パナマ文書が与えるインパクト (3)米国による報復か
2016/09/25
パナマ文書流出の裏には、米国の意図があると私は考えています。
具体的に言えば
「スノーデン事件」
「南シナ海埋め立て基地」
「AIIB」
「第二パナマ運河」
その他もろもろの反米活動に対する報復でしょう。
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なぜなら
- パナマはもともと、米国の保護領
- パナマ文書は昨年から調査されていたようだが、
突然プーチンや習近平への攻撃ネタとして使われ始めた
- AIIBに参加した欧州諸国まで大やけど
などの状況証拠が揃っているからです。
これが偶然とは思えません。
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パナマはもともと、大西洋と太平洋をつなぐパナマ運河を作るため
米国がコロンビアから1903年に独立させた国です。
1999年に運河地帯の主権がパナマに返還されて独立色を強めましたが、
いまなお米国の強い影響下にあります。
他のタックスヘイヴンではなく、パナマというところに意味があるのです。
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そしてパナマの側にも、米国に協力する大きな理由があります。
というのも中国が第二パナマ運河をニカラグアに作ろうとしているからです。
表向きの理由は「パナマ運河の混雑解消のため」と中国は言いますが、
米国に対抗して大西洋への通路を独自に作ろうと考えていることは明白。
これは米軍という虎の尾を踏んだも同然です。
パナマとしてもライバルができれば通行料収入が激減するので、
なんとしてもこのプロジェクトを潰したいところでしょう。
そのためにスポンサーである中国が弱るのは大歓迎なのです。
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次に、その報道のされ方です。
第一報ではプーチンや習近平がまるで横領や脱税しているかのような報道のされ方でした。
しかしこれが事実なら、もっと裏を固めて逃げられないようにしてから出してくるはず。
逆に言えば確たる証拠がつかめなかったので、
「揺さぶりをかけて自滅を誘っている」
「5月になってリストの完全版が出る前に印象操作を行った」
と考えるのが普通だと思います。
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習近平氏やプーチン氏の周辺者がタックスヘイブンで租税逃れ?
メッシ選手やジャッキー・チェンさんも…報道機関連合が内部文書検証
「パナマ文書」問題、アイスランド首相が辞任へ
産経ニュース2016.4.4 19:29
http://www.sankei.com/world/news/160404/wor1604040040-n2.html
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このあたりの意図は、中露ともに理解しているようです。
中国は「パナマ文書」関連の報道や検索を禁じました。
政府高官が公金を持ち逃げするお国柄なので、本当にヤバいのでしょう。
これは中国らしい対処ですが、実はかなり危険です。
誰にも実体がわからないとなれば、デマを飛ばし放題になります。
米国側はさまざまな憶測を流して、中国を揺さぶりにかかるでしょう。
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ロシア大統領府は「パナマ文書はプーチン氏の信用失墜が目的」と切り捨てています。
私の個人的な印象では、プーチン氏は海外に蓄財することで
安全が確保できると考えるような人物ではないと思います。
ロシア国内にいくらか資産があるかもしれませんが、
この件に関してはおそらく白でしょう。
これをネタにロシアを叩こうとしたが、プーチンの旧友ぐらいしか
名前が出てこなかったというのが実情だと思います。
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欧州諸国はパナマ文書流出を受けて、「調査する」と言っています。
ただでさえ国民の不満が高まっているのに、
政治家・大企業・富裕層がインチキをしていたとなれば大変です。
しかし欧州は真っ黒くろすけなので、調査したフリをしてお茶を濁すこともありえます。
FIFA(国際サッカー連盟)の汚職も自分では手を付けられず米国が始めたのですから、
今回の「調査」とやらも推して知るべしというところです。
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しかしAIIBへ参加したことへの報復で、
米国から厳しいお灸を据えられる人が出てきてもおかしくありません。
たとえば英国のキャメロン首相はこれまで
「自分自身や家族が将来に渡ってタックスヘイブンの資産から利益を受けることはない」
と言っていました。
それがしばらくすると一転して
「父親がタックスヘイブンに設けたファンドに投資し、
首相に就任する直前に売却して300万円程度の利益を得ていた」
ことを認めました。
キャメロン首相は嘘をついていたことになり、
政権にとって打撃であることは間違いありません。
パナマ文書が米国による報復なのだとしたら、
これからも似たようなことが各国で起こるはずです。
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