朝鮮に対して圧力をかけようとしても、
氏が「まだ外交でやるべきことがある」と遅らせて来たのです。
北朝鮮・韓国コンビの時間稼ぎ戦略に対し、
実質的に「米国側の協力者」となっていました。
解任の理由は表向き「核合意を含むイラン政策で意見の違いがあった」
とのことですが、事実は「時間稼ぎができなくなったから」だと思います。
後任はCIA長官のポンペオ氏とのことですから、
その準備が整うまで待っていたのでしょう。
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トランプ大統領が5月の米朝首脳会談を受けたのち、
北朝鮮は5日間も反応していません。
もしこれにティラーソン氏が絡んでいたのだとすれば
「また騙されたのかよ!それともわざとやっているのか?」
と疑ったことでしょう。
私の想像は以下の通りです。
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韓国特使は金正恩氏から
「核廃棄のことを言わないなら、トランプ大統領と会っても良い」と言われた。(3月5-6日)
もともと北朝鮮の望みは
「対等な核保有国同士として米国と交渉を行う」ことなので、当然。
韓国特使はそのまま米国に渡り「核廃棄のことを言わないなら」
という条件を黙って首脳会談を持ちかけた。(3月8日)
韓国側としてはとにかく時間を稼ぎたいので、ズレた期待を双方に持たせたということ。
米国は武力行使することなく非核化できればベストなので、疑いながらも受け入れた。
しかしトランプ氏がツイッターで
「金正恩氏は単なる核開発の凍結ではなく、非核化について言及している」
「ミサイル実験もこの時期にはない。大きな進展だ」
「会談は計画中だ!」
「正式に非核化に合意するまで制裁は続ける」
と書いてしまった。
これに北朝鮮が驚く。
「おいっ、韓国特使! 核廃棄は話題にしないことが条件だって言っただろ!」
「『正式に非核化に合意するまで制裁は続ける』って、
春窮の時期にますます苦しくなるじゃねえか」
「トランプ大統領と会えば、核廃絶までの期限を設けられてしまう」
「それを断ったら武力行使だよな」
「どうすんだよこれ。進めちゃマズイだろ…」
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かくなる上は何か理由をつけて会談をキャンセルし、
「まだ話し合いは終わっていない!」とお仲間に騒がせるしかありません。
しかしティラーソンが去り、
時間稼ぎに協力する人間が米国側にいなくなってしまったのです。
米国は着々と武力行使に進んでいると解釈すべきでしょう。
もちろん北朝鮮も、ティラーソン解任に込められたメッセージを受け取ったと思います。
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「2. ブロードコム(AVGO)によるクアルコム(QCOM)買収を国防上の理由で禁止」
通信・メディア・教育などを他国に乗っ取られないようにすることは、国防の基本です。
この買収を認めたあと、
ブロードコムがたとえば中国企業やロシア企業に買収されたら面倒なことになるからです。
「米中冷戦」に勝利すべく、相手の手を読んで対応しているのです。
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「3. 中国からの輸入関税の対象規模について、通商代表部の提案を上回る対象規模を指示」
これも弊社がいつも述べているように、「米中冷戦」の一環。
鉄鋼・アルミ関税はその第一歩にすぎません。
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日本にもそれに呼応した動きがあります。
工場の配管などに使われる中国と韓国産の一部の鉄鋼製品に対し、
反ダンピング(不当廉売)関税を課すとのこと。
関税率は最大で7割程度となりそう。
確かにこれをやらないと、
日本を経由して中国・韓国製品が米国に流れて来ることになります。
したがってこのニュースは
1. 日本が近々、米国の鉄鋼・アルミ関税の適用除外となること
2. 米国の鉄鋼・アルミ関税は中国・韓国
・ロシアをターゲットにしているという仮説の「答え合わせ」
を示しています。
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トランプ政権の意図は極めて明確で、一貫性があります。
それは「米中冷戦に勝利する」こと。
当然、中国・韓国・北朝鮮・ロシアはその邪魔をしてきます。
「トランプは世界に貿易戦争を仕掛けている!」
「世界の平和を乱しているのはトランプだ!」
などという、目くらまし報道に惑わされないよう注意してください。
(終)
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