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週末だけのグローバル投資コラム

中国新型コロナウィルスの衝撃 (27)香港国家安全法で高まる緊張。中国企業も米国から退出か

新型コロナウイルスが先進国で落ち着き始め、
代わりに米中対立のニュースが増えて来ました。

中国は延期されていた全人代を開催。

香港に国家安全法を導入し、言論の自由を封じようとしています。

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「香港の終わり」 中国全人代、国家安全法の導入へ議案提出
2020年5月22日 12:52
https://www.afpbb.com/articles/-/3284278
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新型コロナウイルスの流行を受けて延期されていた中国の全国人民代表大会
(National People's Congress、全人代、国会に相当)が22日に開幕し、
中国政府に対する「反逆、分離、扇動、転覆」を禁止する「国家安全法」の香港への
導入を検討する議案が提出された。国営新華社(Xinhua)通信が伝えた。

国家安全法が導入されれば、中国が香港の支配を強化し、
市民の自由がさらに損なわれると懸念されている。

香港の民主派議員や活動家は「香港の終わりだ」と反発。

米国も、香港の自由への攻撃だとして中国政府を非難している。

香港基本法は第23条で、
香港においては香港政府が独自に国家安全法を制定すると定めている。

ただ、「一国二制度」の下で高度な自治を認められてきた香港では、
同法が市民権を損なうとの恐れが人々の間に根強く、
第23条が施行されたことはこれまで一度もない。

2003年に制定に向けた動きがあったが、50万人が街頭に繰り出して抗議し、
撤回された経緯がある。(略)
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中国政府はすでに先月、香港の民主活動家15人を逮捕していました。

コロナ騒ぎで欧米が忙しくなった時を狙ったと言われています。

逃亡犯条例は香港市民の抵抗によっていったん撤回しましたが、
隙を突いて着々と締め付けを強化しています。

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香港で民主派15人一斉逮捕、米国の非難に中国は反論
2020年4月20日 10:57 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-20/Q923TAT1UM0W01
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  「民主の父」李柱銘氏やメディア界の大物、黎智英氏も逮捕された
    中国は英中共同宣言に背く行動続けている−ポンペオ米国務長官

香港で民主派が一斉に逮捕された。

中国が再び香港の民主活動家を抑え込もうしており、米国から新たな非難を招いている。

香港政府は18日、現職の梁耀忠立法会(議会)議員や「民主の父」と呼ばれる
李柱銘(マーティン・リー)元議員ら15人を逮捕した。

民主化運動を支持しているメディア界の大物で、
蘋果日報(アップル・デーリー)を創業した黎智英(ジミー・ライ)氏も含まれる。(略)
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それに対し、トランプ大統領は「非常に強く対処する」警告を発しました。

香港が取られたら次は台湾、そして沖縄ですから米国陣営も見過ごせません。

少なくとも2047年までは約束通り一国二制度を守るよう、
中国共産党にプレッシャーをかけ続けるでしょう。

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トランプ大統領、中国に警告−香港デモ抑圧強化する治安法制巡り
2020年5月22日 6:23 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-05-21/QAP5DBT0AFB401?srnd=cojp-v2
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    実行されれば「非常に強く対処する」とトランプ大統領が明言
    中国は22日開幕の全人代で香港を対象に国家安全法の通過を計画

トランプ米大統領は21日、中国が香港の反政府活動や民主化運動の取り締まり強化を
計画していることに米国として対処する方針を表明した。

トランプ大統領はホワイトハウスを発つ際に記者団に対し、
中国が取る可能性のある措置について、
「誰もまだ分かっておらず、私はどんな内容か把握していない」と発言。

「実行されれば、われわれは非常に強く対処するだろう」と語った。(略)
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米国には、昨年11月に成立した香港人権法があります。

「基本的自由を抑圧したりなどの行動については、
その者の合衆国における資産を凍結し、その者の米国への参入を拒否すること」

ができます。

香港に国家安全法を導入すれば、
その人物は米国から制裁される可能性があるということです。

また香港に対する貿易・投資の優遇特権そのものを剥奪することもできます。

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一方、米上院は中国企業の米国上場を廃止できる法案を可決しました。

同時にナスダックは中国企業ラッキンコーヒーに上場廃止を通知。

逆に百度(バイドゥ)はナスダックから撤退し、
中国に近い市場への鞍替えを検討しているとのこと。

米国は中国企業の排除を望み、中国企業は米国からの撤退を進め、
急速に再ブロック化が進みそうです。

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米上院、中国企業の米国上場廃止につながり得る法案を全会一致で可決
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-05-20/QANBNZT0G1KX01?srnd=cojp-v2

中国ラッキンコーヒーにナスダックが上場廃止通知−売買は20日再開
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-05-20/QALRFODWRGG601

中国の百度がナスダック撤退を検討、上場先変更で−ロイター
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-05-21/QAPDNFT0AFB601?srnd=cojp-v2
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中国としては、米国から資金や技術を得にくくなってきました。

だからこそ、日本やEUに接近しているのです。

脇が甘いヤツを丸め込んで抜け道を作りつつ、米国陣営を切り崩す作戦です。

1989年の六四天安門事件で制裁を食らった時は、
日本に接近して天皇陛下訪中を実現させ包囲網を突破しました。

習近平氏の国賓訪中は、それと全く同じことを狙っているのです。

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弊社は5年前、すでに「香港からも撤退すべし」と書きました。

中国への進出は「命懸けの募金箱」になりかねず、
一般投資家がそんなリスクを取っても良いことはないという意味です。

そしてみな「香港は中国と違う」と思っていますが、それはいつまでも続きません。

実は私もそのとき初めて、
香港株こそが世界最大リスクにさらされている市場であることに気付いたのです。

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2015年07月12日07:30
【週末だけのグローバル投資】中国バブル崩壊のインパクト(1) 中国への進出は「命懸けの募金箱」
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51189422.html

2015年07月19日07:30
中国バブル崩壊のインパクト(2) なぜ香港株のほうがヤバいのか
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51189831.html
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ましてや香港は、これから米中冷戦の主戦場となるところ。

ゴジラとキングギドラが戦っているところに、人間が小銭を拾いに行くべきではありません。

言うまでもありませんが

「命懸けで戦っている香港市民を応援すること」

と、

「投資戦略」

は、全く別の話なのです。

 

(終)

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気になるチャート20200522
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中国新型肺炎(COVID19)国別対数グラフ 20200520時点 現存感染者数 7日移動平均など
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51268980.html

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