米中冷戦シフト (5)朝鮮半島の非核化宣言、何度目の茶番か
2019/01/28
韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が27日、会談を行いました。
署名された「板門店宣言」では
「完全な非核化を通じ、核のない朝鮮半島の実現を共同目標にする」
「朝鮮戦争(1950-53年)の終戦を年内に宣言し、休戦協定を平和協定に転換する」
と宣言しました。
しかしこれで安心している人は、ほとんどいないと思います。
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韓国の大統領は左派で北朝鮮に近い人ほど、このような会談を持つことができます。
金大中(2000年)
盧武鉉(2007年)
文在寅(2018年)← New!
それらの時期は
- 北朝鮮側が困っている
- 韓国側は何か功績を挙げたいと焦っている
ことが多く、大胆な歩み寄りや援助が世界に向けて発表されます。
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しかし援助が終わると約束は反故にされ、「食い逃げされた」形になります。
非核化も統一も、進展したことはありません。
その目的が時間稼ぎ・資金稼ぎであることを、韓国側も理解した上での行動です。
何十年もの間にそれを繰り返して、今の状況を招いたのです。
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北朝鮮は「核放棄」ではなく、「朝鮮半島の非核化」を唱えています。
「自分は核を捨てる」と言っているのではなく、「在韓米軍は出て行け」という意味です。
「一時的に核を捨てるふり」と引き換えに、米軍が撤退してくれたらしめたもの。
核ミサイル開発はいつでも再開できますし、査察も追い出せます。
これまでの実績が、それを物語っています。
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北朝鮮の核開発停止宣言は、過去5回ぐらいやっているはずです。
そうやって時間と援助を得て、忘れた頃に再開します。
あなたの禁煙やダイエットぐらい、あてにならない宣言なのです。
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しかし米国サイドはすっかりお見通しです。
今週トランプ政権は、駐韓大使としてハリス太平洋軍司令官を指名しました。
ポンペオ国務長官とボルトン大統領補佐官だけでもキツイのに、
こともあろうに駐韓大使に日系の軍人を起用したのです。
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同職はトランプ政権発足から1年以上も空席になっており、
米国と韓国の関係を象徴していました。
ビクター・チャ氏が内定したという噂がありながら、
今年に入って立ち消えになっていました。
これも韓国に対する疑惑の目がよく現れています。
「韓国は北朝鮮の仲間だから、そのつもりで対応する」と言っているのです。
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「核廃棄をしなければ武力行使」という米国の路線は変わっていません。
シンパたちが盛り上げる雪解けムードや倒閣運動とは裏腹に、
それ以外の選択肢がなくなりつつあるのです。
彼らとすれば、こうして時間を稼ぐ間に「トランプ降ろし」「安倍降ろし」
実現しなければなりません。
そうでなければ米朝首脳会談を直前にキャンセルする以外になくなるでしょう。
(終)
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