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週末だけのグローバル投資コラム

米株上昇が長引く理由 (1)家計も企業も、借金が少ない

2019/01/28

6月は米ハイテク株やNASDAQ指数が調整しました。

ゴールドマンのアナリスト、ボロエルディ氏が分析するように

「大型ハイテク株に偏った米株上昇」に対する警戒感が広がったからです。

6月のセミナービデオや7月上旬のレポートの時点では、
弊社も「この調整は長引くだろう」と考えていました。

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しかし今月に入ってそれらは、相対的な強さを取り戻しました。

NASDAQ指数やSP500指数は史上最高値を静かに更新し続けています。

会員さんには先週の途中で「調整終わったよ」とメールし、戦略を変更しました。

おかげで今までのところ、反発の波に乗ることができています。

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こういった米株の強さはどこから来ているのでしょう?

ひとつの理由は「米企業も家計も、借金が少ないから」です。

借金が少なくて現金が多ければ、
株が下がったところでは買う余力がある人が拾ってきます。

企業も積極的に自社株買いを行って、
ひと株あたり利益(EPS)を押し上げようとします。

下げたところを買おうとする人々が多いため、
株価はボラティリティが低いまま高値を更新し続けます。

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そもそも、家計や企業の借金(レバレッジ)が
高い水準に達していないと不景気のサイクルに嵌りにくいです。

借金を返すために資産を投げ売りする「信用収縮」が加速しないからです。

景気が少しスローダウンすると、
インフレ率が下がってちょうどよい「湯加減」になります。

カネが余っているので、株が上がります。

それでまた投資や消費が回復するのです。

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現在の米国名目GDPは約19兆ドル(約2100兆円)。

家計債務はその約8割。

企業債務は約7割。

合計150%はサブプライムショック前の170%から下げ、
ようやく上がり始めたばかり。

レバレッジの水準を落とす「デレバレッジ」の時期が、
終わったばかりなのです。

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企業債務は水準こそ上がっていますが、
名目GDP比ではそれほど伸びていません。

約14兆ドル(非金融機関だと8.5兆ドル)と言われています。

サブプライムショックショック以降、米企業は手元の現金を増やしました。

ひと頃より減りましたが、それでもまだ0.5兆ドルぐらいはあるようです。

それから問題になっている企業の海外内部留保が約2.5兆ドル。

海外内部留保が昔からどれぐらいのレベルにあったのかはわかりません。

しかし計3兆ドルの「貯金」があるとすると、
企業債務はかなり健全なレベルに抑えられていると考えて良いでしょう。

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一方、家計の可処分所得のうち利払いが占める割合は約10%。

これはサブプライムショック前の13%超から下げたきりで、
ピクリとも上がっていません。

ドットコムバブル前1993年の10.5%よりも低い水準にあるのです。

キャッシュインフローがおかしくならない限り、健全だと言えるでしょう。

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もちろん、世の中は何が起こるかわかりません。

健全な借り入れ水準に見えても、
働き口がなくなったり会社の売り上げが急減すればいきなり窮地に陥ります。

しかし米国経済を見る限り、その兆候はほとんどありません。

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逆に「値頃感」「警戒感」を理由に株を売ってしまうと、
どこまでも踏み上げられます。

これがバブル相場前半の怖さです。

みなが不思議な思いをしながら、
株価がジリジリ高値を更新し続ける様子を眺めているのです。

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