優遇を剥奪される中国・韓国 (4)GSOMIA破棄で在韓米軍撤退と米韓同盟消滅へ
この文章は会員さん向け特別メール
投資戦略アップデート(20190823)[特別] GSOMIA(ジーソミア)破棄で
在韓米軍撤退と米韓同盟消滅へ
の公共性が高いと判断し、一般公開するものです。
-------------------------------------------------------
8月22日、韓国政府が日本とのGSOMIA(ジーソミア)を破棄すると発表しました。
GSOMIA( General Security of Military Information Agreement)は
「軍事情報に関する包括的保全協定」と訳され、同盟国など親しい関係にある国々と
秘密軍事情報を提供し合う際に第三国への漏洩を防ぐために結ぶ協定です。
日本と韓国は2016年11月23日にこれを締結し、1年ごとに自動更新してきました。
協定破棄には3か月前の通告が必要であり、今年は8月24日がその期限になっていました。
それよりも2日早く、韓国政府は「延長しない」と発表したのです。
====================================================
韓国、日本との軍事情報協定を破棄へ−米国は「強い懸念と失望」表明
Bloomberg 2019年8月22日 18:24 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-08-22/PWH6RLT0G1KW01
-------------------------------------------------------
韓国政府は日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄する方針を発表した。
北朝鮮が短距離ミサイル発射実験を再開する中、徴用工や貿易管理を巡る日韓対立が
米国を含めた3カ国の軍事連携に影響を与えることになった。
韓国の金有根(キム・ユグン)国家安保室第1次長は、韓国をホワイト国から除外する
日本側の最近の輸出管理厳格化の決定が両国の「防衛協力を取り巻く状況に重大な変化をもたらした」と指摘、機密軍事情報の交換を目的とした協定を維持するのは、
「われわれの国益に合致しないと判断した」と説明した。(略)
====================================================
上の記事にもありますが、日本の河野太郎外相はこれに対し
「現下の地域の安全保障環境を完全に見誤った対応と言わざるを得ない」と抗議。
米国防総省は「強い懸念と失望を表明する」との声明を発表。
それを聞いた韓国政府は「効いてる効いてる」と喜んでいるでしょう。
24日ではなく22日に発表したのは、
米日が引き留めのために譲歩することを期待した「瀬戸際外交」と考えます。
**************************************
実は日本にとって、これは嬉しい話です。
というのも韓国側から得られる重要情報など、ほとんどないからです。
それどころか日本が提供した機密情報が、
すぐさま他の国に流れてしまうことが度々ありました。
(どこに、とはあえて書きません)
逆に日本側から情報収集しようとすると「スパイ」と報じられ、
国外退去させられたりします。
韓国側から情報を流してくれた人は懲役です。
この協定で日本が得することなど、何ひとつないのです。
====================================================
“輸出規制措置”への対抗策? 韓国が「日本人防衛駐在官スパイ事件」を政治利用か
30年前にもあった韓国の「常套的手法」を当事者が明かす #1
文春オンライン 2019/07/27 福山 隆
https://bunshun.jp/articles/-/13043
-------------------------------------------------------
7月16日、韓国紙「東亜日報」は次のように報じた。
「韓国軍情報司令部の元幹部H氏と北朝鮮関連団体代表L氏の入手した
北朝鮮に関する軍事機密74件が、ソウルの日本大使館に勤務する2人の防衛駐在官へ
流出したことが、7月15日に明らかになった」
東亜日報が入手した判決文によると、2013〜17年の間に日本の武官に渡った
3級機密情報には、「咸南・平南地域ミサイル武器貯蔵室の位置及び貯蔵量」
(※咸南は北朝鮮の咸鏡南道、平南は平安南道)、
「北朝鮮の海外ミサイル技術者採用」、「北朝鮮のSLBM潜水艦開発」、
「対北制裁品目密搬入の動向」といったタイトルのものが含まれており、
日本の武官はこうした情報提供の対価として2320万ウォン(約210万円)を支払ったという。
韓国の抗議で日本の防衛駐在官が帰国
東亜日報によると、韓国の検察は昨年韓国軍情報司令部の元幹部らを起訴し、
国家情報院などと協議した上で、ウィーン条約に基づき日本の防衛駐在官1人には
「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましからざる人物)に準ずる措置が必要と判断。
韓国外交部を通じてその事実を日本側に伝えたところ、日本側はこれを受け入れ、
該当武官を早期に帰国させた。
また、加担の程度が低いもう1人の防衛駐在官も韓国側の抗議により6月に帰国したという。
今年1月、情報を流したH氏とL氏は1審でそれぞれ懲役4年、懲役2年・
執行猶予3年の判決を宣告され、裁判部は国家安保を理由に判決文を非公開としたという。
一方、ソウルの日本大使館は共同通信の取材に対し、
「そのような事実はない」と説明している。(略)
====================================================
ではなぜそんなものを結んだかというと、米国が命令したからです。
日韓は同盟国ではありませんが、日米同盟・米韓同盟を通じた間接的な友軍「でした」。
その三角形でスクラムを組んで、中国・ソ連(現ロシア)・北朝鮮などの共産勢力と
対抗していたのです。
日韓が揉めずに協力し合うことが、米国の国益「だった」のです。
**************************************
だからこそ米国は、GSOMIA破棄をちらつかせて日本のホワイト国除外を
取り消させようとする韓国に対して
「破棄するなよ!」
と釘を刺していたのです。
GSOMIA破棄で喜ぶのは北朝鮮であり、中国であり、ロシアです。
その意を汲んで日本も「継続してください」と要請していました。
日本にとっては有害でしかなくても、です。
**************************************
しかし韓国は、それが日本と米国の「弱点」であると考えました。
日米韓の結束を「人質」にして、日本に譲歩を迫る。
執拗にゴネ続けていれば、そのうち痺れを切らした米国が日本を叱りつけてくれる。
実際、韓国は戦後からずっとその方法で日本に外交的に勝利し続けて来ました。
日韓条約に伴う巨額支援も、すぐ反故にされた2015年の慰安婦合意も、
米国が韓国を西側陣営から離反させないために日本に譲歩させたのです。
**************************************
ところが米国は、
中国を支援し続けたことでとんでもない敵を育ててしまったことに気付きました。
北朝鮮の核武装を止めるどころか、時間を稼ぎながら裏で支援していることを知りました。
そして韓国にも疑いの目を向け始めたのです。
--------------------------------------
「やたらと北朝鮮を支援したがるし、THAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)配備は
イヤがるし、瀬取り監視中の自衛隊機をロックオンするキミは何者?」
「慰安婦合意をすぐ破って今度は徴用工で謝罪と賠償を求めてるんだけど、
日本と仲良くするつもりは最初からなかったってこと?」
「朝鮮戦争では米軍も4万人近い犠牲者を出して韓国を守ったのに、
それでも北朝鮮のほうが良いというのか」
「日米韓の結束を『人質』にして、我が国を脅すのはやめろ」
--------------------------------------
米国の心情は明らかに「韓国切り捨て」へと向かっています。
その証拠に、日韓が揉めても以前のように日本だけに
「我慢しろ」とは言わなくなってきました。
韓国は「日本というネコを懲らしめようと、アメリカという虎の尾を踏んだ」状態なのです。
**************************************
しかしいつもゴネるだけで要求を通して来た韓国には、それがわかりません。
自分には大きな価値があるので、切り捨てることは絶対にできないと信じています。
日本が言うことを聞かないなら、
米国も巻き込んでさらに困らせてやれば屈服するに違いない考えています。
今回のGSOMIA破棄で、日本に打撃を与えてやったと喜んでいることでしょう。
これはまさに韓国を米国側から引き離す活動をしていた親北派の思惑通りです。
韓国内では左派の人々が強く支持し、保守派が懸念しています。
====================================================
韓日軍事情報協定破棄 韓国団体の反応さまざま
聯合ニュース 2019.08.22 20:56
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20190822005000882
-------------------------------------------------------
【ソウル聯合ニュース】
韓国政府が日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を決めたことについて、
韓国の市民団体からは歓迎する声と影響を懸念する声の両方が上がった。
約750の団体でつくる進歩(革新)系の「安倍糾弾市民行動」の
パク・ソクウン共同代表は、ろうそくを持って安倍晋三政権を糾弾した国民の勝利だと
述べた上で、「ろうそく集会」で退陣した朴槿恵(パク・クネ)前大統領の後に就任した
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が正しい決断をしたと評価した。
同じく進歩系の団体「参与連帯」のイ・テホ政策委員長もGSOMIAの破棄を歓迎。
「朴槿恵政権の時に国会や国民の同意なしに独断で締結されたGSOMIAを破棄しても
問題はない」と述べ、「軍事大国化の道を進む日本の軍事パートナーになることが、
われわれが考える平和の方向に合致するのか今一度考える必要がある」と強調した。
一方、保守系の団体「正しい社会市民会議」のイ・オクナム政治室長は
「歴史、経済の問題から出発したことが、安保を脅かす状況になった」
と懸念を示しながら、「今回の決定が安保に致命的な問題を招かないか心配だ」と述べた。(略)
====================================================
GSOMIAの存在は、韓国がブルーチームにいることの象徴でした。
すでに日韓関係も米韓同盟も冷え切っていますが、これを残しておけばあと1年は
在韓米軍撤退や米韓同盟解消に進むことはなかったのです。
しかし韓国はそれを自らその「命綱」を絶ち切ってしまいました。
「俺の言うことを聞かないとこの命綱を切ってやるぞ!
本当にいいんだな? 後悔するなよ!」
と捨てゼリフを吐きながら、自分が谷底に落ちてゆくコントを見ているようです。
**************************************
米国の手前、日本も韓国を一応引き留める素振りは見せるでしょう。
しかしだからといってホワイト国に戻すということはありえません。
少なくともこれまで特別に優遇してもらって、
これからも優遇してもらおうとする人の態度ではありません。
逆に、「消えたフッ化水素40トン」の行方を早く説明してもらいたいぐらいなのです。
**************************************
文在寅大統領はGSOMIA破棄というカードを宣言してしまった以上、
日本が譲歩しなければその拳を降ろすことはできません。
日米の「(形式上)必死の説得」にもかかわらず、
親北左派の喝采を浴びながらGSOMIAを破棄することになるでしょう。
関係者が「驚いた」「衝撃を受けた」とは言っても
「それほど愚かだとは思わなかった」という意味です。
在韓米軍撤退から米韓同盟消滅へのハードルは、これでほぼなくなりました。
しかし弊社はいずれこうなることを、
2005年の親日財産没収法あたりから予想していました。
このようになってしまうまでに、数え切れないほどのサインが出ていたのです。
**************************************
米韓同盟が解消されたら、ほぼ間を空けることなく中韓同盟が締結されるでしょう。
思ったよりも速いスピードで韓国はレッドチームに入ってしまいそうです。
これに応じて投資戦略も警戒レベルを上げることにします。
-----------------------------------------
参考のためワイルドインベスターズ投資ブログをご覧ください。
このメルマガに関連したチャートが貼り付けてあります。
会員サイトではさらに盛りだくさんのチャート集があります。
気になるチャート20190823
http://blog.livedoor.jp/contrarian65-wild/archives/51263460.html
-----------------------------------------
金利、通貨の価格、金融商品市場における相場その他の指標にかかる変動により損失が生ずる恐れがあります。
またデリバティブ取引等の場合は当該取引の額が、預託すべき委託証拠金その他の保証金の額を上回る可能性があります。
弊社運用報酬や会費等の詳細は、会員サイトトップページをご参照ください。
ワイルドインベスターズ会員サイト
http://www.wildinvestors.com/member/
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
週末だけのグローバル投資 −生き残りの処方箋−
発行責任者 ワイルドインベスターズ株式会社
バックナンバー http://archive.mag2.com/0001237271/index.html
公式サイト http://www.wildinvestors.com/member/
Copyright (c) Wild Investors Inc. All rights reserved.
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★