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週末だけのグローバル投資コラム

中国新型コロナウィルスの衝撃 (6)すでに米国内でインフルエンザ様疾患(ILI)として感染拡大か?

ただいま2020年02月16日(日) 13:39です。

米国はインフルに似た症状を示す患者に対し、新型肺炎の検査を始めるそうです。

良く考えたら、日本で最近感染が確認された人々は1月中に発熱していました。

ということは米国が中国からの渡航を制限する前に、
すでに米国内に入っていた可能性もあるわけです。

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米、インフル症状に新型ウイルス検査へ 対策を大幅強化
2020年2月15日 4:13
https://www.afpbb.com/articles/-/3268418
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米当局は、国内の保健当局によってインフルエンザに似た症状が確認された患者に対し、
新型コロナウイルス「COVID-19」の検査を行う措置を開始する。

米疾病対策センター(CDC)の高官が14日、発表した。

米国内の新型ウイルス対策が大幅に強化された形だ。

CDC国立予防接種・呼吸器疾患センター(NCIRD)のナンシー・メッソニエ(Nancy Messonnier)所長は、「CDCは、インフルエンザに似た症状のある人々に対し
新型コロナウイルス検査を開始するべく、全米各地の公衆衛生検査機関5か所の
地域密着型インフルエンザ監視能力活用に向け、これら機関との協力を開始した」
と表明した。(略)
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そう言えば米国は今年、インフルによる死者が多いとのこと。

ネットでも「新型肺炎が混じっているのではないか」と疑う声はありました、
私はあまり信じていませんでした。

しかし新型肺炎の検査体制が整っていなかったとすれば、
すべて「インフルエンザ様疾患」で処理されていた可能性があります。

ちなみに「インフルエンザ様疾患」は
「インフルエンザ・ライク・イルネス(Influenza-like Illness)」で「ILI」
と略されるそうです。

CDCのサイトでインフルエンザについて調べて行くと、

U.S. Outpatient Influenza-like Illness Surveillance Network (ILINet)

のデータがグラフ化されていました。

ILINetは「米国外来患者インフルエンザ様疾患監視ネットワーク」
とでも訳すべきでしょうか。

日本にも同じような組織があって、データを提供していますよね。

https://www.cdc.gov/flu/weekly/#ILINet

これは外来患者の中に占めるILIの割合だと思います。

6.8%という数字はかなり高く、2017−18シーズンとほぼ同等。

下の記事は瀧口範子氏が今年の米国インフルについて書いたもの。

これによると「2017−18年シーズンは6万1000人もの死者が出た」とあり、
今年はそれに近い流行ということです。

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死者1万人超、アメリカで「インフル猛威」のなぜ
2年前はなんと6万人以上が亡くなっていた
瀧口 範子 : ジャーナリスト
2020/02/14 5:25
https://toyokeizai.net/articles/-/330373
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2月1日までの1週間だけで罹病者数は400万人増え、今シーズンの罹病者は合計で2200万人。

死者は1万2000人──。

これは、今世界を震撼させているコロナウイルス肺炎の話だと思われるだろうか。

いや、そうではない。実は聞き慣れた病気、「インフルエンザ」のアメリカでの現状である。

アメリカでは、1月半ばになって急にインフルエンザが猛威を振るい始めた。(略)

アメリカ疾病対策センター(CDC)は、昨年10月1日以降2月1日までの間に、
アメリカ国内で合計2200万〜3100万人がインフルエンザにかかり、
来院は1000万〜1500万件、入院件数は21万〜37万人、
死亡者は1万2000〜3万人となったと推定している。

数に開きがあるのは、
「インフルエンザでは、罹病ケースを完全に監視することは不可能なため」という。

聞き慣れた病気だし予防接種もあるではないかと、インフルエンザは軽く見過ごされがちだ。

だが、CDCでは、
アメリカでは例年1万2000〜5万6000人がインフルエンザで死亡するとしている。

2017年-2018年シーズンは悪夢のようなインフルエンザ流行に襲われ、
何と6万1000人もの死者が出た。(略)

CDCではインフルエンザの特別ページを設けて、1週間ごとに現状をアップデートしている。

どこで流行しているかを示す地図では、
ほぼ全州がインフルエンザ的な症状が高く見られる「赤い」地域になっている。

そして、肺炎とインフルエンザによる死亡率は7.1%とあり、
これは伝染病とみなされる死亡率7.2%のギリギリのラインである。(略)
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上の記事はもっぱら、拡大する今年のインフルエンザに対して警鐘を鳴らしています。

しかし「新型肺炎が1月から米国で拡がり始めた」という仮説を頭に置くと、
記述の端々が心に刺さります。

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「1月半ばになって急にインフルエンザが猛威を振るい始めた」

「当初はテキサス州やジョージア州など南部を中心に感染者が増えていたが、
その後カリフォルニア州で猛威を振るった。
が、東部で感染者が爆発的に増えたのは今年に入ってからだという。」

「何の既往症もなかった健康な30代の男性が犠牲になったり、
陰性と判断された12歳の少年が数日後に急変して死亡したり、
20代の女性が会社を早退して5日後に亡くなったりするなど、
予測不能な事態に発展することもうかがわれる。」

「インフルエンザで死亡するケースで多いのは、例えば免疫力が下がっている場合や、
糖尿病や喘息などの慢性的持病がある場合、
インフルエンザから肺炎や敗血症を引き起こした場合など。」

「それでも、健康な子供がインフルエンザに対して過剰な免疫反応を起こして
内臓を痛めるといったケースもあり、
「一瞬で息をしなくなった」と嘆く遺族の様子などが伝えられている。」

「肺炎とインフルエンザによる死亡率は7.1%とあり、
これは伝染病とみなされる死亡率7.2%のギリギリのライン」
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これらの記述を私の「妄想エンジン」で翻訳すると、こうなります。

  ↓↓↓

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1月半ばになって、新型肺炎が米国で拡大していることが明らかになり始めた。

シーズンの当初、南部で流行っていたのはいつものインフル。

しかし昨年のうちに中国との交流が盛んなカリフォルニアに新型肺炎が
入ってきて猛威を振るった。

今年に入ってからはそれが東部にまで拡大。

既往歴がなくても突然死する。 ← 新型肺炎

免疫が低下していたり慢性持病があると「肺炎」や敗血症を起こす。← 新型肺炎

健康な子供が過剰な免疫反応を起こして内臓を痛めたり、突然死する。← 新型肺炎

肺炎とインフルエンザによる死亡率は7.1%。 ← 区別されないまま感染が拡大している

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うーむ、これはすでに米国で感染が拡大しているんじゃないですかね。

医療が進んでいるから中国ほど死亡率が高くないだけで。

ILIで亡くなったと診断された方も、実は新型肺炎だったということはありそうです。

またそれ以上に「インフルに罹ったけど治った」と思い込んでいる人や、
感染しても気付かぬうちに治ってしまった人が大勢居るでしょう。

もし米国で感染が広がっていたとしても、それは悪いニュースばかりではありません。

なぜなら
「医療崩壊していないという前提で、今のところ先進国での死亡率は強いインフル程度」
と考えられるからです。

まあインフルよりずっと感染力が強そうですし、変異しそうで全く油断はできませんが。

まずはロスアンゼルスから検査が始まるとのことですので、結果を待ちましょう。

(終)

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