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週末だけのグローバル投資コラム

仮想通貨の技術的問題 (8)「詐欺の一気通貫システム」が構築可能

2019/01/28

仮想通貨は「あらゆる関係者が」「あらゆる段階で」
不正をすることができると書きました。

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(1)発行レベルの詐欺(仲間内で大部分占有・勝手な複製と横流し[Dupe] ・お手盛りの分裂や仕様変更)

(2)保管レベルの詐欺(外部からの不正アクセス・内部者による横領
・内部者が外部ハッキングを手引きしキックバックをもらう)

(3)取引レベルの詐欺(インサイダー・相場操縦・悪意のある呑み行為)

(4)販売レベルの詐欺(ねずみ講・ICOやらずぶったくり)
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つまり仮想通貨を使うと、発行から販売まで嘘で塗り固められた
「詐欺の一気通貫システム」を構築することが可能なのです。

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いま問題になっているコインチェックに、さらなる疑惑が持ち上がりました。

実際には仕入れていない仮想通貨NEMを、顧客に対して販売していたというもの。

いわゆる「ノミ(呑み)行為」です。

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コインチェック社「持ってないコインを消費者に売る」商法と顛末
山本一郎  1/30(火) 0:37
https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamotoichiro/20180130-00081027/
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"コインチェック社は顧客からのNEMを買う注文を受け付ける4月19日から6月12日まで
NEMを自社のウォレットで保有していないことが確定的となります。"

つまり、コインチェック社は:

仕入れていないNEM/XEMを、ユーザーに対して販売していた

疑いが極めて強くなります。
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実のところ、「ノミ(呑み)行為」自体は日本の金融制度において一部認められています。

FX証拠金取引やCFD取引は、まさにこの「呑み行為」です。

相対取引であるがゆえに自由度が高く、きめ細かなサービスが可能になります。

全否定すべきものではなく、使い方によっては強力な資産運用ツールになります。

冒頭の(3)取引レベルの詐欺のところに、
わざわざ「悪意のある呑み行為」と書いてあるのはそのためです。

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しかし「呑み行為的金融業」は相対取引であるがゆえに、
業者が恣意的に操作できる部分が多いです。

たとえば顧客に不利なレートで取引させたり、
取引自体を無効にすることも可能です。

そして業者が潰れてしまえば、
自分が預けた現金や含み益は返ってこないかもしれません。

「業者に対して信用リスクを負っている」ということです。

「だから業者の信用度をよくよく考えて選んでくださいね」と、
本にも書いておきました。

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「ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金篇2016」

この電子版、第二部です。紙の単行本では省かれていますのでご注意ください。

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今回の事件では盗まれたNEMに「色」をつけ、
使えないようにしたと報道されています。

そんなことも技術的には可能なのかと、感心しました。

しかし犯罪捜査の主導権が「外国の」「民間組織」に握られていると考えると、
恐ろしくもあります。

もし追跡側に盗人の仲間が紛れ込んでいた場合、捜査は困難を極めるでしょう。

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そして私がアンダーグラウンドの人間であれば、こう考えます。

「最初から詐欺目的の仮想通貨を作ろう」と。

安全・透明・高収益を謳いつつ、詐欺師たちにカモを集めてもらいます。

詐欺会社はタレントを広告に起用し、巨額の資金を集めます。

そろそろ潮時かなと思ったら、詐欺会社はハッキング被害を装って倒産。

資産を外国に移してしまえば、警察の捜査も簡単には進みません。

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「顧客の損失は補償する」

「大丈夫だ。盗まれたコインは使えなくした」

「盗まれたのは詐欺会社の責任。コイン自体は安全」

などと口先だけ言っていれば、追及の手も鈍るでしょう。

「逮捕される役」の仲間には、裏でたっぷり報酬を払ってあげます。

日本はカモが多いですし、殺される心配もなく、
逮捕されてもすぐに出ることができます。

「詐欺コインを売るなら日本に限る」

マウントゴックス事件でそれを学んだ人は多いはずです。

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拙著「ビットコインはなぜヤバい」では、こう書きました。

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"しかし「いわゆる仮想通貨」は、
誰がどれだけ発行しているのか確かめようがありません。

極端なことを言えば発行量も取引高も価格もチャートもすべて嘘で、

それを信じた人々がカモられている状態であっても不思議ではありません。"
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仮想通貨では、発行から販売まで嘘で塗り固められた
「詐欺の一気通貫システム」を構築することが可能です。

あなたの口座残高に表記されている、仮想通貨や現金の金額は嘘。

分別管理も、高度なセキュリティも嘘。

外部からハッキングされ盗まれたというのも嘘。

損失を一部補償するという言葉も嘘。

取引価格もチャートも嘘

総発行残高も嘘。

関連団体からの各種リリースも嘘…。

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ひょっとするとあなたが持っている仮想通貨は、
「最初から詐欺のために作られた電子アイテム」なのかもしれません。

発行者から販売者まで全員グルであれば、詐欺とは気付かれにくいものです。

繰り返される盗難を「個人の問題」「業者の問題」で片づけるべきではありません。

いわゆる仮想通貨には投資家保護の仕組みがなく、
犯罪の温床になりやすいという「構造そのものが問題」なのです。

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