(5)確定申告と申告不要制度を都合良く使い分けるには
2019/01/28
確定申告と申告不要制度を都合良く使い分けるには、
特定口座(源泉徴収口座)を複数持っておいた方が良い。
しかしそんなテクニックで税額が変わるとしたら、公平な制度と呼べるだろうか。
株の分離課税が合計所得金額に影響を与えないようにすべきだろう。
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このシリーズでは拙著
「ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金篇2016(東洋経済新報社)」
から一部を抜粋して紹介します。
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第6章(電子書籍では第9章) 2016年からの投資戦略
第6節 申告不要制度を活用する
ここまで説明すると、面白いことに気付くでしょう。
「あれ? 投資商品の税制は簡単になったけど、確定申告と申告不要制度を
都合良く使い分けるには、特定口座(源泉徴収口座)をたくさん持っておいた方が良さそうだ。
いくつの口座を開いて、それぞれどんな投資戦略に使うべきなのだろうか?
ややこしいパズルが簡単になったと思ったら、別のパズルが始まったみたいだぞ」
そうなのです!
投資商品の税制がシンプルになった代わりに、今度は申告不要制度を
うまく使う必要が出てきたのです。
極端な例ですとたとえば今年の株式売却益が4000万円あって、
去年までの損失繰越しが1000万円あったとします。
利益を出した口座がひとつしかなければ、確定申告して損益通算し、
約800万円の税金を600万円([4000万円‐1000万円]×0.2)に減らしてもらうしかありません。
しかし損益通算で控除しきれなかった3000万円は合計所得金額にプラスされるので、
社会保険料が上がったり住宅控除が受けられなくなる可能性があります。
それを避けたいのであれば申告不要制度を使うことになりますが、
すると今度は損失繰越し1000万円を使って今年の利益を減らすことができなくなり、
200万円の税金が取り返せなくなります。
(中略)
こうすれば合計所得金額を増えることのデメリットを避けながら、
損益通算や損失繰越しのメリットを得られるわけです。
賢い人は特定口座(源泉徴収口座)を複数作り、
それぞれで利益や損失をコントロールします。
その結果うまく申告した人は利益を得て、そうでない人は損をする、
そんな税制が果たして公平で効率的と言えるでしょうか。
そもそも「分離課税」と謳っておきながら、
所得まで影響を与えるとはどういう設計思想に基づいた税制なのでしょうか。
株の分離課税が合計所得金額に影響を与えなければ、このような小細工は不要になります。
この点についてはぜひとも再考をお願いしたいところです。
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