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週末だけのグローバル投資コラム

スタグフ円安の足音 サッチャーも消費増税で英国を衰退させた

2019/01/28

1980年代に米国のレーガン大統領が行った「レーガノミクス」と同時期に、
英国のサッチャー首相も改革に踏み切りました。

その名は「サッチャリズム」。
競争力の低下、スタグフレーションにより「英国病」と呼ばれた頃の話です。
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サッチャリズムの骨子は以下の通りです。
1. 社会保障支出の拡大は継続
2. 規制緩和
3. 水道、電気、ガス、通信、鉄道、航空など国営事業の民営化
4. 所得税減税。一方で付加価値税(消費税)をアップ
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これは一見、レーガノミクスに似ています。

しかしレーガンは国民に対しても減税をしましたが、
サッチャーは付加価値税をアップをしました。

消費税には、中低所得者ほど負担が重くなる「逆進性」があります。
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その結果、庶民の富が吸い上げられて大企業や富裕層に流れました。

英国の中産階級は疲弊し、壊滅しました。

教育やイノベーションの基盤が消滅し、産業は衰退しました。

金融市場を開放したところ、ほとんど外資に占領されました。

外国人にとっておいしい「草刈り場」になったのです。

今の英国は海外からの投資と技術に頼るようになっています。

EPS(ひと株あたり利益)も下げ続けており、
産業革命をリードした頃の面影はありません。
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サッチャーによれば付加価値税(消費税)をアップしたのは、
「国民に勤勉と倹約と促すため」だそうです。

そんなわけがありません。

選挙で負けるとイヤだから「取りやすいところから取った」と考えるのが実情でしょう。
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そして格差が広がることに対しては「民間の努力を期待した」そうです。

ホンマかいな、と思います。

放っておけば格差が広がるばかりの資本主義で政府が所得再分配をやめたら、
原始資本主義に逆戻りです。

英国の衰退をサッチャーだけのせいにするつもりはありません。

しかし私には、サッチャリズムは「中産階級を潰し」にしか見えません。

そして政策通りの結果を得たように思えます。

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翻ってわが日本。

消費税は逆進性があり、中低所得者層の負担が大きいです。

そこから配分を受けるのは上流階級と下層階級。

足し引きすると「中産階級のひとり負け」。

そもそも消費税を導入して25年が経っても、日本経済は全く成長していないのです。
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そしてTPPなどで外資や外国人に市場を開放します。

外国で勝負できる一部の企業にはチャンスでしょう。
しかしそうでない人々は、市場や職場を外国人を争うことになります。
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格差拡大への対策は「企業に賃上げをお願いする」だけ。

経営者がそんなことを自主的にやる可能性は限りなく低いです。

雇用を増やし賃上げして欲しかったら、そうしたくなるような政策を出すべきでしょう。
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1982年にフォークランド紛争で勝利し高い支持率を得たサッチャーも、
1990年には退陣しました。

人頭税導入を提唱したことや、景気低迷への反発があったと聞きます。

外交で稼いだポイントも、生活を破壊された人々の恨みには勝てません。
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安倍政権の経済政策は危険な組み合わせです。

このままでは税を負担し高等教育を支える中産階級が壊滅するからです。

大企業・富裕層・外国人ばかりを優遇し、後世に恨みを買いそうなことばかりやっています。

早く消費税を廃止しないと、サッチャーと同じ失敗を辿ることになるでしょう。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ワイルドインベスターズ株式会社

 

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