米金利上昇+ドル高の引力 (2)今回は妙に強い中南米諸国
2019/01/28
「米金利上昇+ドル高の引力」は強力です。
普通に考えるなら、新興国から資金を引き揚げて米国にシフトするはず。
すると米国では通貨高+株高。
新興国では通貨安+株安。
新興国は資金を海外に頼ることが多いので、
危機に陥ってしまう可能性があります。
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実際、過去にはこのパターンで何度も新興国危機が起きています。
特に中南米は米国からの資金移動が大きいようで、
何度も痛い目にあってきました。
1980年代に米金利が急騰したときは、メキシコをはじめブラジル・
アルゼンチン・ベネズエラ・チリなどに危機が「伝染」しました。
1994年の米金利上昇では、
またメキシコが飛びました(テキーラ危機)。
ITバブル期の金利上昇では、
ブラジルとアルゼンチンがやられました。
「米金利上昇+ドル高」は中南米諸国にとって天敵なのです。
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しかし今回は、少し様子が違います。
リオ・オリンピックが終わっても、
ブラジル株は上げ続けています。
PERはなんと70倍超!
ITバブルも真っ青です。
ブラジルレアルも上昇を続けており、
資金流出の気配はまったくありません。
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一方、人民元はさらに下落が加速しています。
1ドル6.76人民元は、
2008年から10年にかけ長い間抑え込まれていた水準に近づいています。
様々な理由により、外資系企業は中国から脱出しています。
それでも全体的に、新興国は株も通貨も強いのです。
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これらの動きを見る限り、まだ新興国から資金流出する気配はありません。
しかしぜひ、中南米諸国の株・通貨・金利には注目しておいてください。
ここが一番、「米金利上昇+ドル高の引力」の影響を受けるからです。
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ワイルドインベスターズ株式会社