異次元緩和の行き詰まり (1)すべては消費税引き上げのために
2019/01/28
日本がホスト国としてG7首脳を招待した伊勢志摩サミットが終わりました。
力による現状変更に対し、「法の支配」を中心に先進自由主義諸国が
結束したことは良いと思います。
しかし日本が目論んだ、「協調財政政策」は拒絶されました。
この一連の出来事は、異次元緩和が限界を迎えたことを安倍政権・
黒田日銀が自覚していることを示しています
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サミットで採択された首脳宣言は「新たな危機に陥ることを回避する」ため、
各国が協調するとの姿勢をアピールしました。
しかし安倍晋三首相が主張した「リーマン・ショック前に似ている」
とする景気認識は共有されませんでした。
各国は「今は危機ではない」と反論し、財政出動に対する慎重姿勢を崩しませんでした。
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これは当たり前の話です。
米国は利上げするほど景気が良いです。
欧州はデフレと移民で死にそうですが、
それなりの経済成長をしています。
マイナス成長の瀬戸際で苦しんでいるのは日本だけ。
自分のエラーで景気を腰折れさせているだけなのに、
共感を得られるわけがないのです。
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安倍首相はサミット前に欧州を歴訪し、
各国に財政出動の必要性を説いて回りました。
この意図は明白です。
「日本は財政出動したくないから、あんたらがそれをやって世界の景気を支えてくれ」
と言っているのです。
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しかしデフレから脱却してもいないのに、
消費税を引き上げて景気を腰折れさせたのは安倍政権と黒田日銀。
他国がその尻拭いをする筋合いはありません。
やんわりと断られただけラッキーで、心の底では軽蔑されていることでしょう。
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異次元緩和は良いアイディアでしたが、
残念なことにそれは消費税引き上げのための道具でした。
景気がどんなに悪くても、消費税を上げて日本経済を破壊したい人々がいます。
日本人のほとんどが下層階級に落ちても、
自分だけは特権階級でいたい人々がいるのです。
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安倍首相は消費税の恐ろしさを感じ始めています。
消費税の再引き上げ延期を言い出しました。
しかしこれも眉唾です。
期待だけ持たせておいて、7月の選挙が終わったら
「なかったことにされる」可能性があるからです。
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いくら安倍首相が消費税引き上げをやめようとしても、
それを許さない人々がいます。
黒田総裁は安倍首相と共通の利益を探りながら、
出身母体である財務省の意向を受けて動いています。
消費税再引き上げを巡っては、安倍首相と黒田総裁の間に
隙間風が吹く可能性は高いです。
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