やはり米中協議は物別れに (4)「踏み絵」で加速する中国包囲網 FIRRMA・ECRA
先週のブログでは
「昨年8月に成立した国防権限法(NDAA2019)により、
いずれ中国製通信機器は米国経済ブロックで使えなくなる」
「それなのに、いまだ日本で売っているのはまずいだろ」
と指摘しました。
するとまるでそれに反応したかのように、
今週は日本企業も次々に華為(ファーウェイ)との取引を停止。
株式市場でも関連銘柄が下落しました。
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グーグル(アルファベット)に続き、クアルコム・インテル・ザイリンクス
・ブロードコムなどがソフトや部品の供給を停止。
クアルコムなどは一部従業員に対し、
華為と連絡を取ることすら禁止する徹底ぶりです。
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広がる中国ファーウェイ排除、取引停止した企業一覧
REUTERS 2019年5月24日
https://jp.reuters.com/article/huawei-suppliers-factbox-idJPKCN1SU011
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特に痛いのは英ARM(ソフトバンク子会社)かもしれません。
ARMアーキテクチャを使えないとなれば、
小型省電力のスマホやタブレットを作ることが難しくなるからです。
そして中国にとって「恩人」であるはずのパナソニックまで離れました。
経済の再ブロック化が急速に進んでいると感じます。
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英アーム、ファーウェイとの取引停止へ=BBC
REUTERS 2019年5月22日 / 19:53
https://jp.reuters.com/article/huawei-tech-arm-idJPKCN1SS16E
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パナソニック、ファーウェイと取引中止=「米輸出管理法を順守」
時事 2019年05月23日00時36
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019052201274
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ようやく日本企業も重い腰を上げた様子です。
もしかすると米国や日本政府から、
脅迫じみた「ご指導」が入ったのかもしれません。
ドコモ・AU・ソフトバンク・楽天などの国内通信キャリアも
夏の新機種販売を「延期」。
ネットの小売業者も取り扱いをやめ、買取価格を0円にしています。
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日本企業も一応、横並びで準備はしていたのでしょうか。
一社だけ先陣を切ると目立って、マスメディアに叩かれてしまいます。
中国から当然、嫌がらせや報復を受けるでしょう。
またトランプ大統領の気が変わって、梯子を外されるのも怖いです。
だから「せーの!」で発表するよう申し合わせていたのかもしれません。
しかし米国ではすでに3%以下のシェアに落ちている華為スマホが、
日本ではトップセラーを続けていたことを思うと複雑な気持ちです。
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おそらくこれで、米国の「本気」がわかったのではないでしょうか。
「ゼニカネの話」ではなく、「生きるか死ぬか」の話なのです。
裏切り者も当然、制裁の対象になります。
見て見ぬふりしていた日本企業も、
ココム時代の東芝やダイキンの例を思い出しているかもしれません。
今頃は慌てて
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- FIRRMA(外国投資リスク審査現代化法)
- ECRA(輸出管理改革法)
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などの関連法案を研究している頃だと思います。
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中国シンパやマスメディアは、
「禁輸で損をするのは米企業や米国民」
「日本が最大の被害者」
と言い続けて来ました。
それに呼応して、「トランプ降ろし」「安倍降ろし」のムードを煽るのです。
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しかし、そんなわけがありません。
アマゾン、グーグル、フェイスブック、ツイッター、
ウィキペディアなどはとっくに中国市場から締め出されています。
中国企業の知財窃盗やダンピングに手を焼いています。
それらがなくなれば、長期的にはプラスとなります。
それに対して中国は先進技術を得ることが難しくなって経済成長は失速し、
政治的にも不安定化するでしょう。
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日本にとってもチャンスです。
素材・部品・工作機械をメインとする日本企業は、
需要が減らない限り売り先が変わるだけなのです。
むしろ長期的にはダンピング圧力が減って、利鞘が厚くなります。
短期的にはコストが上昇しても、
そのほとんどは賃金となってブロック内に留まるため購買力が復活します。
冷戦時代と同じ構造に戻れば、日本企業が大復活しても不思議ではないのです。
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ただしそのための条件は
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1. 米国と足並みを揃え、中国に技術や資金を与えないこと
2. コミュ力偏重ではなく、技術を重視すること
3. 少子化やソフト化など、今の時代に即した形にすること
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などが考えられます。
決して簡単ではありません。
しかしそれでも、他国に比べるとメチャクチャ有利なポジションにいるのです。
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気になるチャート20190524
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