米金利上昇+ドル高の引力 (1)ドル安トレンド終焉か
2019/01/28
この3週間ほど、ドルが強いです。
さらに今月に入って2週間近く、
米国の長期金利が上昇しています。
しかし株価は下げません。
ずっと不思議に思っていましたが、
今週ようやく少しだけ株価が下げました。
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米金利上昇は「12月の利上げ観測が高まった」
というのがその理由。
しかしこれまでなら、
同じ理由でドルが下がっていました。
金利差や通貨供給量ではなく、
インフレ格差が着目されていたからです。
「インフレ通貨は安くなり、デフレ通貨は安くなる」
購買力平価理論に従って、ドルが売られていました。
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しかしここのところ、ドルが強いです。
対ポンドでは31年ぶりの高値。
新興国通貨に対しても強くなってきました。
チャートを見ると、
ドル安からドル高に転換したように見えるのです。
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中国の9月貿易収支は輸出に大ブレーキがかかり、
世界の工場としての立場がいっそう危ぶまれました。
いくら不動産バブルで盛り上げてもまだ、
外国の資金や技術が頼りなのです。
人民元は対ドルで7月の安値を一気に突破。
弊社予想通り、人民元の長期下落トレンドが明確になりました。
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それでも、株式市場はたいして下げません。
「米金利上昇」「米ドル高」の引力に逆らって、
上がり続ける風船のよう。
特にブラジル・ロシアは株も通貨も
「大丈夫かよおい」と言いたくなるような好調ぶり。
いったい何が起こっているのだと思います。
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ドル安からドル高に転換したとなれば、
その「引力」はさらに強まるでしょう。
その中でも米株は上がり続ける可能性があります。
しかし資金を吸い上げられる新興国は、
厳しい立場に置かれます。
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1995年から2000年まで続いた米株上昇と、
97-98年に地獄を見た新興国の危機。
同じシナリオのドラマが始まったような気がしています。
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ワイルドインベスターズ株式会社