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週末だけのグローバル投資コラム

優遇を剥奪される中国・韓国 (6)香港の条例撤回は偽装。一帯一路サミット後の弾圧に注意

この文章は会員さん向け特別メール

投資戦略アップデート(20190905)[特別] 逃亡犯条例改正案完全撤回でも
香港の戦いは終わらない - 百家争鳴の末路を知る人々

の公共性が高いと判断し、加筆修正のうえ一般公開するものです。
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ただいま09月05日 10:33です。

昨日は株価が世界的に反発。

香港行政長官が「逃亡犯条例」改正案の完全撤回を発表したことや、
英国で合意なき離脱を避ける法案を可決したことなどが好感されました。

特に香港株が3.9%、アルゼンチン株が6.9%上げるなど新興国が強かったです。

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昨日夕方に一部の会員さん向けメールで
「香港の完全撤回報道は信用しない方が良い」と書きました。

その時点では報道機関が書いただけであり、
「飛ばし記事」ということで誤魔化される可能性があったからです。

ネットでもそのような声が大きかったからでしょうか、
その後キャリー・ラム(林鄭月娥)行政長官が正式発表しました。

香港当局だけでそんな決定ができるはずもなく、
中国共産党が「そうしても良い」と許可を与えたことは確かなようです。

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【速報】逃亡犯条例「完全撤回」表明 香港行政長官
FNN prime 2019年9月4日 水曜 午後7:09
https://www.fnn.jp/posts/00423487CX/201909041909_CX_CX
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正式撤回を表明。

香港トップの林鄭月娥行政長官が、議員との会合の場で、
中国への容疑者移送を可能にする条例改正案の正式撤回を表明した。

条例改正案をめぐっては、完全撤回を求める市民による激しい抗議活動が続いていて、
林鄭長官としては、要求を受け入れることで鎮静化を狙ったとみられているが、
デモが収束するかは不透明。(略)
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しかし香港のデモ隊はもちろん、中国に詳しい人々も「これは罠だ」と考えるでしょう。

諦めたように見せかけて相手を油断させ、
その後一気に襲い掛かる準備をしているのだと考えます。

こんなことで中国共産党が折れるなら、
東トルキスタンやチベットは今のような状況にはなっていません。

また民衆の力で共産党が折れたとなれば、中国各地の暴動や反乱が勢いづいてしまいます。

それでもいったん撤回したのは、以下のような事情があるからでしょう。

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11-12日に香港で開かれる一帯一路サミットが目前に迫り、
まずはそれを無事に終わらせないとメンツが立たない

特にデモ隊に暴力を振るっている様子を他国の代表に目撃されてはまずい

「混乱している」「統治されていない」という印象を与えるだけでも資金調達が困難になる

英国が合意なき離脱で混乱している隙にと思っていたが、いったん落ち着いてしまいそうだ
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「諦めたように見せかけて相手を油断させ、その後一気に襲い掛かる」

「仲直りを申し出て、相手が安心したところで息の根を止める」

などは中国で太古の昔から使われている「戦略」です。

中華文明では「嘘つき」は「賢い」の意味に近く、
「約束や契約を信じて騙されるほうが馬鹿」という感覚のようです。

日本をはじめ先進国は契約社会であるため、その感覚がわかりません。

だから中国・韓国・北朝鮮に繰り返し騙されてしまうのです。

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「和解や話し合いを装いつつ、相手を罠にはめる」

そのような例は、中国の古典にいくらでも出て来ます。

近いところでは1956-57年の
「百花斉放百家争鳴(ひゃっかせいほうひゃっかそうめい)」運動があります。

毛沢東主席は「共産党への批判を歓迎する」と宣言しました。

それを信じて批判した人々を、後から反右派闘争で粛清したのです。

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国際社会が注目しているうちは、中国共産党も香港のデモ隊に手を出しにくいと思います。

しかしそのような状態がずっと続くことはありません。

他で大事件が起きたり、大国同士が争ったり、先進国内が混乱したり、
人々が飽きたりして目を離す瞬間が必ず来るのです。

中国共産党はそのようなタイミングを逃さず、国土を何倍にも広げて来ました。

そのために各国にスパイを送り、争いを煽るなどして種を撒いてきたのです。

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中国共産党は一帯一路サミットさえ終われば、
デモ隊をいつでも武力鎮圧することができます。

逃亡犯条例の改正は引っ込めても、別の名前で法案を通すことができます。

「こちらが譲歩したのに要求をやめない暴徒」とレッテルを貼り、
弾圧する口実を探していることでしょう。

建国70周年になる10月1日まで待ったりしません。

一帯一路サミットが終わったらすぐ、露骨な弾圧を行うと考えます。

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ただしその戦術を、香港の人々もよく理解しています。

見せかけの譲歩に騙されたり油断することなく、国際社会へのアピールを続けるでしょう。

実際、香港のデモ隊リーダーは「騙されないで!」と呼びかけています。

https://twitter.com/chowtingagnes/status/1169188064066846721
https://twitter.com/chowtingagnes/status/1168164029115838465

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今回の条例撤回は、決してデモ隊の勝利ではありません。

独裁国家に抵抗する彼らを米国などの先進諸国がどこまでサポートできるか。

「普通に考えると六四天安門事件のようなことが香港で起きる」

という、弊社の見通しは変わりません。

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気になるチャート20190906
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パフォーマンス 2019年08月
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